第57回1000字バトル結果

おめでとうございます!

今月は数々の好作品の中から、太郎丸さんの作品『毛玉』が
チャンピオンに選ばれました。おめでとうございます!


エントリ作品作者得票
 
19毛玉太郎丸4
13喚ぶなら今ごんぱち3
4我慢できなかったんだよう満峰2
9荷車越冬こあら2
10春風、それも歌かるるるぶ☆どっぐちゃん2
21桜色の扉さとう啓介2
25『いろはにほへと』橘内潤2
2親の身勝手君島恒星 1
5丸いやつ日向さち1
6ゴーストライダーハンマーパーティー1
7スーパーおばけリゾットスナ2号 1
18右手で左踵を持ち上げろ。アナトー・シキソ1
22トランスファー犬宮シキ1
24真空ストランズ伊勢 湊1


感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……
掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。



推薦作品と感想

毛玉  太郎丸さん
 
感想: オチが決まっているとかではないけれど、たまにはこういうのも良し。
 しかしこの妖怪、ケサランパサランの親玉か何かだろうか。
 それとも、頭髪の亡霊とか。
票者:QBOOKS登録作者



感想:やさしい視線が、よかったです。
あ、それと、最後の1行はなくてもよかった、と思います。
票者:QBOOKS登録作者



感想:何度読み返してもワクワク面白くて、可愛らしくて、イメージが広がる。
今回のバトルは、これで決まりでしょう。
票者:QBOOKS登録作者


感想:あったかくて、少し寂しげで、良かったです。
年を取る=幼年期に戻る、死ぬ=誕生、というのをどこかで聞いたのですが、思い出しました。
ちょっとおおげさすぎかも…。でも、良かったです。
票者:QBOOKS登録作者


喚ぶなら今  ごんぱちさん
 
感想:「喚ぶなら今」
アイデアとオチに感心しました。地獄のバーという設定にも新しさを感じました。今回、一番刺激を受けたのでこれにします。
「桜色の伝説」
おもしろい展開だと思いました。
「荷車」感想掲示板でもありましたが、私も最後の一行はいらないと思いました。ないほうがもっと余韻が残ったと思いますがどうでしょうか。でも深みのあるいい話でした。
票者:QBOOKS登録作者



感想:なんだか今回はファンタジー色が強いというか、不思議な作品が多かったけど、今回気にいったのは、
「ウサギとブタとシャツ」夢追い人
「真夜中の文句配達・出所」鈴矢大門
「喚ぶなら今」ごんぱち
「トランスファー」犬宮シキ
の4点でした。
で考えた末に、少しおどけて意外な展開のごんぱち校長にします。

票者:QBOOKS登録作者



感想:設定の変なかっこよさとか、こまかいとこが好みだった。
見返り無しで幸せにして貰いたいっす。
票者:QBOOKS登録作者



我慢できなかったんだよう  満峰さん
 
感想:単純に面白かった! ので一票を入れます。

5と7も気になりました。
13は子供の頃によく読んでいた星新一を思い出して懐かしくなった。
票者:純粋読者



感想:いい!! このさっぱり感、「グゥ」っとうなるほどのやりきり無い感覚に魅了されて・・・、面白かったです。
票者:QBOOKS登録作者



荷車   越冬こあら さん
 
感想:今回は文句なしに決まり。
叙情たっぷりの、良質な絵が目の前に浮かびます。現実的にはありえないことですが、人の半生と重ね合わせて見ることで重みが増します。
ただ、「見知らぬ若者が二人とも死んでいると思ったのか、荷車を勝手に引いていってしまったが、私はそれを静止する事も声をかけることさえしなかった」の部分は他の文章に置き換えたほうがもっといいと思った。あくまでも男と妻の枠の中での話しとして読み終わりたい気がした。見知らぬ若者は若き日の自分だったということも考えられるわけですが……。

票者:QBOOKS登録作者



感想:もう今回は素直にこの作品です。
票者:QBOOKS登録作者



春風、それも歌か  るるるぶ☆どっぐちゃんさん
 
感想: 今回は全体的に重い素材が目立った。拙作もどちらかというと重いほうだったかもしれない。でも、ここまで同時に重げな作品が出てくると、あ、春だからかな、と思う。特に根拠はない。
 でも、半分程度の作品になにがしかの読みごたえを感じたのである。だとすれば、同じ読むのでも華のある作品がいいなぁ、と。(そうでもしなくては、選べないのである。優柔不断にもなろう)で、作品の重い軽いにかかわらず特に華を感じた作品がごんぱちさん、どっくちゃん、夢追い人さん、スナ2号さん、蛮人Sさん。ああ、それでも5人か。5人。 サイコロ?
 いや、これだけ読み応えがあってサイコロも申し訳ない。では、後ろ向きな否定意見をもうちっと加味して……うぅむ、よし。どっくちゃん。この人の華に今回は決めた。すでに春のキラキラを通り越して、ゴージャスでさえあることだよ。次点は「死ぬなら今」には及ばないもののうまいことまとめたごんぱちさん、そして思わずどっくちゃんと比較して読んでしまった蛮人Sさん。今回、なんだか軽くておしゃれで、かなりええ感じじゃったんですが。比較してよりきってどっくちゃんの勝ち、ちゅことで。(M)
票者:QBOOKS登録作者



感想:時間がない!

