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第151回詩人バトル

エントリ作品作者文字数
1まつり待子あかね210
2悔しい脳石川順一270
3フランセスク、フェランあるいはファリオルヨケマキル379
4供述書によると #334サヌキマオ222




 


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エントリ1  まつり    待子あかね


毎年のように
夏にも 秋にも お祭りがある
同じような景色
同じような顔ぶれ
そこに きみはいない

毎年のように
りんごあめを食べて
スマートボールを楽しんで
同じような景色
そこに きみはいない

いないと思っていても
きみと来たこの場所は忘れられなくて
きみと来たこの場所はいつまでもここにあるから
また やってきてしまった

時ば流れていき 
それは同じことの繰り返しのようで
少しずつ ちがったことが 織り込まれている
また まつりの季節がやってきた





エントリ2  悔しい脳    石川順一


悔しい脳が語らせるのは
銀行の電話番号だけでは無い
シータにズボンをはかせもする
例えば辻で出会ったヨッシーと
兄弟のさかずきをかわす事にもなる

しわがひたいにはいだすと
白髪を誇る老人の徘徊の取り締まりに余念のない
特別憲兵隊の隊長の昇給日
ぐらいは銀行に電話も掛けたいし
シータにズボンもはかせたいし
ヨッシーと兄弟の杯を交わしたい

悔しい脳がおおきにおおきに
と、騒ぎ出す12月の罪は
6年後の2月につながっている
例えば辻で出会ったヨッシーとの杯も
割れて仕舞う程の

悔しい脳がどうして時空をネジ曲げる事が出来たのか
文字通りヘンリージェームズの
ねじの回転の様ではないか





エントリ3  フランセスク、フェランあるいはファリオル    ヨケマキル



フクロウが泣く頃
修道院で誰かが死ぬ


『フランセスク、フェランあるいはファリオル』ヨケマキル


クレット
青白き少年 クレット

ピトルリゥア
おとなしい小鳥 ピトルリゥア


クレットは馬車ごと崖から転落
金魚のように口を動かし
パクパクと ピトルリゥアの名を呼ぶ

それはディオニスの馬車であった
ピエラの辺りの森

光なき 死 
少年の


物語は始まるが終わらない


因果応報と誰かが言い
あの森は呪われているとフロレンシアは言う

洞窟の怪物の名はファリオル


旅に出る
フランスへ

いとこフェランの右手は
川遊びの時 手榴弾が爆発してつぶれた

私はね
いつか鳥に火を着けて放してやりたい
空を飛ぶ火の玉が
鳴きながら地に落ちる
残るのは灰の海だけ
と言った


鳥は飛ぶために生まれた
わらのカゴでないと羽根を折る
閉じこめても本質は変わらない

何を理想とし
何を愛するか

そのズアオアトリの名はフランセスク


低空飛行は歩いているのと同じだ







エントリ4  供述書によると #334    サヌキマオ


見えないものは描けない
識らないものは描けない

おやじの涙
真実の愛
夏の残像
過ぎ去ってしまった何か
鬱くしいにっぽん
お前の予言
ありがとうとの感謝の言葉
野原ノ松ノ林ノ
小サナ萓ブキノ小屋
見失ったピース

みんな見えぬ
なにも見えぬ
見えないものは描けない
識らないゆえに書けない

月島第三公園のとんがりテントの公衆便所の
とんがりの上に寝せられて上の口下の口から紅白の液体をたれ流している(元)五所川原ねのひちゃん11歳のことなど

見えないゆえに描けない
識らないものは知らない