第11回1000字小説バトル
Entry42
玄関に出ると、カメラが廻っていた。 「裕子ちゃん。来ちゃいました。へへへへ…」 マイクを持った男優の伊加瀬泰三さんが、鼻の下を伸ばしながら 喋っている。 「えぇーっ。どうしたんですかぁ?」 やっと掃除が終わった部屋をカメラに見せながら、私は当惑した 風を装った。 「げへっ。裕子ちゃん、遊びに来てって言ってたから、来ちゃった んですよねぇ。入っていいでしょ。ねっねっ」 ずかずかと上がり込む伊加瀬さんを、ちょっと押さえながら、私 は甘えた声を出した。 「えぇーっ、ダメですよーそんな突然。電話ぐらいして下さいよぉ。 掃除もしてないんだからぁ」 「えっ、綺麗じゃないですかぁ。さすが女の子だなぁ」 伊加瀬さんは、寝室へ直行すると、引出しを物色し始めた。 「あっ! だめですよぉ。そんなとこ開けちゃぁ」 探し出した私のパンティを、伊加瀬さんから取り上げると、私は 身体の後ろに隠した。 「おっと。そんなことする娘は、オシオキだぞぉー」 何の脈絡もあったもんじゃないけど、それから私は裸にされ、ち ょっと自慢の胸をレロレロされ少し感じながら、文字通り、足の先 まで舐めまわされた。 伊加瀬さんはテクニックも凄いから、いつも本気になっちゃう。 それに長い。だから、とーっても疲れて、終わったらぐったり。 撮影が終わって、スタッフも皆帰ったのに、伊加瀬さんは残って いた。 「裕子ちゃん。どうだった?」 「えっ? どうって、良かったわよ」 「ほんと?」 伊加瀬は目を輝かせ、それから沈んだ声でポツリといった。 「最近、女優さんが、ボクとの共演を嫌がってねぇ。自信無くして たんだ」 「そう…」 「裕子ちゃんがいうんなら、間違いないや。…それじゃ帰るね。又 しようね」 「えぇ。それじゃ、さよなら」「それじゃ」 玄関で見送った私は、ベッドへ直行。おやすみなさい。 伊加瀬さんとの撮影が終わると、2・3日はいつもこう。どうし ても身体が火照っちゃう。乳首やあそこがちょっと擦れるだけで、 ズキン・ビビッてなっちゃう。…したくなる。 でも伊加瀬さんの後の人って大変だろうな、なんてね。下手でも いいけど、早いのはダメ。何度も出来るんなら…まぁ、ね。でもそ ういうのって、いないのよねぇ。若い子なら…ねっ。(えへっ) きっと他の女優さんもそうなんじゃないかな。彼氏のいる女優さ んなんか大変よ。だって彼氏、持たないと思うもの。ちょっと深刻 よ。 私はまた、友達を増やしに街へ出た。
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