第54回1000字バトル結果

おめでとうございます!
今月のチャンピオン作品は、犬宮シキさん作の「蔦絡むアパートの猫」です。


エントリ作品作者得票
 
10蔦絡むアパートの猫犬宮シキ4
18正月が来た蛮人S3
3素晴らしい日々有機機械2
8一人の娘の父として夢追い人2
15両腕を左右に伸ばし腰を捻ろ。アナトー・シキソ2
20梗概ライター カピバラ2
2桃太郎小笠原寿夫1
6りんごのうたるるるぶ☆どっぐちゃん1
9撲滅ごんぱち1
11ほんとすみませんハンマーパーティー1
14丘は花盛り土筆1
17おばあちゃんの手、あったかい日向さち1



感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
万一、掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願い申し上げます。



推薦作品と感想
蔦絡むアパートの猫  犬宮シキさん
 
感想:かなり悩んだのですが、犬宮さんの「蔦絡む〜」の方に投票します。気まぐれな猫の目が映すビジョンが、とっても鮮明に浮かびました。
アナトーさんの「両腕を〜」と最後の最後まで悩みぬきましたが、何度も読み返した結果、「蔦絡む〜」の、最後の一文が絶妙に決まっているので、こちらで。
票者:QBOOKS登録作者


感想:犬宮なのに猫の話なのですね……は置いといて。
こういうの、けっこう好みです。ただ字数的には厳しいですねぇ……もっと長編でじっくり読みたい感じです。
あとは「正月が来た」もかなり良かったです。
票者:QBOOKS登録作者


感想:46回の「人間の尊厳」なんかが印象に残ってる作者で、あれはあれで面白かったんだけど、今回のは全く違ったタイプで、全く違った意味で面白い。
いくつものエピソードを描いているのに1000字の作品としては濃いし、それぞれの人生の断片が個性を伴って現実的に描かれていた。展開や感情の波ではなく、ありふれた日常を淡々と見つめる姿勢に好感が持てる。
1つ言うなら、どこまで人間の文化に詳しいか、という点が気になった。「黒い大きな楽器」という表現で、ある程度疎いことが分かるが、セーラー服と年齢の関係を知っているあたり、やけに詳しい。オスだから?
でも、やっぱ上手い。

次点はごんぱちさん、蛮人Sさん。
時事ネタを持ってくるあたり成功していると思うが、2つとも決め手に欠けた。ネタで勝負しようとしても、過去において似たようなものがたくさん作られてきているから、プラスアルファでどれだけ惹きつけるかがポイントになってくると思う。
蛮人さんの「どちらも知らない人は各自調べよ」っていうのは面白かった。
展開の面白さでは、ごんぱちさん。
アナトーさんのも面白かったけれど、1つの作品として考えたときに、中途半端な印象が強い。「捻ろ」じゃなくて「捻れ」だと思うし。
(日向さち)
票者:QBOOKS登録作者


感想:これは多分、住人とか近所の人を語り手にしても難しいんでしょう。人の営みを、猫というクールとウェットを兼ね備えた生き物から淡々と語らせることで、古アパートというひとつの空間の終末を静かに浮き上がらせていると感じました。ええ、静かなんです。決して閑静なアパートとも思えないんですが、終末というものは無音なんです。
票者:QBOOKS登録作者


正月が来た  蛮人Sさん
 
感想: 正月仮面だ!
 正月ビームだ!
 カレンダー工場に忍び込んで、全部の日に元旦の赤丸を付ける、正月仮面だ!
 正月チョップはパンチ力。
 正月キックは破壊力。
 正月イヤーなの二日酔い。
 正月レバーは肝硬変。

 というよーなのが、既存の漫画にあったけれど、文章にする事で一層アホらしい。類似という枠に収まらない。

 むしろこれは、ナマハゲに近いか。
「元旦に仕事をしている悪いコはいねが!」

 こういう改良人間が出没してくれると、日本はもっと国際競争力が落ちて、のどかな後進国になれるのにねぇ。
 いいんだよ、百年に一度の日照りにも対応出来るダムなんて作らなくても。
 「もしも夜中に突然いなり寿司が食べたくなったら」とか、心配して深夜営業しなくても。
票者:QBOOKS登録作者


