第13回1000字小説バトル
Entry8
昨日の夜遅く、彼女は死んでしまった。 もう2、3日すれば骨だけになって小さな壷の中に入ってしまう。 後を追うのは簡単だけど、いろいろ考えてやめた。 病気が病気だけに最後はあっけなかった。医学の発達っていうの は皮肉なもので、たいていのものは治してしまうけど、死期まで分 かってしまう。 どうせ苦しまずに死ねる病気ならその時がくるまでは知らない方 が最後まで何も考えずに笑えたのに。 どうしようもないくらい長くて短くて、やっぱり短い半年だった。 「もって4ヶ月」と言われたときには後2ヶ月余分に残っていたと は思わず世の中にある楽しそうな事と場所はできる限り楽しんだ。 「明日の朝ね、私がおきられなかったらいけないから先にいうね」 「ありがとう」 「先に行って待ってるから、あなたはこっちでゆっくりしてから会 いに来てね。あんまり早く来てくれてもうれしくないからね」 そして僕は「あんまりゆっくりしてたら他の人と行くかもな」 この儀式の事もあったし、僕は後を追うのをやめた。 22年間、彼女は生きた。僕が知ってるのは終わりの5年ぐらい。 いい娘だった。 僕の見る限り、本当に天国と地獄があったら、間違いなく天国に 行けるはずだ。 そして、僕の事を待ってくれているはず。 でも、できる事なら彼女には地獄に落ちてもらいたい。でないと 僕は彼女に会えないだろうから。
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