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第20回中高生500字小説バトル

エントリ 作品 作者 文字数
01小さな悩みセブン381
02簡殺病香月500
03千希 500
 
■バトル結果発表
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エントリ01  小さな悩み     セブン



「あっ!」
思わず叫んでしまった。まゆげを剃りすぎてしまった。片方、無いに等しい。
ついでに前髪もまゆげの上のほうまで切ってしまった。

や・・・やばい、心の中でそう思った。

それから鏡の前でじっとこう着状態になっていた。
すると、なぜだか笑えて来た。自分の顔、鏡で見すぎじゃん、
一人で大笑いした。剃りすぎた。切りすぎた。デコ光ってるし。
も〜楽しすぎ。

はっとして、一気に寒気が体中を走った。鳥肌だろうか・・・

明日から・・・家から一歩も出れない!恥ずかしすぎるよ!このまゆげと前髪・・・絶対笑われちゃうし。
クラスの子にも、友達にも通りかかる人みんなに。

んー・・・と考えていたら、いい秘策を考えた。
あと1ヶ月で夏休みだ。夏休み、のばせばいい。

でも待った、1ヶ月?そんなにあるのかよ・・・外を見ると露の象徴でもある雨がしとしとと降っていた。

どうしても学校へ行く気にはなれない・・・






エントリ02  簡殺病     香月



僕は、なんで生まれたのだろう、って考える。

力もないし、特技もない。

誰の役にも立たない。

せいぜい使えるといっても、「捨て駒」になるくらい。




「ちっ」


みんなの舌打ちが、心に刺さるんだ。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
そのたび必死で謝るんだけど、許してくれるのは最初のうちだけ。




「お前、マジ使えねぇ・・」


もう、浴びせられる罵声にも慣れたんだ。
だけど、
だけど、
1回でも手を抜いたことなんて無いんだよ。






「死ね」


いやだ


「死ね」


怖い


「死ね」


やめて


「死ね」



ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい








「ば〜いばい」













ぁ・・














―――プツっ・・














僕を殺すのなんて、簡単だよね。


たったスイッチひとつだもんね。










なんで、僕たちをつくったりしたの?

それでみんなは優しくなったの?




みんな、小さな画面を覗き込んで


汚い言葉を吐いて




どうして、僕に力をくれなかったの?

「雑魚」も必要だったの?




みんな、無我夢中でボタンを押して



乱暴に機械を投げ捨てて













みんな周りに壁をつくって、一人きりになって、

僕らを平気で殺して、









なんで僕らを生んだりしたの?





エントリ03     千希 


「ドッペルゲンガーに、会いたくないかい?」

まるでお伽噺の様な出で立ちでそんな科白を、彼は吐いた。
私は唇を引き結び、下を向くように頷いた。

 それでは、行こうか。
そう言って彼はすらりと長い腕を掲げた。
空でも飛ぶのかと思ったら、何の事はなく私の脇にタクシーが一台止まった。
後部座席に滑り込んだ男は私を手招きする。
「…………」
私は黙って乗り込んだ。
ドアがしまって、タクシーは滑るように走り出した。
「どこに行くの?」
私がそう訊くと男は前を見たまま、唇の端を上げた。
「失礼。言い忘れていたかな」
彼はぱふんとタクシーのシートへ背中を預けた。すらりと長い足を組む。
「どこで会えるのかは、わからないのだよお嬢さん」
「え?」
「ドッペルゲンガーは、気紛れに現れるものだからね」
私が何か言いかける前に赤い唇を割って彼はもう一言付け足した。
「つまり、わたしはお嬢さんと当ての無いドライブをしたかったわけだよ」
「……ナンパ?」
「そんなげびたものでは有り得ないさ」
「じゃあ何よ」
「わたしと午後のお茶でもしないかというお誘いさ」
少し黙ってから、私は答える。

「……ドッペルゲンガーに会えたらね」

彼はそれを聞くと、帽子をとって苦笑した。