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1000字小説バトル

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1000字小説バトルstage3
第60回バトル結果

おめでとうございます!

今回のチャンピオン作品はサヌキマオさん『家、甘い家』です!

みなさま投票、感想ありがとうございました。

投票結果
得票数 
1
DOGMUGGY
1
2
サヌキマオ
2
3
handling honey
YamaRyoh
4
野乃
1
5
マナー
ごんぱち
6
深神椥
1
7
石川順一
1

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

推薦作品と感想

家、甘い家
サヌキマオさん

感想:
 洋館はむしろ羊羹以外の何を連想もしない響きである。
 羊羹と言えば、とらやのそれが有名であり、当方も愛好している。
 時折出す変わり種も面白いが、何よりもその混じりけのなさが持ち味であろう。
 成分表示の中に何たら甘味料だの着色料だの香料だのはなく、豆と砂糖と葛だけが並ぶ。細やかな味を判別する舌はないが、目の前の食べ物がその通りの味や香りを持つというのは、世界と感覚との直接的な結合を意味し、そこに不要なストレスは生じない。別に化学調味料を蛇蝎の如く嫌っている訳ではないし、旨さを感じる事もあるが、そうでないものを食べた時の「当たり前な感じ」は何とはなしに快いものである。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
 ぐぬぬ、マヨではアリに勝てぬという事か… やはり蟻食は蟻食。本質の在り方を感じました。
投票者: このバトルへの参加作者

タクシー日誌(SUVって)
DOGMUGGYさん

感想:
1と2に投票したいと思いました。特に1に。タクシードラーヴァー次郎氏の視点から女性サイクリストやら、乗客の事やら、SUV?(多目的レンジャー車の事でしたろうか)の話?ってありまたかね、とにかく手堅くまとめられて居ると言う印象でした。2は蟻と羊羹とアリクイ?(ナマケモノ?)にまつわる話でしたろうか。彼等の視点では無く、あくまで彼等を神視点?から書いた様な感じでしたろうか、好もしく思いました。
投票者: このバトルへの参加作者

イルカはいるかい?
野乃さん

感想:
よくある手法ですが、中ではこの作品が一番しっくりいくかなと。
投票者: このバトルへの参加作者

あの頃、僕らは
深神椥さん

感想:
ハッピーエンドなのが逆に新鮮だったので一票。
投票者: その他のQBOOKS参加作者

俳句を軸にしたエッセイ風小説
石川順一さん

感想:
 どれに入れようか本ッ当に迷ったので全感想つける。

01 タクシー日誌(SUVって)DOGMUGGY
 はるか昔Qにも「バスドライバー」ってシリーズで書いてたありまじろうさんという人がおったな。関係ない話だけど。
 いわゆる湘南あたりの日常と観察なんだけれども、結局は「だから、なんなのか」と思ってしまう。小説なんだからナニを書こうが自由です。が、読者としては、湘南のタクシードライバーの視点が持つであろう、特殊性が見たいのです。
 その、読書の醍醐味であるところの「知らない世界を垣間見る」というところまで行きつかない。設定の割にゃ目新しさが皆無だ。

02 家、甘い家 サヌキマオ
 今回自信作。前回ひどかった。

03 handling honey YamaRyoh
 詩なのか小説なのか判別が難いのではなくて、自分の中に詩と小説の区別の基準がないだけであろう。自分で作ったんだから自分で判断することを放棄しちゃうのにはけっこうイラッとする。
 で、大したこと云ってないんだよなぁ。よくある話を寓話的に語っているだけです。もっとこの作者にしか書けない風流っていうかな、俺はこれだ、というのを書かずに「さあ、貴方は何を求める?」って読者に投げて自分は引っ込んじゃう。卑怯。01から読んでるからだんだんイライラが募ってきた。
 戦ってない。まったくバトルしてない。


04 イルカはいるかい? 野乃
 ミズコっていうとどうしても水子で、読者はおっさんなので「不幸にも生まれてこられなかった子供」の事しか頭に浮かばない。
 オジサンと少女は比較的親しい仲なんであろう。で、少女はこういう、作品中のようなしゃべりかたになる。で、読み進めていくうちに、正直後半、どうなったかがわからない。これは嫌味でもなんでもなく、イルカの大群が押し寄せてきて、どうなったかがわからない。
 完全に作者の中で自己完結しておる。たぶん「水子」とも関係ないのであろう。

05 「マナー」ごんぱち
 もうG8先生クラスになると会話劇は手抜きにしか見えない。またか! ってなっとる。「話を作る」という辺りを放棄している感さえある。

06 あの頃、僕らは 深神椥 1000
 まぁ、いいや。
 やっぱりよくない。「卒業式で、もう会えなくなるから自転車を駅まで飛ばした」ならドラマになるんだけど「授業が終わったあと、自転車を飛ばした」――と、この告白の契機となった心情の変化なり、出来事なりがかならずあるはずなんです。で、そこを書かないとしょうがないんじゃないのかしらん。
 で、駅のどこで斎木さんに追いついたんですか、とか、どのくらいの規模の駅なんですか、とか。そういうのを一切書かなくて、心情だけ書いてある。
 お前これだけでどないせいうね! って思わずお前呼ばわりしてしもたがな。
 失礼しました。でも本当に、作者がいいと思ったことを、読者にも解るように書いて欲しいです。この際だからおねがいします。

07 俳句を軸にしたエッセイ風小説 石川順一
 清々しいくらいの開き直りを感じます。この人はこうでなくちゃいけません。エッセイと小説は別物だけど、境界線はないというものなので、その辺は気にせんでええと思います。百科事典的な薀蓄の分だけ字数がもったいない。

 といった具合で、こういった投票になります。
投票者: このバトルへの参加作者