≪表紙へ

1000字小説バトル

≪1000字小説バトル表紙へ

1000字小説バトルstage3
第75回バトル結果

おめでとうございます。

今回のバトルは緋川コナツさん『主婦と拳銃』、叶冬姫さん『せめて、夢ほど甘ければ。』の2作品が票を集めてチャンピオン作品と決まりました!
みなさま、ご投票いただきありがとうございました。

投票結果
得票数 
1
サヌキマオ
2
植木
2
3
緋川コナツ
4
4
実らなかった恋の行方
小笠原寿夫
5
叶冬姫
4
6
弁当
ごんぱち
7
鬼ごっこ
芥川龍之介

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

推薦作品と感想

主婦と拳銃
緋川コナツさん

感想:
「姦」
 このシリーズ、あと一回だけやります。あと一回だけだから! さきっちょだけだから!

「私」
 幼少時~少年期のセクシュアルな体験が「私」のなにに寄与しているかまで読めると良かった。
 そうでないと「こういう経験を持っている」という自慢で終わってしまう。
 自慢で終わってしまうと「ああ、エロゲでよくあるシチュエーションですNE!」で終わってしまい、きっと作者の本意では無いだろうから。

「主婦と拳銃」
 実に1,000字らしい1,000字。これは映像や漫画にすると陳腐になるだろうし、小説だからこそ活きる、みたいなところはあるじゃろう。

「実らなかった恋の行方」
 実にヤな女だね、と感情移入して読みました。こういうのが社会人になってから「サバサバ系」とか自称して自分の無神経さを棚に上げたりするんですフーッフーッ。
 よく書けていると思います。呼ばれた先輩も実にやりにくいことじゃろう。

「せめて、夢ほど甘ければ。」
 語りたかったことは「彼女の解雇を僕がしなければならなかった」という最後のオチの部分だろうか。だとすると、それまでの部分があまりにもとりとめがない。状況説明もダイジェストになっておるし、語り手が事務員にちょっとなりとも好意を寄せていたような部分もあるようなないような。ただただ、最後のオチだけがハッキリした色をしている。
 作者としてはどこに焦点を絞りたかったんかなぁ……やっぱりオチで「もうええわ!」って読者に言わせたかったのかなぁ。

「弁当」
 弁当だけに答弁に窮する……山田くん! そいつを座布団に縫い込めろ!

「鬼ごっこ」
 芥川も「特に意味はないが余韻だけ残す」みたいなことをやってたんだと思うんですけど(無能)

「主婦と拳銃」「実らなかった恋の行方」のどっちかだけど普通にうまい方に入れたらいいので「主婦と拳銃」に投票。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
リアルだなぁ(笑)と思いました。
作品名から「おや?」と思わせるしオチも笑えて(でも、ちょっと哀しい)。
サラリーマンの悲哀とは、またちょっと違う味わいがありますね。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
「姦」と「私」とこの「主婦と拳銃」で決まりだと思いました。その中でも「主婦と拳銃」が突出して居ると思ったのでこれに投票します。
投票者: その他のQBOOKS参加作者

感想:
[2]私 植木さん
時代設定がよくわからなかったのが残念です。
でも、独特の雰囲気、姉~お嬢さんへの流れはすごく好きです。

[3]主婦と拳銃 緋川コナツさん
カッコイイ主婦。不満抱えても黙々と日々をこなす。
私は何なのとって思うのを、それをきちんとBANG!っと一発で腹に収めて
そのあとの連射は主婦の知恵。
この奥さんはそれなりにしたたかで、拳銃カッコイイ。

[4]実らなかった恋の行方 小笠原寿夫さん
経験談のようなそうでないような不思議な話。
そこで逃げたのはなぜかもう少し知りたい気もしたけど、居た堪れないのもわかるこのバランスがすごいです。
小笠原さんはいつもきちんと段落とかされているのに、今回は忘れてしまったのでしょうか。

[6]弁当 ごんぱちさん
ダレン・シャン知ってる人がいたー、いや割と有名か。
とすごくテンションが変なところで上がりました。
会話形式はやはり動きが見えるかですが、お弁当だけでここまで楽しいものが書けるのはいいなと思いました。
投票者: このバトルへの参加作者

せめて、夢ほど甘ければ。
叶冬姫さん

感想:
順調に継いでいたら、さらに彼女と接点はなかった。一杯のお茶を差し出してきた恋にならない大人の関係と、子供のような親との対比との皮肉。そして最後に子供としての親への感情がストレートで印象深いです。
小笠原さんと迷いましたが、一人称思い出話を小説に仕上げようというやり方がそれぞれ違うなと思いました。好みで選びました。
投票者: 純粋読者

感想:
 結婚は半径数メートルにいる人とするとか。
 袖触れ合うも多生の縁、ほんの半歩の違いなのかも。
 いや、たった半歩向こうを歩いていたとしても、たった一回の機会に、ほんの一言でも変わったのかも知れなくて、多分、そういう事はもっとずっと、自分が知らないだけであったのでしょう。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
甘い話かと思ったらせつなかった。意外。
投票者: 純粋読者

感想:
1000字でここまで書けるのは、やっぱり流石冬姫さんだな、と思いました。一文一文が染み渡って、広がる感じが素敵で。読んでいると情景が脳裏にどんどん浮かんでいきました。実は小説を読むのが苦手な私なのですが、不思議と冬姫さんの作品はどれも読み浸って最後までしっかりと読めるんです。
投票者: 純粋読者

植木さん

感想:
やはりこの作家さん天才です。
以前、esという10000字小説にも投票させて頂きましたが、残酷さにも愛があり、それでいて切ない。
インディーズに置いておくのは、勿体無い。

他に気になりました作品にも感想を書きます。
1.姦
サヌキマオさんの牛三頭の話が、ここまで発展するとは、思いませんでした。グロの世界と言ってしまえば、そこまでですが、それよりももっと他に意図していることが、あるようにも思えます。

2.私
もう一度、感想を書き直します。
少年時代の性に関する記述ですが、他の作品とは違い、正統派小説を千字で読ませて頂いた。というのが、読み返した感想です。
泥の川という小説を読んだことがありますが、それに近い作品だったようにも思われます。

6.弁当
笑いました。よくぞ、ここまでくだらないことを書き切った!というと失礼に当たるのでしょうか。
駄洒落を馬鹿にしたら、落語漫才を否定することにもなり兼ねないですよね。
弁当というタイトルになんとも言えない懐かしさを感じました。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
「姦」
ああ、いつもの感じね~と読みはじめたら、意外にも「ええ話」
でビックリ。
内容がタイトル(姦)とリンクしている。
赤ちゃんが元気に育ちますように。

「私」
母乳は「料理」ではないのでは……?
他にも「童貞を失ったのは九歳」とか、ツッコミどころが満載
なんだけど、妙に心に引っかかる。終わり方もしかり。
痛い私小説は大好物なので、今回は植木さんの作品に投票させ
ていただきます。

「実らなかった恋の行方」
今回の作品は、小笠原さんらしい勢いが感じられなかった。
スコーンと抜けた感じや、勢いだけで押し通しちゃった的な
作品を、また読みたいです。

「 せめて、夢ほど甘ければ。」
タイトルがとても素敵でワクワクしながら読んだのですが、
イマイチ内容がタイトルと乖離しているような印象を受け
ました。
サラッとした読後感は心地よかったです。

「 弁当」
途中までは、とても面白く読んだのですが、オチが私には
よくわかりませんでした……ごめんなさい。
投票者: このバトルへの参加作者