インディーズバトルマガジン QBOOKS

第14回1000字小説バトル
Entry9

破壊する男

作者 : TAKA
Website : http://www.csulb.edu/~tomori/
文字数 : 614
少年「あんたね、破壊は悪いものだって決め付けてるけどさ......。
破壊だって創造の一部なんだよ。考えてみてよ。紙をつくるには木
を切らなきゃいけないだろ?」
医師「キミのする破壊活動の悪いところは他人の迷惑になるところ
だよ。つまりそれが問題なんだ」

 この少年、破壊癖をもっている。つまり、なんでも破壊してしま
うのである。そのきっかけは、彼が子供のとき、アルミの空き缶を
壊してできたガラクタを母親が「あら、きれいね」と芸術と勘違い
して彼を誉めたことにあると思われる。
 彼は今までに公共物破壊をはじめ、人間関係をも破壊し、このた
び、ついに人間に危害を加えたため、精神科医師の診断をうける運
びとなった。

医師「キミを診断するのに、サンプルが必要だ。さて、ここに普通
のリビングルームに似たてた部屋を用意した。テレビもソファーも
ある。キミに1時間やる。好きなように破壊してくれ。この部屋に
あるものはなんでもだ。わたしはビデオモニターでキミを見ている。
ビデオは壊さないでくれよ」

少年はそう言われて、その仮部屋に監禁された。

医師は、横の部屋でビデオモニターに見入る。10分。20分。
少年はソファに座ってから、なんの動きも起こさない。

そして1時間が過ぎた。部屋の中のものはそのまま、なにも壊され
ていない。

医師「おいおい。困るじゃないか。傾向を見たいんだよ。好きなよ
うに壊していいんだって」
少年「もう壊したよ」
医師「壊した、ってなにを?わたしはずっとモニターで見てたんだ
よ」
少年「壊したものがわからないの?」
医師「壊したもの?そんなものなんてないじゃないか」
少年「あるよ。・・・あんたの計画」






インディーズバトルマガジン QBOOKS
◆QBOOKSに掲載の記事・写真・作品・画像等の無断転載を禁止します。
◆投稿された各作品・画像等の著作権は、それぞれの作者に帰属します。出版権はQBOOKSのQ書房が優先するものとします。
◆リンク類は編集上予告なくはずす場合がありますのでご了承ください。