第22回1000字小説バトル
Entry21
太陽はいつも独りぼっち とても寂しいと感じていました 寂しさを堪えて 今日も空の階段を登っていました 決して休んではいけないお仕事をしているからです ある晴れた日曜日、太陽は1人の男の子を見つけました 男の子は太陽が空の階段を登りはじめた時から 太陽の事をずっと見ています にこにこと、素敵な笑顔で太陽の姿を追っています 太陽は、なんだかくすぐったかったけれども その何倍も幸せでした 今までどんなにお仕事をがんばっても こんなに見つめてくれた人は1人もいなかったからです いよいよ下り階段になり、男の子が見えなくなりそうになった時 太陽は、声を掛けてみました 「君の名前を教えてくれないか?」 「僕は ようた っていうんだ」 男の子はにっこり笑って、そう答えました それからもようた君は、太陽の後を追って来ます 太陽は最後の階段を降りる頃に、ようた君にこう言いました 「明日も会えるかな?」 「うん!僕、きっと明日もここにいるよ」 太陽は、久しぶりに笑顔でこう言いました 「明日からは、私がようた君の事を見守っていよう」 それから太陽は、ようた君と一緒に毎日を過ごしました 次の日も次の日も、そうして何十年も経ちました いつもの様に空に登った太陽は、ようた君を探しました しかし、ようた君はどこにもいません 一生懸命探しても、ようた君はみつかりませんでした 太陽はとっても寂しい気持ちになりました すると… 「ここだよ、太陽さん」 「ようた君!ようた君!!」 ようた君は、キラキラ輝くお星様になっていました 変わらないキラキラの目で、大陽の側で、光っていたのです 「僕、太陽さんの子供になれたんだね」 「こども?」 「そうさ、お星様達は皆、大陽さんの子供じゃないか」 太陽は、とっても嬉しくなりました 「そうだね、私は何故、独りぼっちだなんて思っていたんだろう」 「大陽さん、これからも僕にしてくれたように 皆を見守っていてくれるかい?」 「あぁ、勿論だよ」 「これからは、ずっと一緒だね」 「そうだね陽太、ずっと一緒だよ」 そうして今日も太陽は、元気にお仕事をしています キラキラ笑顔の子供を連れて、今日も空の階段を登っています 只一つ、前と違う事は、太陽はもう決して寂しく無いと言う事です 太陽が何時も私達の後をついて来てくれるのは こんな昔話が、あったからなのです。 おしまい
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