第84回1000字小説バトル結果

おめでとうございます!

今回は大差をもって
越冬こあらさん『ボウリング』の勝利です。
やっぱりチャンピオンは強い方がよい…

なお越冬こあらさんは4度目のグランドチャンピオンとなり、
『ミスター』の称号が与えられました。
ミスター、おめでとうございます。

エントリ作品作者得票
15ボウリング越冬こあら8
16海の日棗樹4
06僕のうた3
18らーめん神崎翔3
01優しさの強い薬早透 光2
07SUNSHINE小笠原寿夫2
03恋の応援団 幻編ようこさん1
04漂流藤田岩巻1
09人待ちチョコレート待子あかね1
12The Raw Powers (A-minor)アナトー・シキソ1


感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……
掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。



推薦作品と感想

■ボウリング  越冬こあらさん
 
感想:発想が面白い。軽やかにホラーなとこがいい。
票者:このバトルへの参加作者


感想:「意外と容易に首が外れた。」もうこれで投票確定しました。
 結構グロなホラーなのに、淡々とした文章がとても美しいと思った。
票者:その他のQBOOKS参加作者


感想:背筋が心地よく凍る。それでいて、それだけではない余韻がたまらなくすてき。
票者:このバトルへの参加作者


感想:何が、って言えないんですがすごく好みの作品です。
目玉のどろっとしたのがガラス玉になるとか案外簡単に首が外れたとか、
グロテスクな童話みたいでとても好きです。
票者:その他のQBOOKS参加作者


感想:まさにこあらさんの創作を読ませていただいたような気がします。何の違和感も無く読めました。とはいえ映像化はちょっと……
他、ロヲラさん作『ケミストリ』が面白かったです。個人的に3000字の尺で読んでみたいと思いました。(ぼん)

票者:このバトルへの参加作者


感想:ああもうこれしか無いでしょう。
欲を言うとラストはあんまり好みでは無いけれどね。
票者:このバトルへの参加作者


感想:強気でスペアを狙いたかったのに、残念です。

「ガーター」ではなく「ガター」だ、あと入社したことを後悔を催させる会社の人々の様子が紋切ではないのか他、全体的に荒い印象がありました。しかし頭がレーンを転がるインパクトにはとても惹かれた。

<ロヨラ>
票者:このバトルへの参加作者


感想:「漂流」藤田岩巻
すべては最後の1行のための前振り。というか、最後の1行が、それまでの全部を引き受けられてる点がこの作品の力。力というか、命。

「狼と少年」ごんぱち
そうだよなあ。少年に羊を守らせるようにすればいいんだ。
オリジナルとは全然別の、でも、オリジナルに匹敵するくらいの教訓話。

「ケミストリ」ロヨラ
おネエちゃんが書きそうな、というか喜びそうな話。書けてる。

「一緒に落ちちゃう」とむOK
牽牛と織り姫のパロディ。面白かった。

「アビイロード」るるるぶ☆どっぐちゃん
こんどの文芸フリマとかいうのに出す本にはこれを載せてほしいなあ。

「川辺」ぼんより
書けるねえ。

「ボウリング」越冬こあら
今回はこれだろう。こあら節全開やんけ!

「海の日」棗樹
これも書けてるよなあ。

「らーめん」神崎翔
人肉使うと、なんでスープが赤くなるんだ? で、辛くない赤いスープと、舌に粘りつくような味で、なんで、人肉だって分かるんだ? それまで人肉食ったことないんだろ、この主人公? 実はあるのか? 
「最 初気付かず→最後ではっと気付く→ばれたか→主人公のやばい状況で終わり」という展開が「型」としてあらかじめ作者を規定しているから、それにそった展開 ができただけで安心しちゃう。しかもちゃんと「型」に沿ってるもんだから、とにかく「書けた」と思っちゃう。けど、これじゃだめだ。楽譜通りに演奏はし た。けど、ギターのチューニングが狂ってる、って感じ。

今回は、QBOOKSの帝王(越冬こあら)の「ボウリング」でしょう。変容してい く自身の身体を、超自我的な視点から、淡々と他人事のように語り続けるというスタイルは、越冬こあらの得意とするところだ。作品世界を見渡す視線が、一人 称でも三人称でもないというところで物語をうまく展開すれば、こんな感じの奇妙さが表現できる。同じ事をまるっきりの三人称でやろうとする(つまり、主語 に「彼」「彼女」を使う)と、時間(字数)がかかりがち。まるっきりの一人称でやろうとする(つまり、主語に「私」「僕」「俺」などを使う)と、ただの頭 の混乱した人間の戯言になりがち。不気味だが、破綻もせず、深刻にもならず、むしろ滑稽でさえあるこの独特の雰囲気を千字で出すには、主語を抜いて、一人 称での語りと三人称での語りを混ぜてしまえばいい。いや、まあ、主語を抜いたからって、誰でもこんなふうにうまくやれるわけじゃないけど。