感想:最終選考に残ったのは13、18。
迷いに迷い、怪力であるというトリビアを教えてくれた蛮人さんへ一票。
票者:QBOOKS登録作者


感想:気にいった作品は、以下の6点です。
『一人の娘の父として』父親の娘を思う気持ちが短い中に溢れていて、好感が持てた。
『蔦絡むアパートの猫』猫の目から見た社会風刺が面白い。
『栞』新手のタイムトラベル物。発想が面白い。
『正月が来た』生真面目にボケているところが素敵である。
『月と竜胆』設定が不明瞭な部分があるが、それが却って雰囲気を出していて面白い。
『桔梗ライター』話の着目点というか題材が面白い。
で、結局どうするか悩んだ末に、ストーリーの展開としてのユニークさはあまり感じられなかったけれども、仕事ばかりが忙しいと感じるこの頃なので、この方にしました。

票者:QBOOKS登録作者


素晴らしい日々  有機機械さん
 
感想:昨日づけを持って契約満了で仕事がなくなりまた無職になった。帰りに工業団地から国道への山道をドライブしてなんの目的のために作られているのか分からない巨大な駐車場に車を止めた。缶コーヒーを飲みながら、いつもは大渋滞の時のためにコンソールボックスに置いてある文庫本を読んだ。煙草を吸ったり雪山を眺めたりした。ちらほら小雪が降ってきた。家に帰って今月の投稿作品20本読みはじめた。この作品を読んだとき眩暈がした。数週間前に寝坊して出がけにバンパーを擦ってもいたのだ。字数が足りないが、そんなことはどうでもいい、奇跡的な出会いだと思いながら読んだ。というわけで今月はこれに投票します。
票者:QBOOKS登録作者


感想:小説の形を取っていますが、まるで詩を読んでいるような感じを覚えました。
情緒的で、それでいて、人生の気楽さを感じる良い作品だと思います。
生意気なこと書いてごめんなさい。
票者:QBOOKS登録作者


一人の娘の父として  夢追い人さん
 
感想: 次点は蛮人Sさんの「正月が来た」
 ハチャメチャぶりは蛮人Sさんの勝ちだったが、夢追い人さんの哀感と将来性に一票を投じます。
 それにしても情け無い親父じゃ。

票者:QBOOKS登録作者


感想:よい内容とよい文章だったと思います。
迷った作品が幾つかありましたが、今回はこの作品を
推したいと思います。

票者:QBOOKS登録作者


両腕を左右に伸ばし腰を捻ろ。  アナトー・シキソさん
 
感想:僕の大好きな村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を思い出しました。
なんか意味不明なところがありますけれどもハードボイルドな感じが好きです。
票者:QBOOKS登録作者


感想:蛮人さんの「正月が来た」も面白かったし、越冬さんの「栞」も、良かったと思う。有機機械さんと犬神シキさんの文章も、心に残っている。
それでも、やっぱり、嘘だらけそうなのに、現実っぽいアナトーさんの作品が好きなので、アナトーさんに票を投じます。
票者:QBOOKS登録作者


梗概ライター   カピバラさん
 
感想:最後ににやり笑いを。
このような話はキュウならでは、千字ならでは、だとおもう。

梗概ってほんとどうかいたらいいか分かんないんですけど。

票者:QBOOKS登録作者


感想:幾度となく悩んできたことだが1000字においては何を基準に選べばよいのだろう? 上手いとか、下手とか言ったら(言えるほど文学分かってないけど)みんな上手いし、面白い。特に今回は粒ぞろいである。で、結局好きなのを選ぶことになる。でもどれも好きである。で、今回何故にこれかと言うと、単純に昔似たようなバイトをしていたことがあるからである。東○創元社という海外物のミステリー小説などの文庫を出している会社なのだが、どれを翻訳して出したら売れるかいちいち編集者が読んでられないので、学生アルバイトに読ませてあらすじを書かせるのである。このバイトの利点は授業中とかにやってても、特に英文か学生なんかの場合は、勉強しているようにしか見えない点である。まだあるかどうか知らないけど、英語を勉強したくて、かつ本好きにはたまらないバイトなので、そういう学生さんにはお勧めである。ちなみにこの作品の主人公は明るい性格で良かったが、同じバイトをしていた仲間でつまんない本を引き当てると安い居酒屋でいつも愚痴るやつがいて困ったものである。
票者:QBOOKS登録作者


桃太郎  小笠原寿夫さん
 
感想:アイディアはいい。ただし作者付記が余計。自分の作品を説明するほど情けないことはないです。自信をもって下さい。わかりやすかったし、大変楽しめました。
票者:QBOOKS登録作者



