第2回1000字小説バトル
Entry10
うちのクラスの女子には派閥がある。男子にもあるが女子は完全に 真っ二つに別れている。一つはおとなしい感じのいつも絵なんかを 描いている全く無害な連中。もう一つは自分で自分のことをカワイ イなどと勘違いしている、とにかくうるさい連中だ。そいつらはと にかくやかましい。それでいて先生に何を言われてもびくともしな い強靭な精神力を持っている。俺はそいつらは嫌いなわけではない。 確かに限りなくやかましいが、一緒になって喋っていれば楽しいし、 たいして面白くないことを言ったとしても男子のようにそれを指摘 したりなどしないし、おとなしい女のようにいやそうな顔もしない。 そいつらは笑ってくれる。結構やさしいのだ。気が強くてやかまし いのだがそう言う奴等に限って心はやさしいのだ。だがそこに問題 がある。おとなしい女たちは本当に気を許せる人を友達としている のだが、強くてやさしい奴等は顔やファッションのセンスなどで友 達を決める。本当に力というか才能を持った奴を友達として認める。 そして女は友達同士での喧嘩はほとんどしない。俺が思うにやさし いからだ。それでいて女は楽しければそれでいい、いつも楽しくし ていなければならない、喧嘩なんかすれば楽しくなくなる。そう思 っている。おとなしい奴等は腹立たしい事もないだろう。心を許し ている相手を友達としてみているのだから。だが強い女は友達を顔 で決めている。相手の性格などは気にしない。だから相手に対して 腹立たしい事は山ほどある。それを影で誰かとグチグチ言う。そん な情景は毎日見ている。だから俺は言う。「おまえらほんとは友達 じゃねえんじゃねえのか?」強い女たちは俺に反撃する。こういう 女達は自分達以外の人間に対してはどこまでも強くなれる。「うっ さい、何であんたにそんなことわかんの」俺は根性が腐っているか ら見た事をそのまま言う。「だってお前、この前A子の事ムカツク って言ってたじゃねえか」女は認めない。「何言ってんの?そんな 事言ってないし、話作んないでよ!」「作ってねえよ、ていうかお 前A子いつも男にヘラヘラして気にくわないって言ってたじゃん」 「そんな事言ってない!!」女は認めようとしない。A子は泣き出す。 A子は俺の言った事を信じている。先生が教室に入ってくる。うち のクラスの担任は、若くて小さな女の先生だ。A子が泣いているの を見て先生がどうしたの?といって近づいてくる。俺はまた言う。 「いやお前泣いてるけどお前だってこの前こいつの事ムカツクよね ーって言ってたじゃん。おあいこだって、泣く必要ないって」A子 は俺の顔を目を丸くして見ている。何でそんな事を言うの? とう 顔だ。先生は今どうなっているのかよく分かっていない。「どうし たの? ちゃんと先生に話して」A子は周りの人達をかき分けて教 室を飛び出す。女子は誰一人追いかけない。「どうしたの!? 待っ て!」力のない先生だけが走って追っていった。
![]()
◆QBOOKSに掲載の記事・写真・作品・画像等の無断転載を禁止します。
◆投稿された各作品・画像等の著作権は、それぞれの作者に帰属します。出版権はQBOOKSのQ書房が優先するものとします。
◆リンク類は編集上予告なくはずす場合がありますのでご了承ください。