欽ちゃんの仮装大賞を夢に見た。
海外の人が丁寧な日本語で仮装している。結果は14点。審査員の糸井重里さんが、説明を加える。
「木の枝に親鳥が止まってるんです。で、下に雛たちが餌を待ってるんですよねぇ。問題はこっからなんです。親鳥の下にカラスみたいな悪い鳥がやって来るんです。で、雛たちに象の靴の中には、こんなに面白くて楽しい世界が待ってるんだよって告げ口するんです。で、雛たちは、その鳥がなんであるかも知らずに、象の靴の中に飛び降りていくんです」
点数は上がらない。そこで審査員の清水圭さんが補足する。
「皆さん、騙されちゃいけませんよ。この絵には続きがあるんです。親鳥がその悪い鳥のところに、文句を付けに行くんです。玄関を叩いて、出て来た奴が、まさにそいつなんです」
絵を描いた張本人が、天然パーマの鬘をかぶり、サングラスを掛けて、ネグリジェ姿で暗闇から現れる。
ぽつぽつと点数が上がっていく。
「何でや!?」
ここで目が覚める。
絵を描ける才能とは、他のどんな才能よりも優れている。頭の中に絵が描けない奴は、絵が描ける人より、損をしている。
この夢の絵解きをしよう。私は、ある日、飛び降り自殺を図った。それ自体は、子供染みていて、さほど驚くべき事ではない。問題は、ここからである。飛び降りを図ったのには、理由がある。簡単に言えば、男女の問題。もっと詳しく言えば、電話で遣り取りしていた女性との通話を切ったあと、恋愛もののドラマに影響を受け、事件に至った。そのお陰で全治3ヶ月の入院を余儀なくされた。順をおって説明しよう。私が二階から飛び降りた。それにより、両親、特に父が、迷惑を被った。息子の私が、自殺する経緯に至った理由を、父は知っていた。それにより、絵を描いた張本人に文句をつけようと試みたのである。絵を描いた張本人は罪を被ることはない。ただ絵を描いただけなのだから。そこに登場するのが、我が師であるのだから、質が悪い。悪意があったわけではなく、単純に絵を描きたかっただけなのである。私の思い過ごしかもしれないが、父は彼に不快感を覚えていたのだろう。彼も隣のベッドに入院をしていたので仕返しめいたものはできない。それどころか、あらゆる情報を提供してくれた、師に、息子である私が、感謝と敬意を持っているのだから、始末に負えない。我が師は、絵を描くのが上手だ。すべては藪の中。
これが、事件の真相だ。