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1000字小説バトル

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1000字小説バトル
第68回バトル結果

おめでとうございます!

今月のチャンピオン作品は、 隠葉くぬぎさん『夕焼けサブウェイ』です。

投票結果
得票数 
1
宇宙の空気漏れ
のぼりん
2
漫才台本『春』
小笠原寿夫
3
冬の大三角
めだか
4
ながしろばんり
3
5
ウーティスさん
1
6
客待ち
榎生 東
7
ごんぱち
2
8
たかぼ
3
9
透明な蝶
早透 光
10
鬱宮時間
1
11
越冬こあら
1
12
当たり前
日向さち
13
secrets of the beehive II
アナトー・シキソ
14
隠葉くぬぎ
4
15
ソング
るるるぶ☆どっぐちゃん
16
『翡翠の歌』
橘内 潤
1

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

推薦作品と感想

■Entry14
夕焼けサブウェイ
隠葉くぬぎさん

感想:
 僕は男だから化粧に関してはよくわからないけど、主人公がする化粧の意味とか、地下鉄が地上に出たときに気付いた瞬間とかが好きになりました。
 最初と最後の一行がなかなか良かったと思います。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
ちょうど16作品だったので、トーナメント形式で読み比べてみました。

(トーナメント表は等幅フォント推奨です)

        ┌─01 「宇宙の空気漏れ」のぼりん
      ┌───02 「漫才台本『春』」小笠原寿夫
    ┌─┐ 
    │ │ ┌─03 「冬の大三角」めだか
    │ └───04 「嚏(くしゃみ)」ながしろばんり
  ┌─┘
  │ │ ┌───05 「不幸月」鳥野 新
  │ │ │ └─06 「客待ち」榎生 東
  │ └─┐
  │   └───07 「ぎけーき」ごんぱち
  │     └─08 「夜道」たかぼ
☆━┓
  ┃     ┌─09 「透明な蝶」早透 光
  ┃   ┌───10 「ミッドナイトフライト」鬱宮時間
  ┃ ┌─┐
  ┃ │ └───11 「母の恩返し」越冬こあら
  ┃ │   └─12 「当たり前」日向さち
  ┗━┓
    ┃   ┌─13 「secrets of the beehive II」アナトー・シキソ
    ┃ ┏━━━14 「夕焼けサブウェイ」隠葉くぬぎ
    ┗━┛
      └───15 「ソング」るるるぶ☆どっぐちゃん
        └─16 「『翡翠の歌』」橘内 潤


「嚏(くしゃみ)」は、野坂昭如を彷彿させる文体と軽妙なテンポが良いのだけど、
とどのつまりは野坂風、というか。マヌケな絵が思い浮かぶオチは楽しいです。

「夕焼けサブウェイ」の主人公、ああ壊れてますねと言うか壊れかかってますね、
というよりも壊れたくて「壊れた自分」へ向かおうとしているんじゃないだろうか
なんて感じですね。そういうこと、自分にもありました。懐かしい。(霜)
投票者: その他のQBOOKS参加作者

感想:
殺伐とした車内の情景、とっ散らかった化粧道具、鼻血、刺々しい文章。
その全ての中から、垣間見えてくる女心にゾクッと来てしまいました。
しかし、読まされてみると、化粧ってたいへんなんだなあ……と改めて思いました。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
「嚏(くしゃみ)」ながしろばんり
落語や、落語。語りのおもしろさ全開や。
さいごの「えー」が利いてる気がする。

「ぎけーき」ごんぱち
くだらねえ。くだらなくていいぜ。
で、ぎけーきってなんだ? 義兄記?

「透明な蝶」早透 光
これはいいだろう。これはいいぜ、たぶん。
胃がキューっとなるよなあ。

「母の恩返し」越冬こあら
ケーンって鳴くのは雉子だろう?
鶴もケーンなのか?

