第5回1000字小説バトル
Entry1
ジェイソンが斧を振りかざし僕の胸を切り裂いた。そんな夢を見 た。胸をザクッとやられた瞬間僕は跳ね起きた。額に汗が吹き出て いた。下から父親の「さっさと起きろ」と言う怒鳴り声が急に聞こ え、僕はビクッとして「うん」と小さく返事をした。 母親は二年前から居ない。継母だったから自分の娘を連れて出て いった。出ていってくれて嬉しかった。その母親は自分の娘と僕を いつも差別されていたから僕はいつも嫌な思いをしていた。その娘 もわがままな奴でいつも僕は腹が立っていた。だが母親が居なくな ってから美味しい物を食べた覚えが無い。父親の料理はくそまずい。 今日の朝食もきゅうりの味噌汁という見ただけでもまずそうな物を 作ってくれた。父は厳しい男なので、ご飯を残す事を許さない。僕 はそのまずい味噌汁を口に運ぶ。あまりのまずさに吐きそうになっ たが吐きそうになるという行為も父は許さないので、頑張って平静 を装う。父はそのまずい味噌汁をおいしそうに口に運んでいるので、 父の味覚が理解できない。一度でいいから大きな声でまずいと言っ てみたい。だがそんな事を言ったら父は僕をぶん殴るだろう。僕は それが恐い。 僕は小学4年生、苛められっこだ。いつから苛められ出したのか 分からない。いつのまにか僕は苛められっこになっていた。幼稚園 の頃も苛められっこだった。だがどうして僕なのだろう。僕は生ま れついての苛められっこ体質なのだろうか。そんな事は有り得るの だろうか。 学校に着き毎日の宿題の日記を出そうとした。だがランドセルの 中に日記帳が入っていなかった。また忘れてしまった。いつも僕は 忘れ物をする。ちゃんと点検しているつもりなのにどうして僕は忘 れ物をしてしまうのだろうか。また先生に怒られてしまう。その事 を考えると僕はとても不安になり大きなため息を吐いてしまう。い つも忘れ物をする僕に先生は「忘れ物王」という名前を付けてくれ た。そんな事をしてしまえばまた僕がみんなに苛められるという事 が分からないのだろうか。まあ僕は先生に苛められているという事 を言っていないから分かるはずが無いだろう。僕が先生に苛められ るという事を言っていない理由は僕が僕自信を苛められる人間だと 認めたくないし父にもそんな人間だと思われたくない。そしてその 事が父に知られてしまったら父はきっと僕を苛めた人間を一人ひと り殴り、そして僕を鍛えるために僕に対しての教育がもっと厳しい 物になるだろう。だから僕は先生に苛められた事を言わない。 案の定僕は先生に執拗に怒られた。「なんでいつも忘れ物をする んだ、なんでちゃんと点検しないんだ」と 。点検はしたつもりだと 先生に言いたかったが、どうせ「だったら忘れ物をするはずが無い だろう」と言われるので言わない。 給食の後の休み時間に僕は体育館で苛められた。うちのクラス男 子全員にだ。全員で力を合わせて僕を苛めた。僕は小さな悪者だっ た。みんな正義感から僕を苛めるのだ。十人以上で僕をしっかり動 けないぐらいに捕まえる。みんなの顔を見ると歯を食いしばって一 生懸命だった。サッカーのスポーツ少年団に入っている足の速い一 人が20メートルぐらいの所から走ってきて僕の胸に思いっきり飛 び蹴りをくらわせた。蹴りが当たった瞬間みんないっせいに僕を放 して、僕は地面に頭を強く打って頭を押さえ悶絶する。休み時間終 わりの鐘が鳴りみんな教室へ帰っていく。 僕は悶絶しながら明日死のうと思った。
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