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第18回詩人バトル Entry20

驟雨

魚のような空だった
一面が銀鈍色の波
見上げると驚くはやさで
東北東へ泳いでいく

行き先を確かめようとして
仰いだときにはもう遅く
滴をつらねた糸は切れ
瞬くあいだに降り出した


鱗と鱗のあいだから
生臭い雨の降りかかる
傘も持たずに肩を濡らせば
辺りは川の匂いがする

ずしりと重い頭を提げて
足早に駅へと向かう
魚の匂いを身体に纏って
人々は屋根へ走り込む

行き先を確かめようとして
仰いだときにはもう遅く
電光掲示の文字は流れる
列車は息吐き発車する


人々を包んだ窓は走って
版画のように瞼に残り
蛍光灯に一列に並んだ
残像が消えて雨が降る

取り残された私のまえに
出口の見えない俄雨
神鳴の音を待っている
突然に射す陽を待っている

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