「夕焼けサブウェイ」隠葉くぬぎ
どこがいいのかってうまく説明できないけど、これはきっといいと思う。
電車内での化粧の様子を詳細に描写することで、主人公の「壊れてる」感が出せてる気がする。
文章の詰めが甘い気がして完成度は高いとは思わないけど、なんかいい。これはなんかいいよ。

「ソング」るるるぶ☆どっぐちゃん
飛ばした紙飛行機がなかなか落ちてこないってのがいい。空中で制止してる紙飛行機を想像した。
けど、そうは書いてないから、飛びつづけておちてこないだけなのか。
ふいっと飛ばした紙飛行機が空中で制止してる絵っていいなあ。

今回は、投稿数少ないよなあ。軽い内容のもの三作品が面白かったなあ。
けど、敢えて隠葉くぬぎさんの「夕焼けサブウェイ」を。「壊れてる」感です。
投票者: このバトルへの参加作者

■Entry4
嚏(くしゃみ)
ながしろばんりさん

感想:
落語のマクラを聴いているようで非常に気持ちよかったです。くしゃみひとつでここまで話を膨らませる作家さんの力量に嫉妬さえ覚えました。とにかく読んでいて気持ちよかったし、日常生活から非日常に向かう場面転換が絶妙にうまいと思いました。ながしろばんりさんの文章を読むのは初めてですが、うまい!の一言です。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
エントリ04  嚏(くしゃみ)  ながしろばんり さん
飄々としたバンカラな文体が魅力的。くしゃみから始まり臍の緒で終わるその全体を通して滑稽が貫かれる。

エントリ09  透明な蝶  早透 光 さん
孤独を感じている少女の気持ちが上手く表現されていると思う。

エントリ11  母の恩返し  越冬こあら さん
ご存じあの話のパロディなのだが【タンチョウ】や「簡易型機織り機」の解説がいい間合いで挿入され退屈しない。シキタリで恩返ししてしまい、型の如く去って行ってしまう可笑しさ。

エントリ13  secrets of the beehive II  アナトー・シキソ さん
余分な説明をせず、謎をそのまま残すことで物語の背景に深みが出るものだなと思う。

エントリ15  ソング  るるるぶ☆どっぐちゃん さん
「美しい、美しい、美しい」「美しい世界へ」あたしは彼に合わせて呟いた。「良いんじゃないかなこれ。なんだか」「なんだか?」「なんだか遺書みたいで良いよ」……この部分とても詩だった。とてもよかった。

(たかぼ拝)
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
 幽体離脱しているのに、わくわくしているおじさんがよかった。最後まで読み終えて、私も心の中で「えー。」って言っちゃいましたよ(笑)そういうことから、一番楽しめた作品ですので、ながしろさんに決めました。

 ほかに気に入ったのは、
3「冬の大三角」めだかさん   ……三人と先生の視点がおもしろかったです。
8「夜道」たかぼさん      ……全体的によかったのですが、私的に一部不自然さを感じてしまいました。そこがなかったら、投票したました。残念です。
11「母の恩返し」越冬こあらさん……題材が好きです。 1000字では物足りない!!もっと掘り下げて読みたいと思いました。

以上です。
投票者: その他のQBOOKS参加作者

■Entry8
夜道
たかぼさん

感想:
くぬぎさんの作品と最後まで迷った。どちらもざわざわとした作品だった。
サブウエイと自家用車。かなり迷った。たかぼさんの方が自分の目からは完成度が高いように見える。しかしそれは決め手にはならない。むしろ弱点にもなりうる。決め手は独自の「死のにおい」に惹かれたからとしか言いようが無い。
投票者: その他のQBOOKS参加作者

感想:
あまり感じのいい内容ではないが、話も上手く出来ていて、雰囲気も上手く作れているように思いました。ただなんと言うか、やはりいい気分の部類には入らない。悲しさとか、そう言ったものもあまり感じられないし。ただ本当に上手い話だなと感心しました。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
次点はsecrets of the beehive IIで。
どちらに入れるかかなり悩みましたが、よりドキドキさせてくれたたかぼさんに。
投票者: このバトルへの参加作者

■Entry7
ぎけーき
ごんぱちさん

感想:
エントリ01  宇宙の空気漏れ
 前半、楽しいし読みやすい。けど、落ちが落語的と言うか、オヤジギャグと言うか、小学生のする小話、と言うか…。

エントリ02  漫才台本『春』
 落語の次は漫才だね。でもこの漫才じゃあ笑えないね。もしかして、これは笑いに対するアンチテーゼ??

