第24回1000字小説バトル
Entry24
別れたつもりだった人から手紙が来た。 手紙は開けないでゴミ箱に捨てた。 新しい彼氏もいるし。 女は残酷、男は馬鹿。 2週間後、また手紙が来た。差出人は書いてないけど筆跡で誰かく らいわかる。 「長瀬理名様」まっすぐ書けない人だった。いつも右に片寄ってい た。癖のある文字。 いつも「理名」だけがきれいに書かれていた。 「電話してくればいいのに」 私が電話を取らないことくらい彼は知ってる。 その手紙もゴミ箱に捨てようとしたけど、開けてみた。手紙が2枚 入っていた。 やっぱり捨てた。 「未練残すくらいなら別れなきゃよかったじゃない」 なんとなく独りで言ってみた。私から離れていったのに。 1週間後、また手紙が来た。封筒の裏に「これで最後」と書かれて いた。 最初なんてなかった。突然手紙が来て。突然これで最後なんて。 カッコばっかりつけて、何も捨てられない人だった。 封筒を開けた。丁寧に。もしも手紙がこの封筒いっぱいに入ってた ら手紙が破れるから。 そんなこと心配する必要なんてないのに。 男は残酷、女は馬鹿。 中には小さくたたまれた手紙が1枚入っている。 歌が流れているような気がした。 それから手紙は来なくなった。彼からの手紙も読まないままに。
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