インディーズバトルマガジン QBOOKS

第4回1000字小説バトル
Entry34

おいしいお肉

作者 : たみか
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 おじいちゃんは、もうずいぶんヨボヨボだ。サンポに行っても、
ボクみたいにタカタカあるけない。ボクが「ハチガツ」生まれのワ
カモノで、おじいちゃんは「タイショー」生まれのトシヨリだから、
しょうがないんだって。
 でもおじいちゃんは、ぶるぶる足をひきずって、まいにちボクを
サンポにつれていってくれる。だから、ボクはおじいちゃんがだい
すき。おじいちゃんのシップのにおいだってだいすきだ。

 きょうも、おじいちゃんとサンポに行くじかんになった。サンポ
に行くまえに、おじいちゃんはボクの首にひもをつける。ボクが今
よりちっちゃかったとき、きゅうにとびだして車にはねられそうに
なったんだって。そのときから、おじいちゃんは「ボクのために」
ボクにひもをつけるんだ。もうボク、おっきくなったのにね。
 サンポのとちゅう、すごいことがおきた。おっきい車が、ボクた
ちめがけてとびかかってきたんだ。ボクはすぐよこっとびして、じ
めんにふせた。でも「タイショー」生まれのおじいちゃんは、ボク
みたいによけられなくて、おっきい車につかまっちゃったんだ。お
じいちゃんはちがいっぱい出て、バラバラになっちゃった。
 ボクの目のまえに、おじいちゃんの手がぼとんと落ちてた。さっ
きまで、ボクの首ひもをにぎってた手だ。ボクはいそいでおじいちゃ
んの手をくわえた。おっきい車は、おじいちゃんのムネを踏んづけ
たまま止まってる。ボクはおっきい車に見つからないように、あわ
ててにげた。バラバラになりたくないもんね。
 ボクはいっぱいいっぱい走って、いつもおじいちゃんとあそびに
来てたかわらについた。かわらにはだれもいなかったから、あんし
んしてボクはおじいちゃんの手をはなした。それから、しばらく口
を大きくあけてはぁはぁした。いっぱい走って、とってもあつかっ
たんだ。それから、ちょっとひるねした。

 目をさますと、ボクの目のまえにすじすじした肉が落ちてた。ボ
クはちょうどおなかがすいてたから、ガリガリ肉をかじった。すじ
すじ肉は、シップのにおいがして、おいしかった。
 肉を食べおわると、ボクは四つ足をしっかりふんばって立ち上がっ
た。それから、きょうのねぐらを探しに行くことにした。
 きょうから、ボクはノライヌだ。






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