エントリ03  冬の大三角
 これ、なかなか好き。この作品をコントにしたほうが笑えるかもね。

エントリ04  嚏(くしゃみ)
 くしゃみと一緒に霊魂が抜けてしまった、という話だったのね。読み返してからわかった。独特の文体が良い感じ。

エントリ05  不幸月 
 未来の地球の姿、と言うヤツですね。ほのかにライトノベルな香り。悪くない、けれど、1000字じゃなく長く書いたほうが面白い、と思う。

エントリ06  客待ち
 おじさん小説なかほり。オヤジ小説と一線を引こうと努力している、キャバクラよりクラブを愛すると言ってみるおじさんが好む小説っぽい。結構好き。

エントリ07  ぎけーき    ごんぱち
今回の1000字って『テレビ番組』とか言う、隠れテーマがあったりするのでしょうか。。 紅白の裏版ナ感じ。プライドもとうとう空間的異種混同から時間にまで発展させた感じね。

エントリ08  夜道    たかぼ
瞬間的記憶喪失。疲れているとそんなことも起きるかもね、と思って読んでました。したら死後の世界の話だったみたいね。読みやすいし引き込まれる感じだったので、好き。

エントリ09  透明な蝶 
 かわいい。子どもの世界らしい雰囲気。いいなあ、これ、大好き。今回の中で二番目。

エントリ10  ミッドナイトフライト
 素敵。言葉・単語がいい。詩と小説のあいのこのような感じ。ただストーリー性には欠ける。まあ1000字だし、この分量ならでは。
エントリ11  母の恩返し    越冬こあら
 楽しい。いい。鶴の化身だからもっと古風で美しいしゃべり方でも、とも思ったけど。肝っ玉母さん的言葉遣い、とっても魅力だから、直されても嫌だな、とも思う。いやはや、まとまりません。

エントリ12  当たり前 
 実家暮らしの私にとって、身に染みるようなお話。年齢的に大人であるはずの私は、巣立てる能力もなく、ネコのように家に居ついている。やれやれ。個人的な話は脇において。
 非常に上手な文章だと思う。読みづらいところがない。大人になれない若者が漠然と持っている感覚、見事に描けてる、と思いました。

エントリ13  secrets of the beehive II
 とっても良いと思う。
 サスペンスに始まる。不可思議な世界に変わっていく。
『光るドーナツにしか見えないリング』『会社の規定でサングラスを着用』。
 まるで村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』(題名あってるかな?)みたいだと思えた。
 最後の『光の中に消えていく二人を見ながら』と言う文を読んで、これが霊を天国に送る業者なのだな、と知った。
 完成度、高いよ。

エントリ14  夕焼けサブウェイ    隠葉くぬぎ
 外聞が気にならない状態、余裕のない状態な主人公。なんか、私の書く散文の内容に似ている。
 
エントリ15  ソング    るるるぶ☆どっぐちゃん
 みんなで詩を書くなんて、新しい感じ。平安貴族の歌会みたいでオツだね。昔の流行歌を思い出す。素敵だ。

エントリ16  『翡翠の歌』    橘内 潤
 きれいな(でもありがちな)昔話。
投票者: その他のQBOOKS参加作者

感想:
今回は絶対にこれだ。これしかない。
シークレッツ・オブ・ザ・ビーハイヴって第2回のCoC作品なんだけど、その続編であろう推薦作のほうが、断然良く書けている。
淡々としているが冷たすぎないところが良いし、伏線も無駄なく張られていて、読み終わった後に妙な疑問が残らない。きっちり計算されているのだろうけど、巧さよりも面白さが前に出てきて、充分に心が満たされた。
(日向さち)
投票者: このバトルへの参加作者

■Entry5
ウーティスさん

感想:
とりあえずレトロなSF単語に萌えなので、一票。
投票者: このバトルへの参加作者

■Entry10
ミッドナイトフライト
鬱宮時間さん

感想:
しっとり読ませられました。特に筋があるわけではないのに、淡々と描写が続き心の中に引きずり込まれる。妙に心に引っかかる作品でした。
投票者: このバトルへの参加作者

■Entry11
母の恩返し
越冬こあらさん

感想:
 こんな感じに、うっかり死ぬまで人間やっちゃってる義理堅い妖怪(?)って、案外たくさんいるのかも知れません。
 そんで、たまにその能力を使って教祖とか、芸能人とか、カレーを三キロ喰う人とかになったり、その子供が変わった性質を持ったり。
投票者: このバトルへの参加作者

■ 該当作なし

感想:
どう考えたらいいか……。わかりませんでした。すみません。
投票者: このバトルへの参加作者