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第2回1000字小説バトル
Entry2

(有)オリムピック製菓

作者 : 穂室たまお
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 小さな製菓会社の事務所で、社長以下、全社員合わせて三人が机
を囲んでいる。
 その真中に、小さなガムのパッケージが一つ置かれていた。

 社長 「これが、わが社の命運をかけた新製品というわけか…」
 田中 「そうです。私と山田、二ヶ月の時間をかけて作り上げま
した」
 山田 「全力を出し切りました」
 社長 「そうか。ご苦労だった。で、このガムの特徴は?」
 田中 「は、コンセプトはずばり『常識がいつも正しいとは限ら
ない』これであります」
 社長 「ほほう」
 山田 「最近の、過剰なまでの健康ブームに警鐘を鳴らす、画期
的なガムです」
 社長 「健康はいいと思うが…」
 山田 「やりすぎはよくありません。なんでも程々に…」
 社長 「なるほど。で、このガムの特徴は?なんなんだ?」
 田中 「特徴ですか…。う〜ん…」
 社長 「いろいろあるだろう。虫歯になりにくいとか、自然の原
料しか使っていないとか」
 田中 「社長!」
 社長 「な、何かね。大声を出して…」
 田中 「そんな、大企業と同じ事をやって、我々が太刀打ちでき
るとお思いですか!」
 山田 「頭を使え!頭を!」
 社長 「だ、誰に言ってるんだ!」
 山田 「…あ…」
 社長 「あ、じゃ無い!で、特徴を言いなさいよ!」
 田中 「…まあ、しいて言えば、着色料一杯…」
 山田 「砂糖も、一杯…」
 田中 「しかもそんなに…」
 山田 「うまいわけじゃない…」
 社長 「いかんじゃないか!」
 田中 「いえ、実は一つだけ自信のあるところが…」
 山田 「これは結構マニア受けしますね」
 社長 「マニア受け?」
 田中 「そうです。このガムの命とも言うべきインパクト! そ
れをネーミングにして見ました」
 山田 「砂糖が多くて、着色料も二倍! ちなみに当社比!」
 田中 「このガムの名前は、これです!」

 田中が差し出した紙には、太い汚い字で『百害あってキシリ無し
っ!!』と書いてあった。
 三日後。(有)オリムピック製菓は午前と午後に一度づつ、不渡
りを出して倒産した。






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