第4回1000字小説バトル
Entry38
「フクハラ君。髪の短いひと、好き?」 大学の食堂でカレーを食べていた僕に、目の前に座っているゴト ウさんが聞いてきた。 「僕は長い方が好きだけど」 ショートヘアのゴトウさんがまた聞いてくる。 「元気なのが取り柄の女の子って、どう思う?」 「それが"元気"を通り越して"短気"だったら勘弁願いたいね」 頬の辺りをひくつかせながらゴトウさんはそれでも聞いてくる。 「じゃあ、フクハラ君はロングヘアの大人しい人が好きなのね?」 「いや、そうとも限らないけど」 「どっちなのよ!」 ガタン、と音を立ててゴトウさんが椅子から立ちあがる。 あちこちからクスクス笑いが聞こえ、ゴトウさんは顔を赤らめて 慌てて座り直した。 「フクハラ君」 「何?」 「私のこと、好きになってくれる?」 まっすぐなそのゴトウさんの瞳が、僕は好きだ。 僕はすこし微笑んだ。 「…そうだね。君が、望むなら」
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