Entry1
ハッピータイム
小笠原寿夫
十二時から十二時間が回り、時計の針は、長針と短針が平行線を辿る。冷房の効きすぎた部屋で、一人、パソコンに向かう。
今朝、小火騒ぎがあった。煙草の火の不始末が原因らしい。日本のどこかで、それが起こっている。以上、日本のどこかでニュースの時間でした。
昨日、未明。彼女に振られた。一線を越えてしまったことが原因だ。以上、日本の誰かがニュースでした。
本能寺の変があった。織田信長は、火の中で舞を踊った。以上、日本のいつかにニュースでした。
と、三段オチを決めたところで、書くのを躊躇う。この文章が、果たして、誰かの役に立っているのか、と。
「するってぇと、お前さん。何かい?手を洗わねぇで、飯が食えんのかい?」
髪型を見れば、大体のことは分かる。纏めよう。表に纏めよう。乱数表が、何かっていうことなんて、システムエンジニアが考えればいい。
「ようこそ。お客様サポートセンターへ。この電話は、サービス向上のため、予め録音させていただいております。改めて、ご了承ください。」
要するに、笑いに惚れた、といったところで、モテたいだけの口実だったりする。
「いや~、しかし、最近怖いニュースが少ないねぇ。」
「話終わってまうがな。」
と、この様に漫才を壊す。
「いやいや、怖いニュースなんかあらへんで。」
「それ言うたら終わりやがな。」
漫才を収束に向かわせるには、オチが必要。それは、本当の話で、事態は収束に向かう。
諦め。これが人間に許された特権である。
「もうええわ。」
で、漫才は終わる。それは、仏法で言うところの諦め。
つまり、どんな困難があろうとも、人間はどこかで諦める。
纏めよう。表に纏めよう。
カイザーナックル インストラクター
ヤジロベー ターザン
ターザンが、
「アッアアー!」
と叫ぶ。あれはなんて叫んでいるのかという大喜利の答えを、いくつか紹介しよう。
「助けてー!」
これが、まずひとつ。
「アッアアーってどういう意味でしたっけ!」
これが二つ。
「ロ、ロ、ロ、ローマ!」
これが、三つ。
「あほにもの言うとんか。」
と、最後に、パクッと饅頭を食べて、母は、
「最後のが一番うまかった。」
と、あっけらかんと言う。
そこで、疑問を投げかけた。
「何が旨いねん。」
「饅頭。」
「あほにもの言うとんか。」
「それ、あほ。」
「皆あほとちゃうねん。」
「お前に食わせる坦麺はねぇ!」
と、
「寝え。」
が、かかっていた。
「あら、いらっしゃい。」