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第2回1000字小説バトル
Entry14

オオキくナれよ

作者 : 高島朝也
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 オオキナ島はその名に反してとても小さい島でした。
 島の人たちは、オオキナ石と島の人たちが呼ぶ小さな石に宿って
いる、オオキナ神を奉っていました。私もオオキナ石を見せてもら
いましたが、非常に優麗である印象を受けました。そのことを島の
人に伝えると大変気に入られ、翌日、オオキナ神の賜物と島の人が
伝えるオオキナ森へと案内されました。
 島の中心にオオキナ森と島の人たちが呼ぶ小さな森はありました。
森には、チイサナ木と島の人たちが呼ぶ大きな木が立ち並んでいま
した。私はこのチイサナ木に惹かれて森の中を歩き回りました。
 島の人たちがチイサナ木になるオオキナ実と島の人たちが呼ぶ小
さな実が落ちてくるのを拾って食べていました。
 私も一つほおばってみると、口の中でぷちんと音を立ててはじけ、
実の中に閉じこめられていた妖精たちが一斉に春を歌い上げるよう
な、それでいてその中に遠く故郷で流れる小川せせらぎと共に漂っ
てくる雪解けの香りが重ねられているような、そんな印象を受けま
した。
 しばらくのあいだ、私は光悦としてその場に立ちつくしてしまい
ました。私はオオキナ実を採りにゆこうと木に登りだしました。二
メートルくらい登ったところで島の人が気づき、オオキナ声とこの
島の人たちが呼ぶ小さな声で警告を発しましたが、夢中になってい
る私の耳にはほとんど届きませんでした。チイサナ木はオオキナ枝
と島の人たちが呼ぶ小さな枝しかつけないので、登るのはとても大
変でした。それでもわき目もふらずにチイサナ木を登り続け、七分
後には木の頂上にまでたどり着くことができました。私はそこにな
っているオオキナ実を一つもぎ取り、ほおばりました。あまりのお
いしさに再び光悦としてしまった私は木から滑落し、オオキナ音を
立てて地面に打ちつけられてしまいました。

 チイサナ木の魅力にとりつかれてしまった私は、なんとかしても
ち帰りたいと考えました。島の人たちに相談すると、彼らは突然ハ
ゲシイ怒りをあらわにし私に襲いかかりました。逃げる私を彼らは
オオキナ声を張り上げて追い回します。私は急いで森に逃げ込みま
した。彼らの声が聞こえます。
 そっちにいたか
 やまをさがせ
 いやもりだ
 彼らにいぶし出されながらも私はキビシイ警戒をくぐり抜け、命
からがら逃げ帰りました。

 いまでも私はオオキナ実をほおばるたびに、オオキナ島でのタノ
シイ日々を思い出しオオキナ声をあげてみるのです。






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