無駄な時間
かわのプーさん
6月の終わり、夜中の3時をちょっと過ぎた頃だと思う。
僕はどうしようもなく喉が乾き目が覚めてしまった。
冷蔵庫にあるウーロン茶を飲みすぐにまたベットに入るつもりだった。
そう、あいつに会うまでは……
冷蔵庫のあるキッチンいやキッチンと言うより台所と言った方がピンとくると思う。そこまでの道のりは自分の部屋を出て幅1M弱の廊下を5Mくらいまっすぐ行った所だ。
明かりは一切ないが問題なく冷蔵庫まで辿り着ける。
冷蔵庫を開けるとその明かりでぼんやりと回りが明るくなった。
その時だ!!
僕の右斜め上の壁際になにやら黒いものが「サササッ」
僕はまさかと思い慌てて電気を点けた。
そして恐る恐るその場所に目をやった。
「なんだ、気のせいか」
そして冷蔵庫の中のウーロン茶に手を伸ばしたその瞬間!!
もの凄い殺気を感じ取った。そしてさっきの場所に慌てて目をやった。
「いた」
ヤツはすでに戦闘態勢に入っていた。
「しまった、やられる」
僕もすかさず近くにあったバスタオルを手に取った。
しかしバスタオルなどこの場合はなんの役にも立たない。
ヤツは触覚を四方八方縦横無尽に動かし僕を威嚇した。
「やばい」
慌てて何か他に武器になる物はないか必死に辺りを見渡した。
「何もない」
そこから睨み合いが30分くらい続いた頃、
しびれを切らし先に行動に出たのは僕の方だった。
「そうだ、自分の部屋にある雑誌を持って来よう」
もうすでに僕は眠気はすっかり消えていて頭も働き始めていた。
そう思い自分の部屋に帰る為台所から廊下に向かおうとした、その時だっ!!
台所から廊下にはいる入り口にヤツが立ちふさがった。
「まさか、そんなはずはない」
慌ててさっきの場所を見た、
「なんだ、まだ同じ所にいるじゃないか」
安心したのは一瞬だった。
今僕の行く手に立ちはだかっているヤツも確かに存在する。
そう、僕は囲まれていたのだ。
「しまった」
これで僕は完全に身動きがとれなくなった。
僕にはもう、どうする事もできない。
あとはヤツ等次第という訳だ。
どれくらいの時が過ぎたのだろう、ついに後から現れたヤツが僕との間合いを詰め始めた。
「もうだめだ〜」
と思った瞬間、廊下の奥からなにやら音がした。
「ん、もしかして」
ついに僕にも援軍が来たのだ。
僕は縋るような声で
「か〜ちゃん、デカイ○○○○が二匹もいるんだよ〜」
本当にアッと言う間だった。
そして僕がウーロン茶を飲んだ頃には外はすっかり初夏の太陽が照り付けていた。
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