第11回1000字小説バトル
Entry48
この間、友人のところから(アナクマ)を一頭、頂いてきた。い や、正確にいうと、勝手に私に付いてきたのだ。 友人は、占いを生業としていて、ちょっとした恋愛がらみを見て もらったら、(アナクマ)を引いてしまったのがきっかけだった。 (アナクマ)は毎日、毎日、同じことを言う。 「あんさん、だめでっせ。そんなしょうもない色恋してたら」 「しょせん、あんさんも同じレベルやいうことですなあ」 うるさいと思うのだが、なかなかイタイところをつかれているよ うで、反論しようがない。無視しようと思っても、これまたイタイ ところなので、耳に入り込んでくる。ほとほと困って、(アナクマ) に聞いてみた。 「それじゃあ、あたしはどうしたら、シアワセになれるの?」 (アナクマ)はちょっと難しい顔をしたかと思ったら、へらへら 笑いながら言った。 「そりゃあ、あんさん、わてとあれこれしたほうがよろしいがな」 ばかばかしくて呆気にとられた。 あれから、まだ(アナクマ)は側にいる。 毎日毎日、へらへら笑って同じことを言う。 どうしたものかと思いながらも、まだ追い出せていない。
![]()
◆QBOOKSに掲載の記事・写真・作品・画像等の無断転載を禁止します。
◆投稿された各作品・画像等の著作権は、それぞれの作者に帰属します。出版権はQBOOKSのQ書房が優先するものとします。
◆リンク類は編集上予告なくはずす場合がありますのでご了承ください。