第8回1000字小説バトル
Entry12
貴様はアホや。そんな疲れたなら、死ねば良い。俺は奴がそう言 うと同時に、奴を射殺した。血みどろの床に千円札一枚投げて帰っ た。これがお前の命の値段。 俺は十七の女を抱き、ホテルで眠った。女は俺の財布を盗んで消 えた。アホな女だ。金なんて、俺はいらない。俺は、お前が好きだ ったのだ。本気で。 いつしか若い頃会ったことのある女と、会ったら、あまりの綺麗 さに、脚がふるえた。俺は、一体何故、こんな美人と会ってしまっ たのだろう。俺は美人が好きだ。俺は、美しさにこだわる。美人で なければ、女じゃないし、だから抱きもしない。 酒呑んで、車乗って、降りてすぐ吐いて、その後公園で一夜を明 かし、朝の電車で帰ったら、また酒が欲しくなった。ポン酒じゃな けりゃ、駄目なんだ。生きてる意味が、欲しいんだ。 俺にとって、その十七の女は特別でもなんでもなかったのだが、 妙に気になって仕方がない。俺はその女の携帯にかけると、女が出 た。会おうよ。いいわよ。俺が気になって仕方がないその女は、細 身で色白の、完璧な美少女だった。その女のため、俺はどれほど俺 の金と、俺の人生を、使い込んだのか。俺と女は、ホテルで抱き合 い、その時、その女に、初めてだと言われた時は、俺はまさかここ まで引きづるとは思いもしなかった。逆転された。俺は女を、欲し くなった。女は俺を利用した。俺はしかし、女が自分以外の男がい ることを知っていた。まあいい。俺はこいつを、女にした男だから。 突然だった。闘争中の相手三人が、ホテルの部屋にあがり込み、 俺と女をめった撃ちにしやがった。俺はガラス窓に体当たりして外 へ飛び出し、右肩を射ち抜かれただけで逃げ延びた。女は、全身撃 たれ、死んだ。 俺はいつしか、海に出るようになった。船に乗り、太陽と海を交互 に見て、日焼けした肉体、サングラス。俺は海が好きだ。孤独を消 してくれ。すべてを消してくれ。 俺はまた、熱した肉体を冷やすため、大声あげて、海に飛び込ん だ。
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