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第6回1000字小説バトル
Entry48

それは先生

作者 : HCE
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Website : http://www.asahi-net.or.jp/~nv5y-mngs
文字数 :
 赤ちゃんのオムツを交換していると年長の子供達が様子を見に来
て、汚あい、と囃し立てた。それをやんわりと諌める。
 うんちをいっぱいする赤ちゃんは、元気で偉いんだよ。皆だって
うんち、するでしょう?
「じゃ先生もうんち、するんだ」と子供達。先生はうんちしないの。
おしっこもしないし鼻水も出ない。こんな言葉にも目を白黒させる
から面白い。
「そんな筈はないでしょう。もう一回調べて下さい」
 残念ですが本当です。早くでオペをしなければそれこそ命に関わ
るかも知れません。
「先生。俺、死ぬんですか」
 そんな事は私がさせません。信用して下さい。
「でも奴等が毎日のように。地上げ屋なんて言ったって本来はやく
ざでしょう。 それにうちには年頃の娘だって」
 なんの為に法律があると思っているんですか。幾ら警察が民事に
介入出来ないとはいえ、私達みたいな法律のプロがいるんです。安
心して下さい。
「ありがとうございます、先生」
 そんな、礼を言われる程の事ではありませんよ。
「いやいや御謙遜を。市井の名士風情ではこうはいきますまい。す
べて先生のお力でうまく事が運びました。次の選挙でも私どものお
力になれる事があればなんなりと言って下さい」
 そういって応接室で頭を下げる。そして私の目を見て一言。
「先生、原稿まだですか」






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