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第13回1000字小説バトル
Entry8

天国とか地獄

作者 : 麦茶
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文字数 : 795
 昨日の夜遅く、彼女は死んでしまった。
 もう2、3日すれば骨だけになって小さな壷の中に入ってしまう。
 後を追うのは簡単だけど、いろいろ考えてやめた。

 病気が病気だけに最後はあっけなかった。医学の発達っていうの
は皮肉なもので、たいていのものは治してしまうけど、死期まで分
かってしまう。
 どうせ苦しまずに死ねる病気ならその時がくるまでは知らない方
が最後まで何も考えずに笑えたのに。
 どうしようもないくらい長くて短くて、やっぱり短い半年だった。
「もって4ヶ月」と言われたときには後2ヶ月余分に残っていたと
は思わず世の中にある楽しそうな事と場所はできる限り楽しんだ。

「明日の朝ね、私がおきられなかったらいけないから先にいうね」
「ありがとう」
「先に行って待ってるから、あなたはこっちでゆっくりしてから会
いに来てね。あんまり早く来てくれてもうれしくないからね」
そして僕は「あんまりゆっくりしてたら他の人と行くかもな」
 この儀式の事もあったし、僕は後を追うのをやめた。

 22年間、彼女は生きた。僕が知ってるのは終わりの5年ぐらい。
 いい娘だった。
 僕の見る限り、本当に天国と地獄があったら、間違いなく天国に
行けるはずだ。
 そして、僕の事を待ってくれているはず。
 でも、できる事なら彼女には地獄に落ちてもらいたい。でないと
僕は彼女に会えないだろうから。






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