撲滅  ごんぱちさん
 
感想:あーよかった。
ちょうどつぼにはまった感じ。
票者:QBOOKS登録作者



ほんとにすみません  ハンマーパーティーさん
 
感想:注目したのは「ほんとにすみません」ハンマーパーティーさん、「伸ちゃんのヰタセクスアリス」太郎丸さん、「おばあちゃんの手、あったかい」日向さちさん、「正月が来た」蛮人Sさんの四篇です。この中から、「ほんとうにすみません」の寓意の重さに一票。
票者:QBOOKS登録作者



りんごのうた  るるるぶ☆どっぐちゃん さん
 
感想:私は季節感をとても大事にしているので、
1月のバトルにクリスマスの話を出されたら、
もうその時点で投票候補からははずしてしまうのです。
いつもならば。

がしかし、今回はこの作品以外に、
投票したいと思える作品がありませんでした。
自作も含めて、どうももう一歩、
作品を楽しめなかったような気がします。

これは、作品の質が云々というよりは、
読み手である私の余裕がないことに起因するものだと思われます。

この作品は、余裕がなくてもすんなり読めて、
ビジュアルが頭に浮かぶところがいいです。
それと、二人とも交換日記を書いていないとこ。
白紙の日記をお互いみせて
「あー何にもやってないんだねー」
と確認しあうあたりが、たいへんツボにはまりました。
(カピバラ)


票者:QBOOKS登録作者


丘は花盛り  土筆さん
 
感想: 1000字小説は、超短編小説である。まちがいない。バトル会場のトップにも、そう書いてある。超短編小説ですョ、というところで、20作品のうち、半分はごっそりと抜け落ちる。どこぞの文芸鍛錬サイトではないのだから、1000字で書ける描写をやってくださいな、では、決してないと思うのだ。実際のところはよくわからないけど、でも、執筆者諸氏に問うてみたい。
 小説って、何よ?
 ……などというプンスカモードとは別に、面白い作品は、面白かった。
 ごんぱちさん「撲滅」は、久しぶりに、話のつくりからオチまで、序破急スパンと決まって、久々のヒット。ただ、好みの問題として、エキサイトするアナウンサーだとか軍事評論家だとか、あまりにも記号過ぎて、かえっていやらしい感じ。悪い意味で。
 小笠原寿夫さん「桃太郎」は、1000字ではいる情報なんてそんなものよ、ということを心得ていて、単純に笑わせていただいた。詩のほうもかなり好みでもあり、これからも楽しみに拝見したい。この妙な生活臭が、なんとも可笑しい。
 土筆さん「丘は花盛り」。わたしゃこの人のセンスが大好きでなぁー、ずーッと次点、次点、出来てしまった。いいよね、学生時代に馬に噛まれ、その男の馬を見る視点も、なんだかわからないが興奮している馬も、いや、この脱力というか、ほのぼの感というか。で、このテンションでアクションが出来てしまうから、たまらない。いや、とにかくツボにはまってしまって、もう。
 ずっと次点でしたし、ここは土筆さんに一票。次点は、他、挙げた二名。
票者:QBOOKS登録作者



おばあちゃんの手、あったかい  日向さちさん
 
感想:11「ほんとすみません」ハンマーパーティー
つべこべ言わせない迫力があるなあ。すっかり取り乱した全然知らない人間が、夜9時頃に突然ウチにやって来たみたいなさあ。真剣に、この主人公に何があったんだ?って思うもんなあ。

13「栞」越冬こあら
この栞はきっと、ユウコが、マサトを救うことには役に立たないんじゃないかって思えるところが、なんか切ないなあ。そこがいいんだけど。

16「伸ちゃんのヰタセクスアリス−5−(姫はじめ)」太郎丸
おお、説得力があるなあ。こういう一億の一億倍くらいの回数取り上げられて来たモチーフをどうにかしようとすると、どうしても「ありきたり感」みたいなものが気になって、自分なりのナニカをはめ込んでみたりして、かえって、しらけるものになったりするんだけど、そういうこと一切してないもんなあ。身も蓋もないからこその説得力だなあ。

17「おばあちゃんの手、あったかい」日向さち
〈あたし〉の語り口は少しも保育園児じゃないけど、おばあちゃんがいいから許す。いいなあ、この話。「なんでかねぇ。年寄りだからかねぇ」「ふうん、年寄りってすごいねぇ」の辺りが特に気に入った。

18「正月が来た」蛮人S
最後の部分はいらねえ。蛇足とはまさにこのことかって思った。最後の部分を無視すれば、今回の投稿作品の中では圧倒的に面白かった。ヤリッパナシにしちゃえばよかったのに。

俺、「となりのトトロ」に出てくるばあさんが大好きなんで、今回は、日向さちさんの「おばあちゃんの手、あったかい」でお願いします。

票者:QBOOKS登録作者





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