第22回1000字小説バトル
Entry6
やっとあなたに会える月曜日がきた。とても楽しみにしているの に今日も体調が悪い。風邪をひいたみたい。先週の月曜日も風邪だ った。あなたに会える日はいつも風邪をひいている。まだ半分眠っ ている身体を軽く動かし、枕もとの冷たい体温計を手にとる。 「ゲホ、ゲホッ。」 熱くなっている身体の内側からせきががまんしきれずとびだしてき た。冷たい体温計をゆっくりとわきにさす。カーテンの隙間からさ しこむ光が、不安げな私を激励してくれている。 −ピ・ピ・ピッ− わきから抜いた体温計の先っぽがなまぬるい。 「37度8分かぁ−。やっぱり病院行こ。」 7時30分。のそのそと身じたくを始める。冷たい水で熱でほて った顔をやさしく洗う。 そして洋服に着替える。お気に入りのシルバーグレイのシャツに、 光沢のある台形のミニスカートを身につけ、上から黒のコートをは おる。最後に鏡台にむかって髪をとかし、念入りに化粧。さぁ、さ っさと病院へ行こう。とかばんを持って玄関へ向かう。 今日も混んでいる。総合病院はいつも混んでいる。15番目に並んで いた私にようやく順番がまわってきた。 「はい、どうぞ。内科の前でおまちください。」 癒し系の笑顔で事務のお姉さんが診察券を返してくれた。 「さくらさん、さくらさやかさーん、内科おはいりくださーい。」 ようやく私の順番だ。とても長い間待ったかいがあった。 「さくらさん、もしかしてまだ風邪なおってないのかな?」 一週間ぶりのシバタセンセイの白衣姿。 『センセイやっと会えた−。』 会いたかった−。 昨日、寒さを我慢して裸で寝た時のむなしさを思い出したと同時に 我慢していたセキと涙があふれてきた。
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