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1000字小説バトル

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1000字小説バトルstage3
第89回バトル結果

おめでとうございます!

今回のチャンピオン作品は、サヌキマオさん作『三択狼主』と決まりました。
みなさま、ご投票くださいましてありがとうございました!

投票結果
得票数 
1
腐れ縁
小笠原寿夫
2
文月
1
3
ごんぱち
1
4
サヌキマオ
3
5
深神椥
2
6
冬の女
横光利一

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

推薦作品と感想

三択狼主
サヌキマオさん


感想:
常識的には「空の色」なのかもしれませんが、この作品にしました。勢いがありますね。サンタクロースの話で、まさか「焼肉」がメインの内容になっているとは意外でした。
投票者: その他のQBOOKS参加作者

感想:
ごんぱち先生の「異常巻き」もよかったけど、今回は時期にちなんだ「三択狼主」かな、と。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
 三択老師(南国)を思い出しますが、三択要素は申し訳程度なので好し。
 ロースは本来ローストに向く肉の意であるが、クリスマスと言えば、七面鳥のローストなので、ロース道的には大変正しい。そして、ケーキもその製法から言えばローストに近しいので、これも良い。最後の一ローストはどうするかと言うと、煙突から入ればじいさんのローストになる事は、三匹の子豚から火を見るより明らか。
 しかし三匹の子豚は、何故、煙突の下に熱湯を用意したのか? 直火の方が温度が高くダメージが大きいのではないか? 実はそうでもない。これは火渡の儀式が有名だが、水分の蒸発は一瞬の熱を防ぐ事が出来る。対して、一瞬で付着・伝熱し体表をより多く損傷させるのが熱湯である。熱湯にとろみを付けなかった理由が疑問となるが、とろみは焦げ付く可能性があり、長期的なトラップとしては不適切で、熱湯が最適解と言える。これらの工夫は、この話の原型となった百年戦争時の攻城戦の様子から着想を得たものである。
投票者: このバトルへの参加作者

空の色
深神椥さん


感想:
前半の日常から後半の非日常という展開が面白いと思いました。
できれば前半に後半への伏線が、疑問を持たす感じでもう一つ二つ貼ってあると、更に面白くなるような気がしました。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
「腐れ縁」
 タイトル、前半、後半漫才パートと3つともでとっちらかった感がある。
 やりたいことがありすぎて収まりきらんかったか、収める気がなかったか。

「石碑」
 出来事を追うよりも人を描いたほうがええんでないか。
 人が描ければおのずとストーリーも動く。

「異常巻き」
 コアラにおけるユーカリのように、カニクイザルもカニしか食わんのかが気になってwikipediaをちらっと見たんだけど、当然そんなことはないらしい。
 本編と関係なかったな。じゃあ、異常巻きをおこす電磁波こえー。これもあんまり本編と関係ない。
 本編はどこだ! 会話と妄想に本編などない! というあたりに四谷シリーズの本質はある気がする。
 ないかも。

「三択狼主」
 三択ロースがやりたかっただけなので別に褒めてくれなくていいです。書いてる側は満足しました。

「空の色」
 シチュエーションと雰囲気はいい。道端を歩いてたらなんかええ匂いの風が流れてくる、くらいの良さはある。
 で、匂いのもとの想像をする。それは焼きたてのパンかもしれないし、カレーかもしれない。

 で、出来ればそのカレーとかパンの実物が見たい。
 消去法で今回はこれ。

「冬の女」
 ちょっと興味を持ったので調べてみたんだけど。横光が「冬の女」を書いたのがだいたい20代なかば。いまだったら25の男にこんなこた云われたくねぇや、と思ってしまうんだけど、当時の小説家はいまよりもずっと発言力があったし、感性のブームも作ったろうし、こういう情緒がそうとうに持て囃されたんだろうなぁ、という推測は立つ。
 これ「すてき!」って読んだ層がどんな層か考えるのは楽しいが、あんまりぞっとしない。
投票者: このバトルへの参加作者

石碑
文月さん


感想:
 悪い文章とは思いません。内容的には登場人物もそれぞれ役割を持たされていますし、背景設定も1000字としては十分でしょう。最後の不安な描写も作品外への余韻となっています(これは1000字の箱庭的世界ではしばしば必要です)。そのへんを評価します。

 小説ぽく書くということでしたら、一文ごとに改行する(いわゆるケータイ小説的な)スタイルを離れてみても良いでしょうか。改行するのが悪いわけではありませんが(作者には固持すべきスタイルはあって良いと思います)、一覧性の高い書籍のページや大画面表示においては、せっかく段落という単位が持てるので。(私にとっては)緩急や意味的なまとまりをつけやすい単位です。なお基本的には段落の頭は一文字下げます。

 表現について細かく言えば、災厄を防げなかった事への巫女の心情として「無念そうに」「悔しさを滲ませながら」と書くのは指示であり、シナリオ的です。同じ文言でも能動的に(無念……!)とか(悔しい……)とか独白したほうが(むっちゃダサいけど)小説の様式としては正しいと思います。
 「唇を噛み」とかは(慣用句ぽいけど、まあ)良いので、このレベルまで表現を碎いて行ければと思います。でも正直むずかしいから、適当に逃げながら要所だけ気合を入れます。好みで言えば、中盤で巫女の心情をあまり掘り下げる必要はないと思います。字数も節約して1000字に収まるだろうという、あざとい算段もつきます。

 巫女はかなり虚無的な印象なので、このまま無感情に去っても違和感はないでしょうが、老婆を嘲る村人の声や自分の無力に対する感情を少々「ほのめかす」程度に描けばそれで印象的でしょう。しかしこれは現状でも、村人の描写に悪意を含めることである程度実現されていると思います。三人称の語り口は登場人物や読者に対してグローバルに作用します。
投票者: その他のQBOOKS参加作者

異常巻き
ごんぱちさん


感想:
過去に、おとぎ話の顛末を違った視点で捉えた作品を読んだことがあり、なるほどなと思った。
投票者: このバトルへの参加作者