「丸いやつ」日向さち
「ウォークドントラン」檸檬
「荷車」越冬こあら
「春風、それも歌か」るるるぶ☆どっぐちゃん
「毛玉」太郎丸
「春が来た」蛮人S
「真空ストランズ」伊勢 湊

言葉(文字)による表現では、筋立てとか、思わず膝を打つような結末とか、深い人生訓とか、そういうものはもちろん大切だけど、俺としては、言葉にというものによって喚起される「イメージの鮮烈さ」が何よりも大事だ。他のことは、他のメディア(演劇、マンガ、映画などなど)でも、現実に生きる生活の中のあれこれでも、体験することが出来る。要するに、文学じゃなくてもいいんだ。けど、あるセンテンスに触れて、そこから一瞬にして広がるイメージを体験するあの感覚は、文学にしかない。
言葉というモノは、表現したいものをそのまま言えばいいとは限らないところが面白い。最近の映画やマンガのように「精密を極めることがよりリアル感を増す」とはならない点が面白い。何なんだろう? 文章のリズムとか、間とか、あるいは沈黙とか、そういうものが、文学にとって、実は饒舌よりもずっと大事なんだろうとおもう。表現された言葉の「意味」を追いかけて、追い付けそうで、追い付けない。けど、本当は追い付けたのか? いや、どうだろう? と思える感覚がとても好きだ。だから、今回もやっぱり、るるるぶ☆どっぐちゃんさん(「春風、それも歌か」)かな。

(アナトー)
票者:QBOOKS登録作者



桜色の扉  さとう啓介さん
 
感想:桜色の扉  さとう啓介さん

要は、扉を開いておばあさんを招き入れるところ。もう一つの扉は、文字通り先生一年生ですが、この初々しさが桜の季節とあいまって、おばあさんへの優しさへと投影していて、見事です。

次席二作品
ながしろばんりさん「きみしかいない」
カオスを描かせればこの作者の右に出る者はないと思っていますが、この作品ではギクシャクとしてそれが十全に発揮されているとは言えません。

蛮人Sさん「春が来た」
これまで引っかかっていた末尾も自然で、洗練された粋な作品です。
キズ「?」が取れると欲が出て、「彼女」は生身の人間として登場して貰いたくなりました。

他に「荷車」荷車を引くという人生の寓意がいささか「公式」になってしまっているように見えます。同じこあら作の「かっぱ君」には、「沼中に気配が満ちて、黒い水面に無数の瞳が光った。」というような、独特のカッパの属性があって、引き込まれるのですが。

「丸いやつ」これだけの筆力がありながら、主題の選択を誤ると、不幸な結果になります。



票者:QBOOKS登録作者



感想:くさ過ぎる。世界が美しすぎて嘘っぽい。でももちろん小説なのだから本当である必要は少しもない。リアリティーは本当はいつだって体内(うちがわ)にあるのである。

それでも文章力だけなら、すごく失礼だけど、この作者さんより上手な人はたくさんいる。今回の1000字の作品群にしても然りである。でも正直言って記憶に残らない。それになんの発見も目新しさもない。上手いとか下手で切磋琢磨してもどこにもいけないだろう。そこでこの作品。僕はこれまで桜の香りに意識を置いたことはなかった。少なくとも、舞う桜を香りで捕らえようとしたことはなかった。来年は是非舞う桜の下で目を閉じてみよう。この作品はそういうふうに僕を動かしたので一票。
票者:QBOOKS登録作者


『いろはにほへと』  橘内潤さん
 
感想:この作者の言葉遊び、好きですね。行間の無限の世界を感じたいですね。
票者:純粋読者


感想:今回迷いました。
それぞれに良かったんですけど、個人的に日本語のリズムが好きでこの作品に一票。
あと感動しました。いろはに・・以外の50音の文。素敵。
迷った作品は以下・・

スキー場物語(故郷を思い出しました)
荷車(シュールだけどなんか温かくて好きです)
桜色の伝説(読みやすかったです)
藁の中のウサギ(可愛い♪)
記念樹(よかった!何気ない風景がよかった。平凡な幸せがいい)
桜色の扉(これも温か。長編小説の一部のようでした。)

今回も「死」が背景にある作品ありましたけど、文字数も少ないし
これをテーマにして読者に「やられたぁ」って言わせるのなかなか難しいですよね。
次回も素晴らしい作品が読めること、楽しみにしています♪
票者:純粋読者



親の身勝手      君島恒星 さん
 
感想:今月はレベルが高かったように思えました。
何作品かで迷いましたが、この作品を選びました。

物語の作り方、サブキャラの使い方が定番ながらも
効果的に思えました。
良かったです。

と同時に自分の作品の甘さを痛感しました。
票者:QBOOKS登録作者



丸いやつ  日向さちさん
 
感想: 読み終わった後に不思議な余韻が・・・。
ついつい読み返して、まだ不思議な感じがするけれども
自然に微笑んでしまうような作品です。
票者:QBOOKS登録作者



ゴーストライダー  ハンマーパーティーさん
 
感想:ハンマーパーティーさんの『ゴーストライダー』を推す。シンプルな構成の中で、春というものの空気が丁寧に表されている。和夫の思い出について饒舌に語らず、バイクと情景の描写に回しているのもよい。瑞樹が女性だろうことが中盤まで分からないのはどうかなとは思う。

票者:QBOOKS登録作者



スーパーおばけリゾット     スナ2号 さん
 
感想:可愛い愛の形が軽く書かれていて読みやすかった。
票者:QBOOKS登録作者



右手で左踵を持ち上げろ。  アナトー・シキソさん
 
感想:この方は今ひとつのとヒットが実に入り乱れるのですが、今回のは確実にホームランでした。次点はながしろさん。
票者:



トランスファー  犬宮シキさん
 
感想:なんだろ。有機質であるのに、ひどく無機質に感じる。
そんな勝手に覚えたギャップに惹かれて、一票。
票者:QBOOKS登録作者



真空ストランズ  伊勢 湊さん
 
感想:構成が上手いと思った。情報の入ってくる順番と量が丁度良かった。
それで内容も面白いし。

票者:QBOOKS登録作者