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1000字小説バトル

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1000字小説バトル
第63回バトル結果

おめでとうございます

今月のチャンピオン作品は、ごんぱちさん作の『ミッシング・スクリュー』と決まりました。
ごんぱちさんは2度目のチャンピオンです。おめでとうございます。

投票結果
得票数 
1
温泉
小笠原寿夫
2
君島恒星
1
3
車窓
立花聡
4
(本作品は掲載を終了しました)
ウーティスさん
5
左右田紗葵
1
6
ごんぱち
6
7
白い網棚
早透 光
8
うちゃたん
1
9
不幸の宅配便
のぼりん
10
暫定1位
柳 戒人
11
朧冶こうじ
1
12
ウーティスさん
1
13
柄本俊
2
14
ハイタチの穴
ながしろばんり
15
お風呂
キッチンドランカー
16
いつもの本屋、ミステリィの棚の前
南那津
17
アナトー・シキソ
2
18
越冬こあら
2
19
泡の立つ
日向さち
20
伊勢 湊
1
21
ミイ君
るるるぶ☆どっぐちゃん
22
橘内 潤
1

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

推薦作品と感想

■Entry6
ミッシング・スクリュー
ごんぱちさん

感想:
シビレた。めちゃめちゃ好みの文章でした。
最後はしっかりいつものごんぱちさん風だったけど。
いつもの感じじゃないけど、こんな感じもいいなあと思いました。
投票者: その他のQBOOKS参加作者

感想:
何度考え直しても、これしか選べなかった。決め手はキャラクターの厚み。「『はい』は三回!」って言われてちゃんと3回答えてたりして、親しげな空気が感じらるのが良かったし、「多分」とか「何だか」とか曖昧な表現が多いところも、若い女性っぽくて良かったんじゃないかと思う。「姉」「おねーちゃん」という表記のばらつきは気になるけれど、この「姉」のキャラクターには、作品としても、主人公の心情としても、相当救われてるなと感じられた。
以下、次点3作品。
「車窓」どこか、もう少し掘り下げる部分があると更に良かったのでは。視覚などから得られる情報と心情の絡め方は巧いと思う。
「緑の地平線」前半の物語が、意外な形で後半に活きてくるのが良かった。その物語に文字数を使いすぎたかなとも思う。
「お風呂」風呂に浸かっているという設定があまり活かされていないし、後半、具体性が薄くなってしまっているけれど、「おじいちゃんは相変わらず腰が曲がっているだけだったけど、猫のミーは昼眠っている時間が長くなっていた」という部分はかなり気にいった。
(日向さち)
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
ネジが電気スタンドのネジだったというところで安心しました。
精神的ショックで頭から抜けたネジなんだろうなと勝手に思いこんで
読んでいたもので…。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
はいは三回、に一票。でもこういうのって、これ自体が話の本質まで迫ってこないと、たんなる一発芸に墜してしまうんですよね。難しい。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
好きな感じの文章で、こんな作品が自分でも書ければなんて思ってみても書けない。羨ましい。すーっと落ち込んだ気持ちがふわっと明るくなれそうな作品で良かったです。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
すべてが最高。作品世界に引き込まれました。
特に「『はい』は三回!」が気に入りました。
うーん、マイリマシタ。
投票者: このバトルへの参加作者

■Entry13
C60
柄本俊さん

感想:
「C60」
自分が失敗した後、周りに何事もなかったかのように振舞われたら悲しいですよね。こういう経験あります。
読み終えたあと、私の心も軽くなりました。作品全体の雰囲気がとても好きです。

「矢印」
怖かったです。近い将来の日本を示唆しているようで……。
文章が淡々としすぎてて、逆に戦慄を覚えました。

でも個人的に、「矢印」は袋叩きにされた大森さん一家と怯えるシェパードがあまりにも可哀相だったので「C60」に票を入れさせていただきます。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
単純な、それだけに貫通力を持った作品だった。
次点は、うちゃたんさんの、「僕の彼女」。
似た部分の大きい作品だと思う。切り取った段階の違いこそあれ、到達点は同じだろう。ただ、共感部分が今の自分には「C60」の方が大きい。痛さ、解放感がその分こちらに感じられた。
投票者: このバトルへの参加作者

