第6回1000字小説バトル
Entry7
「私はですね、つまり、特別注文をしたいのです」 「はい、当店では特別注文を自慢の一つとしております、どうぞ御 遠慮なく」 「それはどうも、何、難しいことじゃありませんよ、私はですね、 つまり、ライス・アンド・ミソスープを食そうかと思っておるので す」 「はぁ、つまり、御飯と味噌汁ということでございましょうか」 「いえいえ、つまりですね、日本語でいうところの、味噌汁ぶっか け飯ですね、しかし、私はこの語をあまり好まんのです、何しろあ まりに庶民的に過ぎますからなぁ、それはともかく、ミソスープの 具としてはですね、ワカメなどが良いのではないかと思うのです、 ワカメです、ワカメが最も素敵だと思いませんか、あなた。ひとま ずそれでお願いしますよ」 「はい、その注文は可能だと思います。しかし、ライス・アンド・ ミソスープだけでよろしいのですか?、他にはいかがですか?」 「ほっほっほっ、ライス・アンド・ミソスープというのはですね、 つまり、それだけで食すものなのです、それは一つの完成された料 理なのです、だから、それのみで食さねばならんのです、それ以外 は邪道というものですよ」 僕は、妻と向かい合って座っている。僕は、味噌汁を御飯にぶっか ける。 「まぁ、なあに」、妻が驚く。 僕は答える、 「今日はね、つまり、ライス・アンド・ミソスープを食そうかと思 ってね」
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