第6回1000字小説バトル
Entry48
赤ちゃんのオムツを交換していると年長の子供達が様子を見に来 て、汚あい、と囃し立てた。それをやんわりと諌める。 うんちをいっぱいする赤ちゃんは、元気で偉いんだよ。皆だって うんち、するでしょう? 「じゃ先生もうんち、するんだ」と子供達。先生はうんちしないの。 おしっこもしないし鼻水も出ない。こんな言葉にも目を白黒させる から面白い。 「そんな筈はないでしょう。もう一回調べて下さい」 残念ですが本当です。早くでオペをしなければそれこそ命に関わ るかも知れません。 「先生。俺、死ぬんですか」 そんな事は私がさせません。信用して下さい。 「でも奴等が毎日のように。地上げ屋なんて言ったって本来はやく ざでしょう。 それにうちには年頃の娘だって」 なんの為に法律があると思っているんですか。幾ら警察が民事に 介入出来ないとはいえ、私達みたいな法律のプロがいるんです。安 心して下さい。 「ありがとうございます、先生」 そんな、礼を言われる程の事ではありませんよ。 「いやいや御謙遜を。市井の名士風情ではこうはいきますまい。す べて先生のお力でうまく事が運びました。次の選挙でも私どものお 力になれる事があればなんなりと言って下さい」 そういって応接室で頭を下げる。そして私の目を見て一言。 「先生、原稿まだですか」
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