第81回1000字小説バトル結果

おめでとうございます!

今回のチャンピオン作品は、
ごんぱちさん『和尚様と小僧さん』
アナトー・シキソさん『informed-consent』
の2作品です。

アナトー・シキソさんは、これで4度目のグランドチャンピオンとなりましたので
ご希望により(?) 『マイスター』の称号が与えられます。おめでとうございます。

エントリ作品作者得票
09和尚様と小僧さんごんぱち4
10informed-consentアナトー・シキソ4
04鯉のぼり青野岬2
05切れないナイフのぼりん2
08答えは恐らく否2
03十三夜月の夜霜野浩行1
07『甲殻機動おばあちゃん』橘内 潤1
11ハッピー・バースデー・Mr.ヒーローとむOK1
13リモコン越冬こあら1
14ニューオールダーるるるぶ☆どっぐちゃん1
16いいもの。棗樹1


感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……
掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。



推薦作品と感想

■和尚様と小僧さん  ごんぱちさん
 
感想:うーん、悩んだ。
今回ほど悩んだことはなかった。
ハナの差という、ムネの差というか。
個人的に今回は激戦だったと思う。
ただ似たようなテイストの話が多かったのは何故だろうか?
その中で気に入ったのは、下記の作品。

○シュレーディンガー方程式による水素分子の構造(小笠原寿夫)
ただ単に本を写しただけ? なのに、小説の場に移ると、なんだかわかりやすかったような気がするのは、私だけだろうか?

○ 鯉のぼり(青野岬)
オチが予想出来てはいたものの、父親の葛藤と最後の「に、人魚姫」というありきたりな台詞に笑わずにいられない。かわいい作品。

○切れないナイフ(のぼりん)
今回は漫談のような話が多かったような気がする。
この作品もそう。読み終わった後で、「もうええわ!」と軽く突っ込みを入れてしまいたくなる。「ありがとうございました」ぺこり(_ _)

○『甲殻機動おばあちゃん』(橘内 潤)
士郎正宗ファンの私にとって、まず題名に惹かれた。
しかし、ごつい題名とは裏腹に内容は非常にかわいい。
孫とばあちゃんの掛け合いも絶妙! あまりばあちゃんの描写がない割には、孫を乗せて走り出すばあちゃんの姿がありありと脳裏に浮かびました。

○informed-consent(アナトー・シキソ)
この作品も掛け合いが絶妙。台詞の中に医者の下心がうまく滲み出ていました。オチはないのだけれど、最後の医者の表情はよかった。
でも、私なら悪い部分だから切りましょう、と云うかも……と思う私は畜生ですか?

○リモコン(越冬こあら)
惜しい! 惜しかった! 今回、票を入れた作品と最終の最終まで争った作品。個人的な敗因としては、リモコンというアイディアにもう少し捻りを入れて欲しかったこと。展開は非常に盛り上がって良かったのですが、中核となるリモコンというアイディアに、薄みを感じました。「何故、リモコンで人が死んだのか?」というところに、オチを持ってこれば、もっとよかったのでは無いでしょうか?

○和尚様と小僧さん(ごんぱち)
さてさて、そんな激戦区を勝ち抜いたのが、ごんぱちさんの「和尚様と小僧さん」。和尚様と小僧さんの掛け合いが見事に起承転結になっていたところが凄い。台詞も和尚様と小僧さんのキャラクターを見事に反映しており、一つ一つの台詞に気を遣っているが見て取れます。
この作品を選んだ最大の理由は、やはりオチ。単なる昔話の和尚と小僧の掛け合いかと思いきや、小僧がロボットだったというオチに持ってきたのが素晴らしかった。描写と和尚と小僧という牧歌的な雰囲気に、ロボットというオチを持ってくる。しかも、そこに無理がない。秀作です!


