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1000字小説バトル

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1000字小説バトルstage3
第80回バトル結果

おめでとうございます

今回のチャンピオン作品は、緋川コナツさん作『冥婚』、ごんぱちさん作『労働価値』の2作品です。
みなさまご感想ご投票いただきありがとうございました!

投票結果
得票数 
1
サヌキマオ
1
2
ひとり勝ちの論理
小笠原寿夫
3
ぼくが力を隠すわけ1
エルツェナ
4
緋川コナツ
3
5
春よこい
深神椥
6
ごんぱち
3
7
一条の詭弁
横光利一

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

推薦作品と感想

冥婚
緋川コナツさん

感想:
1.3月のオイラン
笑いながら読みました。ただの俄かですが、ここまで細部にこだわると、リアリティーを感じるから、不思議です。
根が面白い作家さんなんだろうと思います。
最後の一行で、ピリッとサビが効いた気がします。

2.ひとり勝ちの論理
拙作。作家本人にツッコミを入れながら、自分にスポットを当てる手法ですが、だから何?と言われると、それはそういうものです。としか言いようがない。
と、言い訳混じりのツッコミで、自戒しております。

3.ぼくが力を隠すわけ1
エルツェナさんは、暴力と社会を書かれると、面白い作家さんだ、という印象を受けています。
ボキャブラリーを増やして、表現力を高めると、もっといいものが、書けそうな気がします。
自転車で、バイクを追い越せるのは、面白い話ですね。

4.冥婚
これぞ、小説といった印象です。
よくこの内容を千字にまとめたと思います。発想力も去ることながら、表現が豊かで、落ち着いた大人の作家さんが書いた感が、半端なく思えました。
他のメディアでは、別として、小説にするのが、しっくりくる内容だった様に思いました。

5.春よこい
実話なのでしょうか。恋というものの尊さを説いている貴重な作家さんだと思います。
色恋沙汰は、本来の本の目的と結果だと思うので、こういう小説が書けることが、羨ましくも思えます。

6.神おわすなら
よかったです。
死神という落語を思い出しました。かっちりとしたネタを書けるごんぱち先生の才能には、いつも惚れ込みます。簡単に書かれている様で、本当は、バックグラウンドが、あるところが、素晴らしい。
技巧派というのが、褒め言葉になるのかは、わかりませんが、構成力の強みは、見習わなくては、と思います。

7.一条の詭弁
毎回、古典は読みますが、やはり凄いです。詭弁から、言葉や小説が生まれたとするならば、その起源を読まさせられた感じです。
それを老夫婦に、宛てがったところは、古典の古典たる所以なのかもしれないですね。

今回のバトルは、作家さんの息遣いと生の声が、上手に伝わった様な気がします。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
 死んだ後にでも結婚させなければ、まともな人生と認められないというのは大概だなぁ、と、思いつつ。よく考えると、死んだ後に仏門に入れる戒名という習慣があったりで、まあ、死後の旅路に必要な準備は曖昧模糊としていそうである。
 六文銭だけで済むなら良いが?
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
どこかで見たような感じですが、この作品が一番腑に落ちたので。
投票者: このバトルへの参加作者

神おわすなら
ごんぱちさん

感想:
「3月のオイラン」
 もうタイトルだけです。ごめんな。

「ひとり勝ちの論理」
 なんというか枝雀師に近いあやうさは感じるのです。晩年は「もう死ぬかも」的なことを言っていたのが記録に、記憶に残っていますが、たぶんドライブ感のところでシンクロニシティを感じておるのでしょう。
 死んぢゃやだよ。

「ぼくが力を隠すわけ1」
 うーん、状況説明が、スタートアップがもう少し丁寧な方が読む側が没入しやすいかなあ、と思うのでした。
 今のまんまだと、悲鳴が聞こえただけで「ひったくりか!」って判断した感じだし、二人乗りのスクーターなんて機動力がけっこう落ちそうなのに、それでもひったくりを敢行する泥棒さんサイドに二人乗りのスクーターだからこそ「追いつく」と判断したぼくさんサイドみてえな構図に見える。「ぼく」の動機が読者の中でブレる。