(アナトー)
票者:このバトルへの参加作者


■海の日  棗樹さん
 
感想:物語のテンポがいい。情景がきれいでいい。予想をさらに超えた結末がいい。「…しなびた心と性器を携え…」の一文はいいけれど、「性器」という言葉が下品で嫌い。
票者:純粋読者


感想:すんなりとひっかかるところもなく読めた。
それぞれのキャラクターもしっかりと伝わってきて、いい気分にさせてもらった。

では、気になる作品だけ感想を。

優しさの強い薬
よく行き倒れになる者がいるのだろう、という言葉から時代設定が気になった。いつの時代を意識して書かれているのだろう。これが読者の頭のなかで明確でないしても、ある程度わかっていないと、どうにも物語に入り込めない。あと、誤字が気になった。

清く正しく狂った世界。
これは日本ですか? 戦争? 昔の話? わからないことだらけで、読み終わっても??ばかりだった。

恋の応援団 幻編
ところどころ読点が抜けているのはなぜ? 文章が読みにくいので一気に萎えてしまった。

狼と少年
寓話としてはよくできていると思う。

川辺
静かでゆったりとした、でもすこし物悲しいトーンの作品で、けっこう好きなテイスト。でも、カップラーメンの容器が流れてくる件で、そのトーンが壊される。この内容はいらないと思った。

ボウリング
タイトルは「ボウリング」になっているのに、なぜ文中では「ボーリング」なのか? 目玉は視神経が外れているのに、どうして景色が急速に回転することを認識できるのか? 気になる。

実況中継:ひきこもり生活
まったくくだらない。おもしろくも何ともない。腹立たしい。




票者:このバトルへの参加作者


感想:> 乗ったことはないけれど、互いの乗り心地も、相当に悪くなっているはずだ。

ここだけ「嘘だ」と卑猥な笑いを浮かべて読んだ。他は文句なし!
票者:このバトルへの参加作者


感想:懐かしく感じられたので、これです。
票者:このバトルへの参加作者


■僕のうた  葱さん
 
感想:葱 さんの「僕のうた」すごいすごいこれはすごい。これだけ「好きだ」を列挙できるくらい好きなのに肝心要の彼女の心は論外というほど見ていないという か・・・すごいよねえ。私もこんなに年とって今になるとわかるんだけど。「好きだ。すきだ」ってほんとうに自分勝手で。ここに書いてあるとおりだな。と思 う。自分の側からの「好きだ」をこんなに並べるのに
彼女の「好きな」たった1つのジャズのCDを許容すらできないのね。
蹴られて当たり前だな。相手の好きなものに一緒に「いいね」って気持ちに寄り添ってあげるって。恋愛成就には大変に重要な事だもの。まったく理解されていないのに「好きだ好きだ」っていわれて
彼女の恐怖と困惑と嫌悪がかなり伝わってくる
ドキドキしながらよんで最後にあははと笑った。葱さんすごいです。
票者:このバトルへの参加作者


感想: 言い続けなければ好きが維持出来なかったりするもので。
 しかし言い続けで出来た好きは、案外好きに埋もれてしまって、実は好きという感情とちょっくら離れてしまっている事もあったりする訳で。
票者:このバトルへの参加作者


感想:エントリ03  恋の応援団 幻編  ようこさん
 いいじゃないですか、若者同士のカップルだって…と思うけれど、そう思わせてこその作品なんでしょうね。

エントリ06  僕のうた  葱
 好きだ好きだ…の繰り返しはナイスアイディアですね。「彼女を好きな自分が好きだ。」もうこれに尽きます! 文体と構成と小説の核ががっぷりかみ合ってると思います。が、一点だけ、CDが送り返されたところはもう少しひねってあればと思いました。

エントリ04  漂流  藤田岩巻
エントリ07  SUNSHINE  小笠原寿夫
 この二つは、ストーリーがあるようなないような感じで、作者が何を言わんとしているか今ひとつつかみきれないのですが、作者の「書くぜっ!」という思いは強く伝わってきます。負けたくない。

エントリ14  川辺  ぼんより
 ぼんよりさんの作品は、このゆるーい感じがいいんだな、と気づいてきました。ゆるーい空気の中で、語り手が視線をふっとあらぬ方向に向ける。その瞬間に、いろんなものが立ち上がってこちらに迫ってくる。そういうぞっとするような瞬間を秘めている。そこが魅力。 
票者:このバトルへの参加作者