票者:このバトルへの参加作者

感想:いやはや、完全に騙されました。ナイスなオチだったと思います。
票者:このバトルへの参加作者


感想:やはり上手いなぁ。
最近の雑誌のちょっとした隅っこのほうでこう言った話を載っけてるよなぁ。いいねぇ、いいよ。
ばかばかしいほど時間の使い方に神経質な現代人には、こう言ったエッセンスは程好い癒しになるんです。ほんとOKですね。
票者:このバトルへの参加作者


感想: 単純なとんちモノかと思ったのだが見事に引っかかった。
票者:その他のQBOOKS参加作者


■informed-consent  アナトー・シキソさん
 
感想:面白かったです。この遊び心。素晴らしいものがあると思います。無意味な臓器を取りたい「医者心」を上手に表現されていて、最後の部分で笑ってしまいました。
票者:このバトルへの参加作者


感想:間の取り方がすごい。引き際の返しが堪りません。
票者:純粋読者

感想:聞きながら舌なめずりしていそうな医者が不気味。「取りたいよなぁ、これ」ってせりふを被せるとこがまた、医者の目つきまで想像できてゾゾッとしました。
票者:その他のQBOOKS参加作者


感想:くすっ、と来た。

これは自分が書く時に思うことなのであるけれど、ものを書く、というのは、実に難しいなあ、と感じる。盛り上げなければいけないのかな、とか、オチをつけなければいけないのかな、とか。
うまく言えないけれど、オチをつけない、盛り上げない、説明しない、というのはやはり、書こうと思う動機、きっかけがあるのだから、それをなんとか形にしたいのだから、まあとにかくうまく言えないけれど、勇気がいる。解って欲しい、と考えてしまう。そうなるともう思考はハナシの奴隷であり、ハナシに書かされているだけになってしまう。
ものを書くのは本当に難しいと思う。この作品は実にうまいところで筆を置いているなと感じる。参考にしたいと思う。
次点は棗樹さん。この名前はどういう意味なのだろう。何かの種かなんかかな。エロくて良かった。題名がどうもな、と思うけれど。
票者:その他のQBOOKS参加作者


■鯉のぼり  青野岬さん
 
感想:二十年以上も主婦業を勤めてきた女性だからこそ面白くて、やっぱり可愛らしい。
今月は全体的に面白かったです。
(ぼん)
票者:このバトルへの参加作者


感想: かわいいなぁ、もう!!

 次点で「informed-consent」。取りたいねぇ、うん、取りたい、実に。
票者:このバトルへの参加作者


■切れないナイフ  のぼりんさん
 
感想:セリフもオチも大好きです。
票者:このバトルへの参加作者

感想:毎回「オチ」のある話を楽しみにしています。今回の作品は、途中で「オチ」は薄々わかってしまったのですが、「出鱈目博士」という典型的な御名前とキャラクターが「も、もういけません……プッ」でした。
発明品についていえば、柔らかいものに当たると刃が引っ込んでしまうという風にして頂ければ、違和感なく読めた気がします。
票者:このバトルへの参加作者

■答えは恐らく否  音さん
 
感想:好みでした。ですが言葉の部分に(効果だとしても)空白があるのが気になります。空白がなくても十分に表現できていると思いました。
票者:このバトルへの参加作者


感想: ピックアップ。リクエストがあったので多めに。

01  シュレーディンガー方程式による水素分子の構造
 おんなじことを志ん生がやってる。
「金も無いし優しくも無いしかっこよくも無いのに、何で一緒になったのよ」
「だってェ、寒かったんだもン」
 要するに、こう云うことだろう?

02  煙の波の向こう側
 海賊である必要性を感じない。山賊に騎士、パン屋、きこり、男だったらなんでも成り立つ。

03  十三夜月の夜
 ハナに人格が無い。だから、これは小説ではなく「空想の報告」である。

04  鯉のぼり
 息子に幻想を持ちすぎです。もっと息子は、ガキです。

05  切れないナイフ
 ラジオ番組で「番組特製ステッカー二枚あげましょう」とかそういうノリ。落語「そば清」のオチをわざわざ解説しなきゃ不可ないような、そんな気持ちの悪さがあるんだ。せっかくの考えオチなのに。

06  非行少年の末路
 この作品、何が面白いのか作者の意見を聞いてみたい。

08  答えは恐らく否
 自分のさががあって、それの吐露に終わらないあたりのスタンスは高く評価したい。そう、これでいいのだ。あとはいかに面白くするかだ。

13  リモコン
 色々なものが操れるリモコン、という今回の秘密道具(byドラえもん)があって、あとは成り行きで書いている。帝王がこれでは駄目です。惰性はいけません。

