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第16回詩人バトル Entry80

多元宇宙

僕は君に、声をかけない。
家路についた君を、ただ後ろから見守る。
君は急に飛び出してきたトラックに驚く。
トラックの兄ちゃんが馬鹿野郎と怒鳴り、君は理不尽な怒りを感じる。
ただ、それだけの話。
僕等の明日はまた、怠惰に流されていく。

例えば、そんな世界。
僕が君に声をかけなかった世界。

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