■Entry17
では、これを噛まずに飲み込め。
アナトー・シキソさん

感想:
話の展開の雰囲気が良かったです。
サイレントコミックにできそうな話っぽかったです。
それに、どんな世界か分からない抽象的な世界観も良かったです。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
 今月の好きな作品は
9「不幸の宅配便」
13「C60」
14「ハイタチの穴」
17「では、これを噛まずに飲み込め。」
18「矢印」
19「泡の立つ」
21「ミイ君」
 でした。
 「ハイタチの穴」は楳図かずおの漫画で読みたい感じで、「矢印」はアメリカ人のイラストで読みたい感じで、「ミイ君」はどんどんにゃーが気に入って毎日一度は口ずさんでいます。
 迷いましたが、小学生の書く絵の輪郭のような、スタジオ収録感丸出しのような、深刻な状態なのに達観的余裕のある(僕)がどうなっちゃうのか気になるので「では、これを噛まずに飲み込め。」に投票します。
(ユキコモモ)
投票者: このバトルへの参加作者

■Entry18
矢印
越冬こあらさん

感想:
一番心にひっかかったこの作品に投票します。
なぜ、好きか。
…なぜでしょう。でも好きなのです。

ほかにも好きな作品がいっぱいありました。
5ハナノキミ:何というか、逃避しているときの心地よさがロマンティックに描けていたので。でも、現実社会では容赦なく落ちこぼれていくんですよね。
6ミッシング・スクリュー:びみょーな姉と妹の関係がうまく描けていたので。
8僕の彼女:ストレートだけど情熱が伝わってきて好感。爽やか情熱系。
19泡の立つ:焦燥感やプライドや、平静を装いながら負に傾いていく雰囲気が絶妙でした。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
1000字でこんなにわくわくさせられるなんて!次は?その次は?越冬こあらさんの面目躍如。落ちにもうちょっと捻りがほしかったところですが…。
投票者: 純粋読者

■Entry2
秘境の巫女
君島恒星さん

感想:
 これ一つでストーリ性を持っている気がしました。他の作品は、生活の一部を小説に表したような感じでしたが、この作品では、一つの物語として、十分おもしろみを持っていると感じました。
 本を読み終えるとき、どんな読者も満足感のようなものを得ると思います。ですが、短編とはその満足感を読者に比較的与えにくいものだと思うのです。その点、この作品には十分な満足感を私は感じました。
投票者: 純粋読者

■Entry5
ハナノキミ
左右田紗葵さん

感想:
 ピックアップ。
3  車窓    立花聡
 勝負は最後の<急に煙草がすいたくなった>に読者を連れて行けるかどうか、なのである。その割には描写が冗長。丁寧なのではない。冗長なのである。
4  緑の地平線    鳥野 新
 千字小説という意味ではこういうのも悪くない。最近見ないタイプの小説だ。
5  ハナノキミ    左右田紗葵
 ブログも頻繁に読んでいるけれども、この人の筆は魅力的だ。惚れそうになる。
8  僕の彼女    うちゃたん
 作者の視点が高い。周りを見下ろしているうちはまだまだ。
9  不幸の宅配便    のぼりん
 そこかよ! というツッコミを入れる。軽いテイストでなかなか好きだ。
12  孤独なバレリーナ    和香/13  C60    柄本俊
 もっと工夫がほしい。見せ場とか、意外性とか。それが「作り話」なのねん。

 今回はアレだな。別にツマンナイとかそういうのでは無いけれども、単純に「コレ!」と決められない不満がそれぞれに点々としているのだ。見せ方にもっと工夫があれば早透光さん「白い網棚」ごんぱちさん「ミッシング・スクリュー」を推してもいいのだけれども、まぁ、こういうときもあるよね、ということで左右田さんにラブコール。日常への切実さと見せ方のうまさには毎度舌を巻きます。この人とは実際お会いしてみたいわぁ。次点は早透光さん、ごんぱちさん。(M)
投票者: このバトルへの参加作者

