インディーズバトルマガジン QBOOKS

第6回1000字小説バトル
Entry7

ライス・アンド・ミソスープ

作者 : 大森 柔
Website :
文字数 :
「私はですね、つまり、特別注文をしたいのです」
「はい、当店では特別注文を自慢の一つとしております、どうぞ御
遠慮なく」
「それはどうも、何、難しいことじゃありませんよ、私はですね、
つまり、ライス・アンド・ミソスープを食そうかと思っておるので
す」
「はぁ、つまり、御飯と味噌汁ということでございましょうか」
「いえいえ、つまりですね、日本語でいうところの、味噌汁ぶっか
け飯ですね、しかし、私はこの語をあまり好まんのです、何しろあ
まりに庶民的に過ぎますからなぁ、それはともかく、ミソスープの
具としてはですね、ワカメなどが良いのではないかと思うのです、
ワカメです、ワカメが最も素敵だと思いませんか、あなた。ひとま
ずそれでお願いしますよ」
「はい、その注文は可能だと思います。しかし、ライス・アンド・
ミソスープだけでよろしいのですか?、他にはいかがですか?」
「ほっほっほっ、ライス・アンド・ミソスープというのはですね、
つまり、それだけで食すものなのです、それは一つの完成された料
理なのです、だから、それのみで食さねばならんのです、それ以外
は邪道というものですよ」

僕は、妻と向かい合って座っている。僕は、味噌汁を御飯にぶっか
ける。
「まぁ、なあに」、妻が驚く。
僕は答える、
「今日はね、つまり、ライス・アンド・ミソスープを食そうかと思
ってね」






インディーズバトルマガジン QBOOKS
◆QBOOKSに掲載の記事・写真・作品・画像等の無断転載を禁止します。
◆投稿された各作品・画像等の著作権は、それぞれの作者に帰属します。出版権はQBOOKSのQ書房が優先するものとします。
◆リンク類は編集上予告なくはずす場合がありますのでご了承ください。