インディーズバトルマガジン QBOOKS

第6回1000字小説バトル
Entry44

ひろしくんのコロッケ

作者 : 野原たんぽぽ
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文字数 : 968
 クラスのいじめっこのだいちゃんに、「ひろしってさあ、いつもの
ろまでぐじぐじしてしててむかつくよなー。おまえもそうおもうだろ?
ひろしと口聞くんじゃねーぞ」て言われて、ぼくは「うん」てうなず
いた。だいちゃんはいつも子分みたいな仲間をつれて意地悪をするの
でいじめられたくなかった。

 その日の放課後ひろしくんは、僕の所へきて「一緒に帰ろう」と誘
ってきた。だいちゃんが見ているので僕はひろしくんを無視すること
にした。
 ひろしくんは寂しそうな顔をして1人で帰っていった。
帰り道だいちゃんたちがみんなで帽子を取り上げたりしてひろし君に
いやがらせをしていた。
 家に帰るとおかあさんにおつかいをたのまれた。おかあさんといっ
しょの工場で働いているひろしくんのおかあさんからきょう遅くなる
から晩御飯のおかずを預かってるということだった。
 おつかいの大きな包みは匂いでコロッケだって分かった。

 ひろしくんの家にいくと部屋の中が賑やかだった。ドアを開けると、
同じアパートの小さな子達がひろし君ちの部屋に集まっていた。そこ
でひろし君はみんなに絵本を読んで聞かせていた。黄色い電球の下で
上手に絵本を読んで聞かせるをひろし君はすごくかっこよくみえた。
反対にぼくは自分が恥ずかしかった。
思い切ってコロッケを渡すとき「今日のことごめんね」と謝った。
「ぜんぜん」といってひろしくんは笑ってくれた。
僕はもやもやしていた胸の中がすっきりした。
 ぼくが帰ろうとすると「とおるちゃんもいっしょにコロッケ食べよ
うよ」とさそってくれた。ひろし君の小さい仲間と食べたコロッケは
少しさめていたけどおいしかった。ぼくは明日だいちゃんにいじめら
れてもひろし君といっしょに帰ろうと思った。

 次の日の放課後ひろしくんが誘ってきてくれたときぼくは、勇気を
出して「いいよ」というとだいちゃんが「とおるの裏切り者」といっ
てつっかかってきた。
 僕は思い切って「だいちゃんが弱い者いじめやめるまでだいちゃん
と口聞かない」というとだいちゃんにシャツの胸を掴まれた。殴られ
ると思ったとき副委員長の青木さんが「止めなさいよ、わたしもだい
ちゃんともう口きかないから」といった。だいちゃんは「ちぇ」とい
うとみんなとつまらなそうに帰っていった。
 その日は青木さんとひろしくんと僕の三人で帰った。夕焼けがすご
くきれいだった。






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