第24回1000字小説バトル
Entry12
はじめまして!シュウっていいます。かおりチャンのメル友募集 の文を読んでああ、俺なら気が合うかも!って思って返信してみま した!俺ってまだメールとかするのまだそんなに経ってないから顔 文字とか出来なくて・・・でもその代わり言葉で勝負!ってスタン スだから長く楽しくできると思うよ!えっとプロフ書くね!17歳。 んでもって176cmの56kgでスタイルはイイかもしれないね。 顔は悪くないと思うよ〜。仲良くなったらいろんなトコで遊びたい と思ってます。恋バナやマジメな話もできるからよろしく〜” 書き終わって送信する前に読み返すと秀人は自分がいつも同じよう な返信メールばかり書いている事に気付く。 不思議な気分になる。嫌な気分だ。送信するのをやめて急いでパソ コンを閉じる。問題なく閉じりきるのを確認すると携帯電話を掴み、 ベッドに倒れた。 15時25分……時間を確認すると携帯電話を枕下に置き、仰向け になって天井をぼーっと見る。 今考えると送信しなかった理由を言葉にするのは容易だった。こん なのコミュニュケーションじゃない……秀人は心からそう思った。 寝転がる姿勢を変える。数冊の漫画に埋もれて少しホコリをかぶっ た井上○水のアルバムをが目に入り、取り出す。ところが中に入っ ているCDは別のCDだ。気を取り直して探しようやく見つける。 コンポに雑な手つきで挿入し、連続再生、プログラム、少○時代が 入っているトラック6、再生を順に押す。 部屋に音楽が流れだすと秀人は立ち上がり窓から外界を見る。縄跳 びで遊ぶ子供たちを見ながらもう一度考えた。 いつから人と繋がっていたいと思うようになったのだろう……。 いつから人間関係に目的を持つようになったのだろう……。 いつから見栄を考えるようになったのだろう……。 いつから周りを気にするようになったのだろう……。 昔はこんな事、一瞬たりとも考えなかったのに……。 昔はインターネットなんて無かったのに……。 昔はお金が無くてもいろんな遊びができたのに……。 昔は時の流れが遅く感じたのに……。 ……時間?……そういえば……子供には過去が無い……だから今と いう時間に対して経験というレンズで曇らせることなく……ありの ままを感じることができるんだろうな……。 なら僕は子供でありたい……でもそれでは食っていけない……どう すればいいんだ……うまく……切り替えができればいいのだろか? ……子供でありたいというけど……過去を捨てるという事なのか? ……そんなの無理だな……何かを積み重ねる生き方なら後悔はしな いかな……なんか……悩んでる分……開き直ってるヤツより損して そうだな……そうだ…この悩みを募集文に書いて……メル友と相談 してみよう……フフ……。 登録して一週間経っても返信は無い。 ……うおお……どう……なってるんだ……この世は……
![]()
◆QBOOKSに掲載の記事・写真・作品・画像等の無断転載を禁止します。
◆作品の著作権は各作者に帰属します。掲載記事に関する編集編纂はQBOOKSのQ書房が優先します。
◆リンク類は編集上予告なくはずす場合がありますのでご了承ください。
◆スタッフ/マニエリストQ・3104・蛮人S・吾心・厚篠孝介・三月・羽那沖権八・北村曉