第16回1000字小説バトル
Entry4
勘竹頼、数々の難事件を勘だけで解決してしまうという恐ろしい までの凄腕警部。人竹頼、人に頼ることしか知らない自主性の欠如 したダメダメ巡査。すべてはこの二人がコンビを組んだことから始 まった。 とある超高級マンション。一人の男が殺された。第一発見者はマ ンションの管理人。一週間も会社に来ないので心配して訪れた同僚 に頼まれて鍵を開け発見。という、ごくありふれたパターン。現場 は完全な密室で玄関には内側から鍵が掛かっており、すべての窓は なぜか鉄格子が張り巡らしてある。という、まるで取ってつけたか のような密室。とにかく作者は完璧な密室だと表現したいのである。 現場を訪れた勘竹警部と人竹巡査。コンビを組んで初のヤマであ る。勘竹は現場を一目見るなりすぐさま言った。 「うむー、これは密室殺人だな」 「そんな事はわかっていますよ! 題名にも書いてあるじゃないで すか! 文字数にも限りがあるんですからとっとと調べて下さいよ !」 人竹はよくしゃべる男だ。と作者は伝えたかったのだ。 「うむ、そうだな… よしわかったぞ。犯人は隣に住んでいる男だ。 髪はロンゲで眼鏡をかけている。見るからにオタクっぽい奴だ」 「すっすごいすね! どうしてそんなにわかるんです? だって凶 器だって特定できてないし、密室のトリックすらわからないんです よ!」 「いや、ただ何となくだ。…凶器はベットだ」 「ベット? バットじゃないんですか?」 そんな人竹の言葉を無視して勘竹は隣の部屋のドアをノックしてい た。 ドンドン 「おい、出てこい。聞きたいことがある。文字数にも限りがあるん だぞ、早く出てこい」 ドンドン 「一体何の騒ぎですかぁー」 勘竹の言った通りの容姿の男が眠そうに出てきた。 「お前、昨夜遅くまでネットゲームしていたな」 「えっ、どうしてわかるんです!?」 男はビックリ仰天だ。 「とにかくお前のことはすべてお見通しだ。隣の男を殺しただろう。 密室のトリックもすべてお見通しだ。もっとましなトリックを考え るんだったな。凶器のベットも近くの川で発見されるぞ。詳しい話 しは署で聞こう」 翌日、近くの川で凶器のベットが発見され、男は自首した。意外 性を狙って凶器にバットでなくベットを使ったのがすぐにばれ、何 よりも五年間構想の末考えた密室のトリックが簡単に解かれたと言 われたことが精神的大ダメージだったらしい。 最も、密室のトリックなんぞ誰もわか っていないのだが……
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