第5回1000字小説バトル
Entry42
上昇気流にのって、飛んでいってしまったハルは今頃どうしている だろう。そんなことを考えながら、フユは洗濯物を干していた。 元々はフユのために用意された上昇気流だったのだ。ただ、嗅覚が 発達していたのはハルのほう。いち早く風のにおいを感じると、そ のまま上昇気流にのって、とびたっていった。 弟よ、空からみえる景色はどうだい? 今年ははじめてハルのいな い春を過ごしている。ただ、おまえがいなくても、桜は咲き、洗濯 物は白く光る、いつもどうりの春だよ。 おまえがいないことと、季節の流れ、たがいに何の影響も及ぼさな い、そんな関係をうらやましく思う。わたしとわたしのまわりの流 れもそんなスマートな関係であることができるだろうか。
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