■らーめん  神崎翔さん
 
感想:「おやっさん」の雰囲気がよく出ていると思いました。後半、場面が恐怖に転じても、「おやっさん」が「おやっさん」のキャラのままで貫かれているので、無理なく日常の風景に混ざっている感じがします。
また、主人公の気持ちもすんなり入ってきて楽しめました。最後、変に主人公の悲鳴を入れたりするのではなく、“主人公が辺りを見回すと、ぬぼ〜と立ってる片腕のない人達”といった終わり方をしているのが現実味のある恐怖を残しているように思いました。

票者:このバトルへの参加作者


感想:前半のうまいラーメンの日常性と後半の荒唐無稽が無性に面白い。1000字でよくここまで表現できました。
票者:純粋読者


感想:わかりやすくて、細部まで作りこんでいる点に、票を入れたいと思います。

人肉を食べるという発想はすごいと思うのですが、おやっさんは何で生計を立てているのでしょう。
票者:このバトルへの参加作者


■優しさの強い薬  早透 光さん
 
感想:オチはどこですか?
それと、赤いドレスとスカートの交換条件の意図は?
票者:純粋読者


感想:『優しさが無い』と言われて彷徨い、『優しい珈琲』を発見し、「優しさの強い薬」を求めて、『情薬』に辿り着く。この不思議な世界に惹かれました。
票者:このバトルへの参加作者


■SUNSHINE  小笠原寿夫さん
 
感想:越 冬こあらさんの「ボウリング」と棗樹さんの「海の日」、そして小笠原寿夫さんの「SUNSHINE」で、悩みました。三作品ともに凄く良くて、本当に悩み ました。結局、「SUNSHINE」に投票します。理由はなんとなく年が近そうだからです。感動による差異が見つかりません。あえて言うなら、ラストの五 行くらいの投げっぱなし感がよかったです。面白かったです。葱
票者:このバトルへの参加作者


感想:今回のアナトーさんの作品もだんだん盛り上がってきて好きなのだが、今回は余韻のある終わり方の小笠原さんに投票。何というのか、題材と最後までかっちりとかみ合うと小笠原さんは強いなあ。
票者:その他のQBOOKS参加作者


■恋の応援団 幻編  ようこさん さん
 
感想:勝手な期待と勝手に落ち込むその落差に、あるよねそういう経験と、共感してしまいました。笑えそうで笑えないよ。
票者:純粋読者


■漂流  藤田岩巻さん
 
感想:あつだ!なついぞ!
純粋に面白かったです。
オチが特に。

1、奇妙だけど悪くない。前半の雰囲気が良い。
2、無垢な感じも哀しい感じもさして伝わってこなかった。表現方法が拙すぎる。
3、読点が無くて読みにくい。
6、そりゃ送り返されるよ…(笑)
8、発想が普通なので、ちょっと物足りない。
9、リズム感が良い。
10、終わり方がとても良い。
11、やる気の無い感じが大変良かった。
12、後半ヒートアップして欲しかった。拙い。
13、台詞が良い。
14、何がしたかったのか良く分からない。
15、オチが読めてしまうのが残念だけれど、ある程度は表現力でカバーできている。前半はとてもとても面白かった。
16、タッチ…!?
17、もっとハジケて欲しい。
18、ありがち。
票者:純粋読者


■人待ちチョコレート  待子あかねさん
 
感想: ピック……そしてアップだ。

01  優しさの強い薬    早透 光
 久々に光さんの作品。非常に興味を引かれたのは、こういう少女が、爺さんにとって「よくあること」なのか「めずらしいことなのか」という点である。少女は命を賭けんばかりの事であっても、爺さんにとっては、なんでもない、感傷なのかもしれない。
 着実に実力をつけているように思う。Qでしか読めない作家、である。おそらく。

03  恋の応援団 幻編    ようこさん
 やめるかぁ? やめないだろう。じゃあ、その散歩コースを歩いていた動機は、その若者が居たから、なのか。そうではあるまい。じゃあ同性愛に対する気味の悪さ、なのか。そうでもないだろう。ただ、なんとなくやめる、ではいまひとつ合点がいかない。

09  人待ちチョコレート    待子あかね
 これはいいな。ストレートでぐいぐい押していって、最後は微妙に変化するカットボールだ。バットとボールが2センチの差ですり抜けていった感触。そう、じつに、語りと、待つ気持ちとあって、いい。実にいい。


 決めては緩急。これは技能賞として文句なし。(M)
票者:その他のQBOOKS参加作者


■The Raw Powers (A-minor)  アナトー・シキソさん
 
感想:爽快!! 
票者:このバトルへの参加作者