第37回詩人バトル結果
今回のバトルは、
佐藤yuupopicさん 『クライシェの星』
紺野なつさん 『休み時間』
大覚アキラさん 『ホムンクルス』
の3作品がチャンピオンに決まりました。おめでとうございます。
多くの感想をお送りいただきまして、ありがとうございました。
      
エントリ 作品 作者 得票
10 クライシェの星 佐藤yuupopic 4
13 休み時間 紺野なつ 4
22 ホムンクルス 大覚アキラ 4
15 夢のようなあなた 葉月みか 2
33 未知の苦 木葉一刀 2
2 豊作の今 女 セックス 1
3 砂漠を歩く少年 夢追い人 1
4 輝ける人 やまなかたつや 1
8 あの頃のすべて 1
14 群青、そして、手 檸檬 1
17 夜半に 詠理 1
19 止れること さと 1
20 ふとんのうえ 鈴矢大門 1
21 ある晴れた日の午後 深神椥 1
24 卒業 児島柚樹 1
26 海辺の町 植木 1
32 人世 細きん腐とた 1


 推薦作品と感想

クライシェの星  佐藤yuupopic

感想:
どうにも決めかねるけど、これが一番印象に残ったかな。
投票者:QBOOKS登録作者

感想:
リズムが独特で不思議な感じ。
それが心地良いと感じました。
投票者:QBOOKS登録作者

感想:
佐藤yuupopicさんの作品の多くに共通している主題のひとつは、「喪失感」もしくは「喪失」そのものではないかと、以前から思っている。というか、実のところは佐藤yuupopicさんに限らず、多くの詩人の詩は「喪失」を詠っているのだが。
今回の『クライシェの星』は、ついに“わたし”自身を喪失してしまった。
「クライシェが彫ってくれた、/星/いつの間にかわたしの一部じゃなくて全部になってたンだな、」という部分。こんな風に喪失感を描くことができる人は、なかなかいない。このあたりが、彼女が他の作者と一線を画している所以だろう。
投票者:QBOOKS登録作者

感想:
 大覚さんとユポさんと、今回は素直に二作品まで絞れました。ユポさんに関してはさんざっぱら掲示板でやったしなぁ、大覚さんはこの構成といい見事なコケ具合といい、完璧なのです。全感想で突っ込んだ最後の2行も、空気穴だと思ってしまうと完璧すぎて、不安要素が無くなってしまったのだ。そう、ここをどう解釈するかで、全感想から投票までのブランクが空いてしまったのですよ大脇さん。(誰だ)
 大覚さんは完璧だし、ユポさんもこれまた仕事の精度が高いし、どっちやろなぁ、と思ったのですが、心情的なものも含め、言葉に出来ないものが過分に見えていた、というコトで今回はyupoさんに入れることにします。次点は大覚さん、予想以上の復活第一号の紺野さん、そして、言葉の選び方に無駄のない、最近の中ではすこぶる飾らないでいる(のであろう)さとさんの三名であります。(M)
投票者:QBOOKS登録作者


休み時間  紺野なつ

感想:
ブラウン運動を知っているか否か?この短い詩を楽しむ要素の一つですが、いずれにせよ〈運動〉という単語が入ることで、子供達の動きを想像させる点、上手い。 投票者:QBOOKS登録作者

感想:
今回投票する作品は、私の一票だけという事は無かろう。
と思いつつ「休み時間」に投票。
この風景を見ていられることは、その職を目指し叶えた人にとって
一度でもその瞬間は本当の幸せになれるんだろう。
なんて、想像している自分が幸せになれたので。
投票者:QBOOKS登録作者

感想:
本当、ほくほくとなりました。美文ではないけれど、なんて力のある文だろう。激しい情熱でも異常な自己観念でもない、だけどとても豊かな感情をかんじた。やってくる懐かしさは少しだけかなしい気分も乗せてきた気がするんだけど、なんだろう。

他には、
「クライシェの星」、女のなかの少女、ってのを感じる。うん、いとおしい混沌だ。
投票者:QBOOKS登録作者

感想:
シンプルイズベスト
投票者:QBOOKS登録作者


ホムンクルス  大覚アキラ

感想:
この作者の詩は常に移り変わり続けている、
と。殊にここ最近思う。本作からもそれを強く感じるが、
ある時期を境に、またきっと何かを、つかまえたのだろうとお見受けする。
詩を描いてないからこそ、大覚詩の言葉の連なりは詩であり続けるのだろう。
わたしは、このありとあらゆる境界に満ちた世界に、名前をつけたい。
名前をつけるのが、わたしじゃなくって、他の誰かであっても別段構わない。
(佐藤yuupopic)
投票者:QBOOKS登録作者

感想:
ああもうこれ。絶対これ。素晴らしい素晴らしい素晴らしい。すっばらしい! 
感想が下手なので内容については特に何も書かないけれど、先月分も含めて、いや、数か月分まとめて投票したいくらいにとても良いなあと思った。
次点は佐藤さん。これにも投票したいなと思った。

絶対にこの二作が優勝すると思う。
投票者:QBOOKS登録作者

感想:
すごく静かな詩だと思った。
しずかで、だけど、言葉ひとつひとつが新鮮な魚のように飛び跳ねている、というか……。

堪能できる作品でした。
投票者:QBOOKS登録作者

感想:
最後にきゅっと集まる感じに感動した。
投票者:QBOOKS登録作者


夢のようなあなた  葉月みか

感想:
恋愛ものって相変わらずQ書房では多いですが、この作品はその恋の儚さというか詫びというか、そんなのが昨夜見た夢と上手く架けてあっていいな〜ってお思いました(^^)
 ってなワケで、今回は葉月さんに一票っ!
投票者:QBOOKS登録作者

