Entry1
青年部会議
百
「えー、これより、この村の嫁不足解消のための婚活会議を始めます」
「こんかつって?」
「菅じい、婚活ってのはな、結婚するために活動するという意味だ」
「ほー、おめえらは物知りだの」
「えー、なんかいいアイデアある?」
「夏にやってるイベントを、冬にもしたらどうだ。スキーと絡めてよ」
「そうだなあ。スキー交流をメインにして、夜は歓迎会とか、地域にホームステイとかいいかもね」
「ほーむすていって?」
「菅じい、ホームステイってのはな、地域の家に宿泊するってことだ」
「ほー、民宿みたいなもんか」
「……えー、どんな風に募集する?」
「あまり嫁不足、婚活ですってことを前面に出すと、女性に警戒されるかな?」
「うん、あまり物欲しげに見えてもね」
「でも、目的とか対象年齢とかはっきりさせないと、参加する女性の心意気っていうか、心積もりというか、とまどっちまうんじゃねぇ」
「う~ん、難しいな」
「女性限定ツアーであることには異論はないな?」
「おう!」
「婚活ってのを大きく知らせるか?」
「それは……なぁ……。ちょっと抵抗あるさ」
「それじゃあ、村の青年と交流イベントぐらいがいいか?」
「そうだなあ」
「賛成!」
「ちょい待ち、青年だけか?」
「一応、青年部の主催だし……」
「でも、青年というには、かなり成長しちまった奴らもいるだろう」
「20~40代ぐらいにしとけば?」
「イベントが婚活ではなく交流をメインにするなら、年齢制限はなくてもいいんじゃん?」
「えっ、小学生とか応募してきたらどうする?」
「小学生かぁ」
「若いにこしたことねえろ」
「交流が続くことも大切かもな。子ども会とも提携して、小中学生の交流を毎年続けていって……」
「成長しつつ、愛を育む!」
「おー、いいね。それ」
「ん、でも、それじゃあ、俺らはどうなんだよ」
「あー、小学生ばかり来るってこたぁないだろ」
「菅じい! 寝てんのか?」
「……んっ、と、孫がどうしたって?」
「やっぱ、寝てたんかよ」
「すまんすまん」
「えっと、今までのをまとめると、参加女性の年齢制限はせず、スキーを通して村の住民との交流を深めるイベントということかな」
「いいんじゃね」
「でも小学生とかが参加してきたら、その母親とかも参加させろって言ってこないかな?」
「家族で参加されてもな~、意味ねえし」
「……おめえら、バカか?」
「菅じい、なんだよ、いきなり!」
「手段のために目的を忘れおって! 未婚の女性限定が鉄則じゃろが!」