■かっぱ君
- Entry3の越冬こあらさん「かっぱ君」を推薦します。
> 私は手早く着替えて、マフラーを巻くと、三本指の小さな手にひかれて > 外に出る。日没が迫り来る不安に酔い覚めの不安が手伝ってかっぱ君の > 甲羅が小さく震えている。 > 「大丈夫よ」かっぱ君の手を強く握る。かっぱ君が握り返す。 ここ好きだなあ。きゅんとなった。こあらさんの書くもの好き。
- かっぱ君がかわいい。人間臭く、ちょっとコミカルで、良かった。幸せな気分になれる作品。
次点は佐藤yuu×popmusicさん「うつらうつラララ」。コメディタッチでちょっと悲しい、バランスが絶妙だった。
- ……泣かせる。
- 昔河童と祝言したが
怠け河童に愛想が尽きて 里に帰ってきたものの 残された子は母恋し 月に一度は会いに来る ここのところで決まりでした。 だがしかし、(MAOさん、まねっこごめん)各話で気になったところ僭越ながら。
1.「うつらうつラララ(謹賀新年スペシャルエディション2004Ver.)」 なんとなく物足りなさが残る。(も、一度、念。)の次の展開がほしかった。超能力が宿ってからの行動でオチをつけていれば面白くなりそうだと思う。
2.古典的シチュエーションに関する考察 この手の話はよっぽどのオチがないと、やっぱりなあ、という感じで終わってしまうのでは。 追伸。『ごんの株日記』面白いですね。出版決定おめでとうございます。
3.かっぱ君 家に帰ると、とんでもないものが居たという出だしは平凡。月に一度は来るのに、〜らしい、というところが気になった。
4.神様と会った ポリタンクのおかげで事故にあってしまった男女は生き返って喜ぶだけで終わりかい? 車がボコボコになったんだったら普通怒り狂って「僕」に突っかかってくるだろうって突っ込みを入れたくなった。車も直して男女が何事もなかったように走り去るんだったら辻褄が合ってこれに一票だったんです。
5.象と砂糖 何だが、よぐわがんねっす。一度どっぐちゃんサンの(ちゃん、のあとにもサンをつけるのか迷う) ちゃんとしたストーリーのものを読んでみたいっす。
6.早春の海岸 きれいに纏めようとしすぎて平凡なストーリーになってるなあ。真海ちゃんも物分かりよすぎる感じだし、という不満が残った。
もっと、僭越ながら。 いつもの各氏の作品と違って、時間に追われて大急ぎで仕上げちゃいましたって言う感じのが多かったように思いました。
- 作品数が少ないと、飛び抜けて、これだ!ってのには
なかなか出会わないもんだなあ。 今回はQBOOKSスタンダード越冬こあらに 敬意を表して「カッパ君」に投票します。
(アナトー)
■神様と会った
- 構造的には川上弘美の「神様」と同じだけれど、小道具や台詞の選び方のポップ感がとてつもなく優れていると思った。
- ぼくの義父は神様には似ていないが、
エベレストにも登ったことがある人なので、 高いところに関係があるという意味では、 ちょっぴり神様的かもしれません。
- 「神様と会った」と「象と砂糖」でとても迷いました。
ラストシーンがどちらもいい感じに余韻があったので。
かっとび具合と飛距離では「象と砂糖」が勝っていますが、 「神様と会った」のほうが突っ込みどころが多くて楽しかったので、 こちらに一票投じることにします。
はじめのほうで、コケて車道に吹っ飛んでいった 18Lのポリタン入り灯油が、 そのあとちゃんと回収されていて、 最後のシーンで 「ストーブに給油する」 という使命を全うしているところが、凄くすきです。
たぶん、神様の話はほんの余禄というか目くらましで、 この物語の本当の主役は、ポリタン入り灯油なのではないかと思います。
- すらっと読めたのが良かった。灯油は重いです。
- どれも甲乙つけがたい印象ですが、アナトーさんがまたこんなほんわかした話を書いてくれないかなと思ったので。
■古典的シチュエーションに関する考察
- COCに期待しすぎているからいけないのか、ともかく選ぶのになかなか難しいバトルだったと思う。
とりあえず、一番優れていたのはごんぱちさんのだと思う。でもCOCだしなあ。なんとなく、全体的に、残念。
- とりあえず、これに一票。
終わり方がとっても「悪魔を憐れむ歌」まんまだった気がするけど、まあ良いか。 あと「かっぱ君」も普通に良かったかと。
- くだらない説明的お話しでしたが、さすがにプロの感覚をお持ちで、堂々とした文章に、これだろう、そう思いました。
- すべて期間をあけて2回読みました。もしかしたら3回4回と読んでいけば変わって来るかもしれませんが、まあそれは仕方ありません。
そんなわけで今回はごんぱちさんの作品が一番シャープに心に届きました。 結構ストレートなのでもう少し強烈な、というか、何か引っかかるものがあればもっといいと思いましたが。
■象と砂糖
- るるるぶさんのいつもの手法って感じがしない気がするけれど、言葉遊びみたいなところはそうなのかなって気がしたりなんたり。
どうせならエレファン党とサ党の血塗れの抗争や醜い潰し合いとかを見たいとも思ったけれど、なければないで仕方ない。 みたいな事を考えさせてくれたので、一票。
- 楽しく、すらすらと読めました。
サ党に一票!
■早春の海岸
- やっぱりCoCだからだろうか。各人、いつもと感じが違う気がする。(読んでいるほうも、CoCだからとりわけ面白いものが読めるのでは無いか、という期待も過分にあるのだろうが)どうせ「CoCというのはあまりにも情けない」なんて票もあるだろうから、先に書いておけば、なんだか、新鮮で、全体的に面白かった、と。ただ、この特別な舞台の効用が、プラスに働いているか、マイナスに働いているかという意味では、パックリ分かれてしまった気がするのだ。どうかな、一人語りは小噺だし、「今日はこんなことありました」をやるにはちと視点が定まらず、不条理やるには勇気がない。とかくバトルは書きづらい。と、おお、まっとうな小説があるじゃないか。
いや、文句なしに、今回は、さとさん。めでたし。(M)
- 個性派ぞろいの曲者対決となった今回のバトルで、いつもマイペースなこの方の作品に、いつも以上の新鮮味を感じました。
■うつらうつラララ(謹賀新年スペシャルエディション2004Ver.)
- ユポさんの描く男の人は、とても可愛い。
この作品も、そんな男の「可愛い強がり」が描かれていて 良かったです。
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