感想:
うまいなぁ…の一言に尽きます。
「夢のしっぽ」という表現が特に好きです。 投票者:QBOOKS登録作者


未知の苦  木葉一刀

感想:
瞬間を凝視したような作品が多くて、それはそれで素敵なのですが、
この作品のように比較的長い時間軸を意識したものも、
もう少しあっていいんじゃないかということで、一票。
投票者:QBOOKS登録作者

感想:
読んでいてせまってくるものがあった。
今回はこの作品がダントツであると思う。
投票者:QBOOKS登録作者


豊作の今 女 セックス  庭

感想:
今回、頭に、胸に、腹に、ズドンと一発来た作品群を以下に。

◆庭さん『豊作の今 女 セックス』
◆佐藤さん『クライシェの星』
◆大覚さん『ホムンクルス』

上記3作品に共通するのは、
抜き差しならないほどに明瞭すぎる自我、
それと並存する客観的な(またはそうあろうとする)眼差し、
そして、諦念。

一編の詩の中で安易に答えを呈そうとする作品に残るものはないし、
雰囲気だけで勝負しようとする作品にも今はあまり興味がない。
どこに向かうわけでも向けられるでもないベクトル。
いい意味での後味の悪さ。
突き詰めた結果の中途半端さ。
そういったものに惹かれがちなのは、至極個人的な価値観や嗜好によるところだが。

この3つならどれがチャンプでも構わないのだが、
読んで一番悲しくなった『豊作の今 女 セックス』に一票。

(葉)
投票者:QBOOKS登録作者


砂漠を歩く少年  夢追い人

感想:
短い物語のような、それでいて言葉の美しさに溢れた素敵な文章でした。
投票者:QBOOKS登録作者


輝ける人  やまなかたつや

感想:
素直な気持ちがつづられていてよかったです。
とても共感できました。
次の作品も楽しみにしてますね。
投票者:QBOOKS登録作者


あの頃のすべて  陽

感想:
「ねえ、わたし生きてる。」流し読んでいる中で、この言葉が目に留まった。
リスカか。とだけ思ったけど、「生きてる」って言葉がここにいる理由のような気がした。
投票者:QBOOKS登録作者


群青、そして、手  檸檬

感想:
 詩に流れる感情の濃度に惚れた。そして情景がありありと浮かんでくる。物凄い言葉の力。圧倒されてしまった。『紆余曲折、サンダルつっかけて』もそうだが、檸檬さんの「青」はいい。暗くて深くてどこまでもはまって行ってしまいそうな群青。どうしようもない気持ちにさせられた。この主人公が、ゆっくり1段ずつ、階下に転がっている思い出を拾い集めてまた階段を上り始めることを期待したい。

 次点です。
『あの頃のすべて』陽さん
 言葉が美しい、何より。流れ出る血とか、繋がっていく肌なんかの描写が素晴らしかった。リストカットは、自分でもいろいろ思うところがある題材だったので、印象に残った。

『未知の苦』木葉一刀さん
 「先のことを考える/今はそれが苦しい」この2行の締めがいい。「圧し掛かってくる」苦しさが痛いほど伝わる。それでも読んだ後、元気にはならないが、元気とは違う、若干軌道が上方修正されるような、不思議な気分になった。

 詩人では初めて記名投票してみます。相川拓也でした。
投票者:QBOOKS登録作者


夜半に  詠理

感想:
「夜半に」は今回の中で、もっとも心をとらえられました。
一行目からのムードに最後まで引きずり込まれました。
大覚さん、檸檬さん、葉月さんの作品も好きでした。
特に大覚さんのは迷ったんですが、
ちょっと説明っぽいところに心を掴まれ切れませんでした。
そうしないとご本人の中ではこの作品の意味がなかったのでしょうね。
というところで次点でした。
投票者:QBOOKS登録作者


止れること  さと

感想:
まったくもって個人的な感情で、今回はこの詩に1票。

最近、「SEX AND DRUG AND ROCK'N ROLL」を
ベタで表現しようとする詩人が増えてきたように思う。
とりあえず、オンナだのセックスだのを詩のなかに織り交ぜるのは、
かっこういいのかもしれないけど、
それって、ほんとにその詩人のなかから出てきた言葉なんだろうか。
以前、どこかの誰かが言ってた言葉を借りてきただけのような気がするな。
その詩人の中身から搾り出したような言葉を、私は聴きたいと思う。
投票者:QBOOKS登録作者


ふとんのうえ  鈴矢大門

感想:
なぜか、安心するような、そんな気持ちになってしまいました。
(niwa)
投票者:QBOOKS登録作者


ある晴れた日の午後  深神椥

感想:
短くて素敵ですね。
なんとなく分かるなと感じました。
投票者:QBOOKS登録作者


卒業  児島柚樹

感想:
こういった素直さがわりと好きである。普通は照れて言えないし、思っただけでもちょっと引いてしまう。でも、こう言う素直な文章は好きである。いまどき、なんて言葉自体、僕にはばからしい価値観としか言えないからだろう。
投票者:QBOOKS登録作者


海辺の町  植木

感想:
誰が何と言おうと、今回はこれです。
ダントツです。
素晴らしい。
投票者:QBOOKS登録作者


人世  細きん腐とた

感想:
「虚春」とどちらにしようか、すごくすごくすごーく迷いましたが、今回は「人世」に一票。こんなに迷ったのは初めてです。どちらも好きなんですけどね〜…。どちらかに決めるのは何とも忍びないことでしたが、決めないことには仕方ないので…。今回は、割と短めの詩が多い気がしました。それにしても空人さんの詩って雰囲気がいいですよね。
投票者:QBOOKS登録作者


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