■Entry8
僕の彼女
うちゃたんさん

感想:
6「ミッシング・スクリュー」ごんぱち
これはいい。かなりいい。けど、中頃の「仮名であれば」「漢字であれば」「梵字であれば」の「であれば」が、なんか、変にカタイ。ここだけ、主人公と作者が曖昧になってるような気がする。

8「僕の彼女」うちゃたん
最後の段落にくるまでは、ずっと、くだらないガキの戯言だけど、最後の段落で、ちょっと、考える。
ここがミソだ。最後の段落は、深読みすれば、どんどん深読みできて、ものすごい根源的なところにたどり着きそうな気もする。読み流すなら読み流せる。でも、むりやり固執してみると、この最後の文章はヤッカイだ。好きとか嫌いとかの本質を、ついうっかり見ちゃいそうになる。

9「不幸の宅配便」のぼりん
これは面白かった。よく出来た小咄だ。

14「ハイタチの穴」ながしろばんり
面白かった。いつもながら完成度も高い。語彙も豊富でいつも感心する。
ウドって、独活って書くのかあ。読めなかったよ。まあ、昔、八朔も読めなかったけど。
で、ハイタチってなんだ?

15「お風呂」キッチンドランカー
これもいいな。よく出来た「オンナモノ」。

18「矢印」越冬こあら
面白いなあ。この乾いた感じ。主人公がちょっと楽しげに、他の人に声をかけるのに、無視されるところとか、うまいよなあ。動きに無駄がない、そして失敗しない手品師みたいだ。

19「泡の立つ」日向さち
慌ただしく働いている最中に、好きな男のことをずっと考え見ている主人公の姿よく描けている。こういう、大勢の人間のいるばたばたした空間で、特定の誰か(ほれてる相手)にだけ意識が向かっている感じの、なんとなく心地いいじれったさみたいなものは、誰にでも経験があるはずだ。その感じがよく出てる。けど、最後の一文、文章がねじれてないか?

20「夜と闇との境界線に雨が降る」伊勢 湊
こういう切ない話書かせたら、Qでイチニを争うな。資質だ。

21「ミイ君」るるるぶ☆どっぐちゃん 1000
ミイ君、しゃべっとるやんけ!
無類の猫好きである俺としては、ぜひともこれに票を入れたい。


完成度から言えば、「ハイタチの穴」と「矢印」がダントツなんだけど。どうしようかなあ?
決めた。今回は、うちゃたんさんの「僕の彼女」で。作品全体の9割は、ガキのくだらねえ戯言なんだけど、最後の段落の、特に最後の一文で「あっ」と思ったから。この段落のせいで、それまでのくだらねえ戯言が、くだらないからこその価値を持つようになる。いや、たぶん、そんなに深くは考えずに書いたんだろうけど、意図せず、深いところをついたことを言っちゃってしまってる、そのラッキーパンチ的なモノに一票だ。まぐれ当たりだろうとなんだろうと、この作品に不意をつかれたのは間違いないから、今回はこれ。


(アナトー)
投票者: このバトルへの参加作者

■Entry11
お誘い
朧冶こうじさん

感想:
結末は予測できていたのだけど、このほのぼの感がたまらなくて一票。この読み終わった後にちょっと笑みが自然とこぼれる。幸せだね。
投票者: このバトルへの参加作者

■Entry12
ウーティスさん

感想:
言葉の美しさが際立った気がする。話自体は結構ありがちな話かもしれないが行間から流れる「香り」というのか、内容以上の美しさを感じました。
投票者: このバトルへの参加作者

■Entry20
夜と闇との境界線に雨が降る
伊勢 湊さん

感想:
いや、最後の文が好きだったんで、今回はそれできめさせて頂きました。
投票者: このバトルへの参加作者

■Entry22
『ワイヤロイド』
橘内 潤さん

感想:
機械を人間に置き換えると、現在の電話線などがコレに当たるんでしょうね。
はじめ読んだ時は、最後の一行に心を奪われましたが、読み返すと改めてよく出来ているなぁと、感心してしまいました。
投票者: このバトルへの参加作者