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女神様のため息 よしよし 真昼の公園で朝子は弁当を広げていた。季節は夏。木陰とはいえ気温は30℃を超えている。本人が暑さでボーっとしているスキにお弁当箱を拝見させてもらおう。 まずゴハン。 次にフリカケ。 以上。 んー、シンプル。 ダイエット中かって?いえいえ、ただ単に育ち盛りの子供が3人夫はリストラでって、つまり貧乏してるの。今どき珍しくないね。 で、朝子はパートに出てるんだけど、この弁当じゃ恥ずかしくてみんなと一緒に食べられないでしょ。それで昼はいつもここなの。 と、それはいいとして、私は誰かって? そうね一言で言えば「幸運の女神様」かな。この貧乏人朝子は今10万人に1人って幸運(私)が憑いてるの。宝くじなら大当たり株でも先物でもガンガン儲かる手はずなんだから。 しかしそんな事とは知らない朝子は、早々に帰り支度を始めた。それを見て、サッサとノルマをこなしたい女神様も動く。どうやら公園の出口で売っている宝くじを買わせるつもりらしい。女神様はさり気なく「三億円」の文字がなびく旗を倒して足止攻撃に出る。けど、朝子は足をもつれさせるだけ。おまけに勢い余って、アッと思った時には車道に転がり出ちゃった。目前にダンプが迫ってる。 こういう時、人は一生が走馬灯のようにと言うけど、朝子の場合脳裏を掠めたのは生命保険のことだった。悲しすぎ。 「これで家族が」 と、覚悟を決めたけど、その時はなかなか来なかった。何故って?それはトラックが朝子の手前で悠々と止まるれたからよ。 結局のとこ朝子は保険金を手に入れ損ねちゃったの。でもこの時閃いたのね。別に保険金目当ての偽装事故じゃないわよ。 ズバリ!「絶対止まる車」。どんなにスピードを出しても絶対に効く、夢のようなブレーキよ。 何せ勤め先は自動車の製造工場だから話はとんとん拍子。一年後には朝子の発案で「非常ブレーキ」なるものが完成したわ。 仕組は簡単。ブレーキの時にエンジンを逆回転させて、タイヤも逆回転することで止まるの。ただ難点は凄いブレーキ過ぎて運転手や同乗者にとても負担がかかる事。お陰で車内にはジェットコースターさながらの安全バーが取りつけられたんだけど、以外とこれがおおウケで後に自動車の標準装備となったほどなの。 と、ここまで話したら後はどうなったかは想像がつくかしらね?今回は女神様の出番なし。人間くらいよ、勝手に幸せになっちゃうのなんて。ホント困っちゃう。 |
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Website : 「ねこ」と「うま」 文字数 : 998 |