第24回1000字小説バトル
Entry7
いつもと変わらない一日、のはずだった。 いつもど−り七時半に起きて、八時ちょっと過ぎたぐらいに家を 出て、ふつ―ど―りに仕事して、五時過ぎには帰路についた。そ してまた、誰もいないアパ−トに帰って… アパ−トのドアを開けたら僕の部屋に、牛がいた。 なぜ? もう一度ドアを閉めて、深呼吸し、表札を見る。 やっぱり僕の部屋だ。 「疲れてるのかなぁ…」 目をこすり、頬をピシャッと叩いて気合を入れ、もう一度ゆっく りとドアを開けてみる。 …いる。 しかも、ビ−ル飲んでやがる。 「このごろ働き詰だったから、疲れがたまってるんだな、きっと」 そういうことにしといて、とりあえず部屋に入って牛の前に座っ てみた。 『ンモ〜ォ』 牛、ひと鳴き…。 『おかえり』 って感じだな、こりゃ。 たしかに僕はさびしかったよ。東京に来て3年、仕事ばっかで彼 女なんか作る暇なかったし、 一人暮しもさびしいかな〜、なんて 思って、ペットでも買お―かな―、なんて考えたこともあったよ。 でも、なあんでかな 牛。 っていうか、どこからきたの?どうやって入ってきたの?もう、 つっこむとこあり過ぎって感じ。 な―んて考えてたら、いつのまにか目の前にビ−ルとグラスがお かれてた。 とりあえずグラスもったら、ちゃんとついでくれるし… もう、ど―でもいいって思ったね。 それで、 「ついでになんかつまめるもん、作ってよ」 って言ったら、牛のやつ、なんとも手際よくあるもので作っちゃ ったわけ。 しかも、これがまたなかなかおいしいんだな。 ま、いまんとこ害があるわけでもないし、僕もさびしかったわけ だから… そんな感じで、今、僕、牛と同棲してるんだな。
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