 作者としては、書きたいのはアクション部分なのだろうし、その辺の熱はよく伝わってくる。んがしかし、もうちょっとアクション以外の部分で親切になれるといいのかもな。

「冥婚」
「どうして、そんな恰好でここにいるんですか」に対する回答が「どうして、って……わたしたち結婚するのですよ」というのが会話になってないし、そもそも、初対面の相手にだったらもっと他に聞くことがあるべ? と思うのだった。以降、話がとっちらかりすぎてて悲しいも感動するもねえなぁ。
 なんかよくわかんねぇ。他人がみた夢の話を脈絡なく聞かされてる感。

「春よこい」
 やっだぁ、なんて素直。
 今回、これに入れてもいいんだけどなぁ。もう一歩先「自分の感性以外」の描写に挑んでもいいかなぁって思うので。

「神おわすなら」
 集まっていた人間が不意に全員押し黙るのを「天使が通った」というさうですが、義母の誕生日で集まって、ふと訪れる気持ちの空白、この空白を埋めに来るかのようにいろいろな言葉が思考が浮かんでくる。思考だけでなく、なんのためか、ポケットのライターに火を灯す。おそらくは火を点けようという先はローソクではなかったでしょう。
……と、読むと、タイトルは蛇足な気もする。

「一条の詭弁」
 実に新感覚派の手法でやんして、でも今読んでみると、扱うテーマはどうでもいいところをいったりきたりしてるン。非常に親和性を感じる。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
「3月のオイラン」
タイトルを一目した時点で、何のパロディでどんな内容なのか
なんとなくわかってしまい、あらためて読んでみて「やっぱりね」
という感想に至りました。
達者な文章を書かれる方なので、たまにはパロディではなく、真正面
からがっつり組んだ真摯な小説を読みたいです。

「ひとり勝ちの論理」
小説と言うよりも、新聞の天声人語を読んでいるような気持になりました。
内容的には「なるほど」と思わせるものがあるのだから、小説として
読ませるのなら、もう少し感情や描写に物語としての起伏があっても
いいのかな、と思いました。

「ぼくが力を隠すわけ1」
「こういうものを書きたい」という気持ちは伝わってくるのですが、
やはり設定に無理があるように思います。
例えばスクーターに乗った引ったくり犯も、犯行に及んだ後、追いかけられ
にくい狭い路地とかに逃げるのではないでしょうか。
実際の道路には歩行者がいて車が走っていて植え込みがあったり駐車車両
や信号があったりするはず。
けれども主人公が自転車で犯人を追いかけるには、それらはすべて無かった
ことになっている。
そうしなければ、この小説は成立しないから。
それらの疑問を無視して展開を楽しむのは難しいです。

「春よこい」
恋は「するもの」ではなく「堕ちるもの」だ
という言葉がありますが、気がついたら好きになっていて理性が効かず
感情が揺さぶられ、甘酸っぱくも苦しい、のが恋なのかな、と思います
(私見です)
この小説の「恋」はまだ第一段階で、これが進むと、身を焦がされるような
想いに苦しむこともあるのでしょう。
でも春の恋には、このくらいの爽やかなときめきが、ちょうどいいのかも
しれません。

「神おわすなら」
いつもの「ごんぱち節」から、一歩踏み込んだ内容になっていて、ちょっと
胸が苦しくなりました。
それは主人公の心理描写が今の私の立場にダイレクトに伝わってくるから
かもしれません。
「嫌だ」「大変だ」「憂鬱」「いたわり」「諦め」などの感情を、そのもの
ズバリの言葉を遣わずに描写しているのは、さすがだと思います。

というわけで、今回はごんぱちさんの作品に一票。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
全作品の中で最もあとを引くと言うか、振り返りたくなる作品でした。

他はどれも印象を強く残すほどの魅力を感じられませんでした。 (ぼん)
投票者: 純粋読者

3月のオイラン
サヌキマオさん

感想:
最後までニヤニヤニッコニコでした。
投票します。
投票者: その他のQBOOKS参加作者