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第16回詩人バトル Entry14

月がみていた

いつのまにかに 上滑り 私の蒼い 蒼い月の まわりを 行ったり来たり

時間に漂白される 幼き思想たちの群れ 
果て知らぬ青 空高い向日葵 耳を塞ぐ蝉のうた 夕暮れ時の交響楽
滑稽なほど鮮烈な 幼稚な感情 水面に揺れる太陽 雨を呼ぶ樹々の声

乖離する自我 薄れゆく記憶
絶望を抱えて 今更どんな未来を うたえばいい
時は唯 何もかもを 奪ってゆくのに?

昔 目指した高みを 私は見失ってしまった
翼は折れて 神様はもう ここにはいない

内在する記憶 と 外在する記憶
そして 私 という 存在の意味
世界の意味 生と死 循環する情報
metaphysicの彼方で 見つめる真実

喪失を怖れる心は まるで 未来を恐がる心
昔きたけもの道 遠い記憶を手繰り寄せ
不慣れな私の手を牽き 堕天使の群れがゆく
震える足を 引き摺り 空を仰ぐ



蒼い 蒼い月 が みていた

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