第20回1000字小説バトル
Entry4
私は、平凡な主婦。でも、今年こそはもう少し楽な生活をしたい ものね。 というわけで、お賽銭は二千円札と一円玉を入れてみた。 「お前、変なこだわりだな」 そういう亭主は五円玉。それも少し気になるんですけそ。 「いいから、お願いしましょう」 お参りを済ませ、帰路につく。 「ねえ、何をお願いしたの?」 「リストラにあわないでいられますようにって」 「なんか消極的ね」 「そういうお前は?」 「私は、お金が増えますようにって」 そのとき、夜空に光が走った。 「あっ、流れ星。失礼な話だな」 「しょうがないでしょう? あの子の学費もかかるんだから。それ より、あれはユーフォーよ」 などと言い合っていた。 その晩、七月十八日にこだわっている夢を見た。 (七月十八日に何かあるのかしら? まあ、いいわ。この数字を埋 めてみましょう) 私は、ナンバーズをやっていた。何気なく、七一八と印をつけた。 数日後、当たっていた。 (すごい! しかもこんなに) その晩、またも夢を見た。今度は、六年五組に在籍している夢だ った。だが、私も亭主も娘も、六年五組に在籍していたことはない。 (まさか……) 「行ってくるぞ」 「あっ、待って。これで六−五を買ってくれない? 私も興味があ って……」 「六−五? なんか当たりそうもないけれど、まあ、いいか」 競馬に出かける亭主に告げた。 (夜が楽しみだわ) 「ただいま」 亭主は不機嫌になっている。 「どうしたの?」 「お前が言ってた六−五、当たったんだ。でも、すまん。それで次 のレースに注ぎ込んだら、すってしまったんだよ」 「ええーっ」 がっかりだ。今度も正夢だと思っていたのに。 そこへ、娘が帰宅した。娘は、私たちの顔を見ると、言い難そう に口を開いた。 「お母さん、お父さん。ごめんなさい。……できちゃった。あっ、 この前紹介したあの人との子なんだけど」 その年の七月十八日、娘は出産した。 そして、その子供は、十一年後、六年五組に在籍することになっ た。 しかし、大学進学前に妊娠した娘は、進学を断念し、貯金してい たお金は他のことに回すことにした。 そして、亭主も無事リストラの対象になることなく、退職するこ とができた。 とりあえず、二千一年の願いは叶ったわけであるが。 あまり納得できない私であった。 そんな私の上に、光が走った。
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