ゾンビAとゾンビB
ごんぱち
「なあ、ゾンビB?」
「なんだ、ゾンビA?」
「オレ達、割とザコ扱いされてるだろう?」
「まあ魔王様の配下の場合はな」
「おかしいと思うんだ」
「どうしてだ? 強くないし、金も持ってないだろう」
「生物としての話さ。ゾンビを喰うヤツはいるか? いないだろ?」
「食べたらお腹壊すしな」
「逆に魔王様の肉、オレ達は喰えるよな」
「まあな」
「とすると、我々は食物連鎖の頂点と言えるな」
「おお、お前脳腐ってるのに頭良いな」
『……あのな』
「あ、魔王様の念話だ」
「聞いてましたか」
『お前ら、どちらかって言うと、最弱の生物の菌に食われてる状態だぞ』
「!」
「!!」
「むむむ、オレ達は菌に食われる程アレな弱さだったとは」
「それで、その菌ってのはどこにいるんだ、ゾンビA?」
「よくは分からんが、魔王様が言っているんだから、喰われてるんだろう」
「ひょっとしてゾンビDが、最終的にスケルトンGになったアレか」
「おお! アレは確かに肉を食われたと考えると話が合う!」
「だとすると、スケルトンになれば、最強ってことだな」
「うむ、確かに」
『あー、一応言っておくが』
「あ、魔王様の念話だ」
「合ってますよね?」
『スケルトンとかそういうのは、基本、魔法で動いてるだけのゴーレムの一種だから、生物じゃないよ? レバニラ炒めとか生物じゃないでしょ?』
「!」
「!!」
「むむむ、我々はレバニラ炒めだったとはな、ゾンビB」
「道理で臭いって言われる訳だ」
「このままではぴちぴちギャルに嫌われてしまう」
「レバニラ食べるぴちぴちギャルはいないものな」
「ぴちぴちギャルは何を食べるんだろう」
「確か昔歌であった気がする。女の子は……そう、女の子は砂糖とスパイスと素敵な何かしか食べないって」
「でかしたぞ、ゾンビB! ミイラがお腹にスパイスを詰めてるから、友達のミイラCに分けて貰おう」
「素敵な何かは、魔道士Eが落とした四つ葉のクローバーが使えるかな」
「そいつは素敵だ。後は砂糖だけだな」
「砂糖は困ったな。口に詰まってるのは塩だし」
『お前ら、口に塩詰まってるタイプ?』
「あ、魔王様」
「そうですよ」
『じゃあ魂は?』
どっかのツボに入ってるらしいです。
『そっか、ハイチ型だったか。お前たちの個性とか気にしないで、ウィルス系とかと一緒に通し番号付けちゃってゴメンな』
「全然かまいませんよ」
「魔王様だって、一般名じゃないですか。おあいこですよ」
『余は作品単位で違う呼ばれ方しとるわ!』