第5回1000字小説バトル
Entry33
少し湿った壁に四方を囲まれ、生温くなった缶ビールをちびちび とやる。シケモクも吸い尽くしてしまい、柔らかくなってしまった ピーナツだけが、頼りだった。 しかし、だ おれが喰いたいのは、このピーナツのてっぺんにある 硬いクリトリスのような、にきびの芯のような わかるだろ? こいつは、いつまでも硬いままで、歯ごたえがあった。 こいつがなんの役割を果たしているのかなんて、もちろん知りは しなかった。 生命の芽なのか、死の源なのか まぁ、知ったことじゃないが。 それにしても おれはこのまま、自殺への誘惑にのせられてしまうのだろうか。 そのことをあいつは知ってはいない。 あいつって誰だ? 女たちは、皆、いなかった。 一七人の女たちは、おれ以外の男たちを救うために出払っていた。 一人だけ、間違えて男に電話してしまった。 まるで女のような名だったから。 ガスはだめだ。 部屋にはとぐろを巻いた電熱器しかなかったから。 バファリンで本当に死ねるのだろうか? 前回とは違う方法を試さなくては。 カミソリは二枚歯で、その上、肌を守るためのワイヤーが巻かれ ていた。 チャイムが鳴った。 ドアを開けると、女が立っていた。 にも関わらず、だ おれは女を部屋には入れずに、追い返すことにした。 おれよりも不幸な人間と同室したくはなかったから。
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