14  ニューオールダー
 復帰戦だけど昔ほど日本語にキレが無い。なんかこう、ちやほやされてぶくぶく太った感じだ。

 小笠原さんはそれでいい。かっこいいと思うんだ。
 でも、音さんはレベルアップしたと思うんだ。
 だから、音さんに一票。
票者:その他のQBOOKS参加作者


■十三夜月の夜  霜野浩行さん
 
感想:1000文字という少ない文字数の中で、きっちりと世界が表現されている。
それは作者の優れた文章力の賜物であろうと思う。

他に面白かったのは、橘内潤さんの「甲殻機動おばあちゃん」、越冬こあらさんの「リモコン」。
橘内さんの作品は、999文字というのが惜しい。
あと1文字足して1000文字にすることはできなかったのだろうか?
こあらさんの作品は安定感があり、とても安心して読めた。
でもそこが1票を投じさせるには、やや物足りなかった。

票者:このバトルへの参加作者


■『甲殻機動おばあちゃん』  橘内 潤さん
 
感想:今回気に入ったのは、越冬こあらさん、早透光さん、橘内潤さん、ごんぱちさんの作品。こあらさんの作品はいいテンポ、ナイスなオチでいうこと無し。ごんぱちさんの作品も。早透さんのは、最初「かかし」がどういう存在なのかわからなかったが、三読・四読目ぐらいでやっとわかった。そして、読むたび魅了された。橘内さんの作品。……。だめだ、こういうの好きーーー!!!!!  「999字」が気になるけれど、今回はいいや。巧いなあ、と素直に思った。
票者:このバトルへの参加作者


■ハッピー・バースデー・Mr.ヒーロー  とむOKさん
 
感想:説明的とか、そういう意見もありそうだが、面白いから許す。
次点はアナトーさんの作品。いつもよりネタ重視だった感じ。そういう印象。
票者:その他のQBOOKS参加作者

■リモコン  越冬こあらさん
 
感想:13 リモコン 越冬こあらさん
投票。中学生くらいの時に、こんなお話書いたなあというのを思い出したが、勿論、こっちの方が圧倒的に洗練されていて面白い。随所に遊び心が満載。

他、気になった作品。

10 informed-consent アナトー・シキソさん
 この、落ち着かない感じが堪らない!

16 いいもの。 棗樹さん
 よかった。猫の可愛らしさに魅了され、それだけでいいと思わせる。そういう意味で隙の無い物語でもある。次の満月の晩も、見に行きたい。
票者:このバトルへの参加作者


■ニューオールダー  るるるぶ☆どっぐちゃんさん
 
感想:08「答えは恐らく否」音
このモチーフで、これが完成というなら、あと一歩半ほど踏み込み方が足りない。

09「和尚様と小僧さん」ごんぱち
要らねえんじゃないか、最後のオチ。と、俺とかが言うだろうと思いながら書いたオチのような気がする。いや、そんなことはどうでもよくて。良くも悪くも、ごんぱち君の作品に対する「責任の取り方」は、プロっぽいよな。

12「漠然」ぼんより
こういうタイプの作品ってのが、千字では時々出て来る。ハンディカメラで、画面ぐらぐら揺れながら、いろいろなことが次々起きて、あっと言う間に走り過ぎて、プチんと終わる感じの作品。こう言うタイプの作品に「〜小説」って名前を付けたいといつも思ってるけど、いいのが浮かばない。

14「ニューオールダー」るるるぶ☆どっぐちゃん
久しぶりにどっぐちゃん読んだな。相変わらずエッジが効いてるぜ。
どっぐちゃんは、俺の期待を裏切らねえ。
ところで、作者付記のアドレスのあのページ、一体、なんなんだ?

15「案山子に稲穂の聖徳太子」早透 光
意味分かんねえ。二回読んだら分かるかな? でも時間がないから。
気配は感じる。気配というか、なんだろ、なにかあるぞ、という予感。
もっとちゃんと読み込めば、それが何なのかわかるかもしれない。
けど、まあ、とにかく今、時間がないから。(あと15分)

16「いいもの。」棗樹
俺は、これに近い生活を実際にやってました。
すべての野良猫は俺の師匠です。

今回、俺としては、考える必要もなく、どっぐちゃんの「ニューオールダー」でしょ。ねえ。

(アナトー)
票者:このバトルへの参加作者


■いいもの。  棗樹さん
 
感想:猫の語り口調がさらりと入ってくる感じが、好き。


票者:このバトルへの参加作者