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第8回1000字小説バトル
Entry23

タクシードライバー

作者 : 浅間 伸
Website :
文字数 : 994
 私はタクシードライバー。
 おや、あそこに手を上げているお客さんが。

「横浜駅まで、それと私は日夜横浜のタクシーに乗り、運転手さ
んからその職業に纏わるおもしろい話を聞き自分でランキングを付
けているのですが、どうです、あなたもこのランキングに載りたい
と思いませんか?」

 載りたい!
 私は即座にそう思い、冷静に5年前に体験した話をしました。

「分かりました。そう、あれは5年前のことです。ちょうどお客さ
んみたいに手を上げている女性を横浜の甚大病院の前、歩道橋がそ
こにはあるのですがそこで見かけました。
『埼玉の飯能までお願いします』
とおっしゃいましたので、私は早速地図を調べて飯能までの最短ル
ートを捜しました。バックミラーに映るその女性は真っ白の洋服、
絹のように細く長い黒い髪、透き通るような白い肌、うつむいてい
ましたが明らかに美人と称される姿をしていました。横浜から東京
に向かい東京を抜けて埼玉に入りました、そこは山道だったのです
が、木々が夜の風にさらされて不気味にうなっていました。真っ暗
で照明という照明は車のライトしかなく、不安ながらも車を走らせ
ていました。しばらくして、ふと、後ろのお客さんの気配を感じな
くなったのです。そこで、バックミラーを覗くと女性が見えないの
です。私は更に不安になり車を止めてゆっくりと後ろを振り返りま
した。誰もいないのです。私は恐怖を感じながらも車を降りて辺り
を見渡しました。見えるのは木だけです。するとその木と木の間か
らかすかに灯りが見えました。こんな森に人家があるのだろうかと
思いながらも車で灯りが見える方向に向かうとそこで森が無くなり
人家が見えるではありませんか。私は月を目指す蛾の様にふらふら
車で向かい家の前で車を留めてそこの景色に驚ガクしました。その
家ではお葬式をやっていたのですが、誰のお葬式か写真を見てみる
と、さっきまで私が乗せていた女性だったのです。写真では笑顔で
したが、明らかに同じ人物であるということは容易に分かりました。
私が呆然と立ちつくしていると50代くらいの女の人が私に気付き
声を掛けてきました。
『なにか御用ですか?』
私は今起きたことを慌てて話しました。するとその女の人は大変驚
き
『もしかして、横浜から来たのではないですか!』
とおっしゃいますので私も驚き
『なぜわかったのですか?』
と興奮して答えるとその人は一言
『だって横浜ナンバーですもん!』」






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