「わー、大変だ!」
「なんだ、どうした?」
「市長が突然、辞任だってさ!」
「さかな君じゃなくて?」
「ちがーう! 確かにさかな君に似てるけど、今はそれ言うな~!
それ言うと市長怒るらしいし」
「なるほど、故にこの時期か……」
「何が?」
「考えてみなよ。ここのところ、ぜんぜん盛り上がってないじゃん」
「ベイスターズ?」
「確かに弱い……、じゃなくて、今は市長の話してんでしょ!」
「市長なのに、知事達の会に無理やり入ってたもんね」
「そーなんだよ。何気に知事達の懇談会とかオフレコの食事会とかに参加してんだよね」
「あ、あれ、テレビ観ててなんか変だったな~」
「お前がそこにいていいのかって感じだったよな」
「あはは、でも、あの人、マスコミ出たがりだからしょうがないよ。で、何でこの時期に辞任なの?」
「全然盛り上がってないでしょ。Y150!」
「うん、全然盛り上がってないね。しょうがないから小学生が課外授業で来場させて参加人数を稼いでるみたいだね」
「そうだよ。有料エリアだって、そうたいしたことないらしいし、チケットの組み合わせも変らしいぜ」
「あ、俺も聞いた。動物園のチケットと抱き合わせなんだろ?」
「そうそう、変だよな」
「だから、その大失敗イベントのY150の責任を追及されるのが嫌なんじゃないかと……」
「あ、それ記者に突っ込まれてたよ」
「へぇ、勇気ある記者がいるもんだな。で、市長はなんて?」
「あれはイベント会社が考えたイベント内容だから、市長に責任はないってなこと言ってたよ」
「お気楽だな~。イベント会社もとんだとばっちりだな。かわいそうに」
「普通、一番上の責任者が現場にタッチしてなくても、何かあった時は責任取るのが普通だろ。それが理想の上司というものだ」
「うんうん、『責任は私が取るから、好きにやりなさい』とかな~」
「あはは、あの市長に理想の上司像を求めること自体、最初から間違いだけどね」
「ちげーねぇ」
「でも、どうなるんだろうな~」
「国政選挙と一緒にすれば予算の節約とか言いつつ……。投票箱とかそんなにたくさんあるのかね?」
「裁判官の承認投票も一緒だよな」
「一斉選挙だから、近くの市町村から借りるってわけにもいかないだろうし」
「それよりも、このばたばたしている時期に立候補する人いるのかな?」
「『確かな野党』って最初から与党になることを潔く諦めてる共産党はすぐ立てるだろうね」
「ここだけ世間とは逆行かよっ!?」