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第6回1000字小説バトル
Entry6

頼れる上司

作者 : 岡嶋一人
Website : http://www.geocities.co.jp/Hollywood/8616/
文字数 :
 最近やたらと左肩がこる。
原因を色々考えてみた。この会社に入って、すでに12年。
課長になって3年。40も過ぎれば当然どこかにがたは来るし、管
理職という仕事からのプレッシャーや、早出、残業の毎日。そして
何より、うちの若手が何かにつけて、私を頼ろうとする。少しは自
分で考えろとも思うが、口に出しては言えない。女子社員には面倒
見の良い人間で通っているが、かなり自分を殺して、無理をしてい
る。そんなこんなが集合して、左肩でおしくら饅頭でもしているよ
うだ。

 肩こりもひどくなると、頭が重くなり、吐き気さえもよおすよう
になる。仕方なく、病院に行って精密検査やらレントゲンやらCT
何とかやら、やってみたが、結局原因はわからず。整体師の所にも
かなり通って、マッサージを受けたが、効き目は無し。かえって、
症状はひどくなる一方である。それでも、肩こりごときで会社を休
む訳にもいかず、日々仕事に励んでいた。

 そんなある月曜日、営業会議の後に、田口という女子社員が、つ
かつかと私の所にきて、
「課長、これからもよろしく。」とたった一言だけ言って会議室を
出ていってしまった。一体、何をどうよろしくしたら良いのか、何
を期待しているのか判らないまま、私はその場に取り残された。

 火曜日の午後3時、牧恭子は女子トイレの個室の中にいた。
そして、自分の腹をさすりながらこう言った。
「ごめんね。産んであげられないの。明日でさようならよ。天国で
困ったことがあったら、課長に相談すれば良いよ。面倒見は良いん
だから。本当のお父さんじゃあないけどね。きっと、天国で田口さ
んの赤ちゃんとも会えると思うよ」

木曜の朝、私は目を覚ますと右肩もこり始めた事に気が付いた。

原因を色々考えてみた。この会社に入って、すでに12年…………。

女子社員には面倒見の良い人間で通っているが、かなり自分を殺し
て、無理をしている。






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