第8回1000字小説バトル
Entry26
風速50mはくだらない街が、地球の果てにある。ここの住人もや ってくる人も人生という荒波にロングボードで乗り損ねた人達が集 まる。その街の南東に位置するところに携帯電話屋がある。こんな 街でも携帯か使えるかどうかは分からないがその店は満員御礼の垂 れ幕をおろしまくりだ。入り口には「開店休業中」の札がかけられ ている。とてもノスタルジックな店に旅人らしき人物が入ってきた。 「わっしょい」店の奥からギンギラな声。店のオーナーだ。彼の声 はあまりに美しくハイポジよりはメタルな感じで、エフェクターは 使ってない。オーナーは客の姿を見るなり、悟った。「オッケー。 そこのトラベラー。おめえの熱い、周富徳ばりのカメラ目線じゃ、 いじってくださいとばりに戯ける出川のように気持ちがわかるよ。 藤原紀香って必死だろ?」オーナーのストロベリー講釈に旅人は参 ったと言わんばかりに内股全開になった。そして、背広の内ポヶか ら携帯電話をオーナーに手渡した。「お願いします」蚊の泣くよう な声で旅人は言った。オーナーは黙って携帯を受け取ると通話ボタ ンを押した。「リッキー・マーチン」携帯おまじないでは通話ボタ ンを押して名前を言って切ると言った人物から電話がかかってくる のだ。 旅人は嬉しそうに携帯を抱え何度も何度もおじぎをして店を出て いった。オーナーは旅人の背中を見つめそっと呟いた「あわてるな よ。お嫁サンバ」オーナーはその晩踊りまくった。
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